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RSSフィード [18] 意訳詩
   
日時: 2011/10/31 12:06
名前: 闇の吟遊詩人(闇雅人) ID:Ru30e.qY

昔、私がTCの常連だったころ、管理人の闇さんに提案して拒否された企画(苦笑)。裏でやるならいいでしょう。参加は自由です。ちなみに「外国の詩」を「教科書的に直訳」せず、「意訳して日本語の詩」にする「意訳詩」というジャンルはあります。上田敏の『海潮音』や、佐藤春夫の『玉笛譜』などがその例です。

なお、TCから離れるにあたり、私の記事は全て削除しておきます。私の企画で孤軍奮闘してくれた「うんこ太郎さん」の応援のために「一時的に」投稿したランボーの詩も削除します。では、失礼致します。もう二度とここへは来ません。

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デラメア ( No.53 )
   
日時: 2012/12/28 16:29
名前: うんこ太郎 ID:vdskCVps

 年末だしせっかくだからきれいな詩を訳したいなあ、うきうき。ということで、W. de la Mare の Silver に挑戦です。冬の夜は月の光もきれいですね!

銀 (しろがね)

ゆるやかに、ひっそりと、
月は銀の靴を履いて
夜を歩いてゆく。

ここに、あそこに、顔を出して、
銀いろの木々にぶらさがる
銀の果実を眺めている。

銀いろの藁葺き屋根の下では
ちいさな窓が、ひとつずつ、
月の光をつかまえる。

犬小屋のなかで、
丸太のように眠る犬の
銀いろの足。

うす暗い巣から、白い胸が見える。
銀の羽毛につつまれて、
鳩たちが眠っている。

収穫の季節に、
ネズミたちが走りまわる。
銀の爪と、銀いろの目をして。

水のなかでは、魚がじっとしている。
銀の葦のそば、銀いろの川の流れの底で。

* * *

Walter de la Mare
"Silver"

Slowly, silently, now the moon
Walks the night in her silver shoon;
This way, and that, she peers, and sees
Silver fruit upon silver trees;
One by one the casements catch
Her beams beneath the silvery thatch;
Couched in his kennel, like a log,
With paws of silver sleeps the dog;
From their shadowy cote the white breasts peep
Of doves in a silver-feathered sleep;
A harvest mouse goes scampering by,
With silver claws and a silver eye;
And moveless fish in the water gleam,
By silver reeds in a silver stream.

良いおとしを!!!

メンテ
感想です ( No.54 )
   
日時: 2012/12/31 21:42
名前: 楠山歳幸 ID:2v6Pe/DA

 読ませていただきました。
 いいっすね。銀まみれ。小さく見える月が回りいっぱいに広がるみたいです。山頂から見た月明かりも思い出しました。ラストの川の底、天の川みたいでかっこいいです。
 こういった優しさというか慈愛を感じる作品は旅行先で読むと一層じん、と来ると思います。
 うんたさんの紹介する作品はすっと場面をイメージしてしまいます。イラスト化するみたいな。今思うと、これってレベルが高いということですね。

 今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします。
 良いお年を。




 もう帰国なされたのでしょうか? 突然ですが、1月3日か4日に神奈川へ遠征に行こうと思いつき、小一時間でもお話でもと思ってメールしようと思ったのですが、考えてみれば鯖が外国の鯖でした。機会があればお会いしましょう。それでは。

メンテ
Re: 意訳詩 ( No.55 )
   
日時: 2013/01/02 16:19
名前: うんた ID:68is/8PE

 楠山さん、あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。返信遅れて申し訳ございません。せっかくお声をかけていただきましたが、1月3日、4日は帰省しておりますのでお会いすることは叶いません。また別の機会にぜひよろしくお願いします。私も関西方面に出張に行くことがあればご連絡いたします。

メンテ
本年もよろしくお願いします ( No.56 )
   
日時: 2013/01/14 19:28
名前: 太郎 ID:O5LUTqUI

>楠山様

 ご感想をありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いします。デラメアの詩ですが、場面を想像していただいたようでありがとうございます。決してレベルが高いなどということはないのですが、楽しんでいただけたのであればとても嬉しいです。

 私は日本に戻って参りました。新しいメールアドレスはiyakushi@livedoor.comですので、何かございましたらお気軽にご連絡をください。さて、今年は本格的に山登りを再開したいと思い、山岳会に入会することにしました。楠山さんは登山の方はいかがですか? それと4月には静岡の掛川で、フルマラソンを走ってきます。他にも、できればなんらかの活動を通じて地域社会へも貢献したいと考えています。やりたいことがたくさんあります。そういえば昨日の早朝に近所の公園をジョギングしていたら、まだ霜で真っ白な芝のうえに、望遠レンズをつけたカメラを持ったひとたちがたくさんいました。バーダーの方々だと思いますが、ふと楠山さんのことを思い出してしまいました……。

 創作面では詩よりも仏教に関心が移ってきていて、まとめて仏教関係の本を読みたいと思っています。小説は短編でいいので、2作品くらい書けたらいいなと思います。仕事では、いただいた環境で一生懸命に励み、心を磨き、人間性を高めていきたいです。仕事でもプライベートでも、あたらしい仲間たちができたらいいと思います。それから恋愛もしたいです…。自分の過ちで失くしてしまった日々を取り返すという意味でも、これからの毎日をこれまでよりも一層大切に、真剣に生きていきたいです。

 意訳詩は今後の更新の頻度が減ってしまうかもしれませんが、なんとか100回は2年以内に終わらせたいので、引き続きどうぞよろしくお願いします。

***

 今回はWilliam Allinghamの A Memory に挑戦してみました。

思い出 (A Memory)

池に四羽の鴨がいた
向こう側に芝生の堤(つつみ)
春の青い空
ただよう白い雲
本当にとてもささやかなこと
幾年も心にとどまり
涙とともに思い出すには

***

A Memory

Four ducks on a pond,
A grass bank beyond,
A blue sky of spring,
White clouds on the wing;
What a little thing
To remember for years --
To remember with tears!

メンテ
Re: 意訳詩 ( No.57 )
   
日時: 2013/01/15 00:01
名前: 楠山歳幸 ID:GhkbkoJA

 今年もよろしくお願いします。
 
 前向きで活動的ですね。尊敬します。そういう方には素敵な方がきっとついて来ると思います。頑張って下さい。
 登山のほうですが、僕は年のせいか、ハイキングコースですらへろへろになってしまい、ロープウェイに頼っている始末であります。10年で、こんなに、変わるものかと。
 仏教は、僕の経験としてご利益や奇跡や権威やらの類は避けたほうがいいです。とは言っても、経験が大事とも思いますので納得できるよう頑張ってください。
 僕はたぶん文芸のほうは書かないかもしれませんし、書いてもエッセイもどきぐらいかなと思います。TCにも投稿しないかも知れません。といいつつ、またするかも知れません。でも、うんたさんの創作と意訳詩は楽しみにしています。

 それでは。

メンテ
ワーズワース ( No.58 )
   
日時: 2013/01/26 20:37
名前: うんこ太郎 ID:g.Qaiyrk

 砂漠のなかにぽつんと人が歩いている、夕暮れの空で羊飼いが杖をついて休んでいる、ただ青い海のうえに船がただよっている、人間が広大な自然のなかにいる情景は、自然の雄大さをひきたてるのではないでしょうか。この詩も、ワーズワースがいるということで、水仙の花の広がりが伝わってくるのでは、という気もします。ワーズワースの有名な水仙の意訳に挑戦してみました。


水仙 ワーズワース


谷と丘のずっと上に浮いている
あの雲のように
さびしくさまよっていたときのことだ
突如として目の前に花の群れがひろがった
それは黄金にかがやく水仙の花だった
湖のほとりに、木々の下に
そよ風に吹かれては、揺れながら
水仙がダンスしているのだ
天の川をつくっている
ちいさな星々のように
水仙の花々は途切れることなく
湖の岸を縁取るようにずっと続いている
ゆうに一万もの花が咲いていたのではないだろうか
それらがみな顔をあげ、明るいダンスをしていた
水仙の横ではさざ波も一緒に踊るが
陽気な花のダンスにはかなわない
詩人でなくたって嬉しくなるだろう
こんなに明るい友が
一緒に居てくれるのであれば!
私はこの情景をただじっとみつめた
それがどれだけありがたいことか
その時には十分に分かっていなかったのだけれど
というのも、あれから、
寂しい思いやむなしい思いで
長椅子に身をあずけていると
わたしの孤独な心のなかに、
ときどき突然に
この時の情景があざやかに蘇るのだ
すると私の心はただ喜びに満たされて
あの水仙の群れと
一緒になって踊りだす

***

"Daffodils" (1804)

I WANDER'D lonely as a cloud
That floats on high o'er vales and hills,
When all at once I saw a crowd,
A host, of golden daffodils;
Beside the lake, beneath the trees,
Fluttering and dancing in the breeze.
Continuous as the stars that shine
And twinkle on the Milky Way,
They stretch'd in never-ending line
Along the margin of a bay:
Ten thousand saw I at a glance,
Tossing their heads in sprightly dance.
The waves beside them danced; but they
Out-did the sparkling waves in glee:
A poet could not but be gay,
In such a jocund company:
I gazed -- and gazed -- but little thought
What wealth the show to me had brought:
For oft, when on my couch I lie
In vacant or in pensive mood,
They flash upon that inward eye
Which is the bliss of solitude;
And then my heart with pleasure fills,
And dances with the daffodils.

メンテ
ブレイク ( No.59 )
   
日時: 2013/02/01 22:19
名前: うんこ太郎 ID:qAVm8F/6

ウイリアムブレイク、はじめて訳してみました。
なんか恐れおおい感じです……。
寿岳文章の訳がいいと教えていただいたことがありますが、残念ながら読み比べたことはございません。
イギリスロマン派の詩人たちの人気は根強いですね。

***

よろこびのジョイちゃん

「ぼくにはなまえがありません
うまれてたったのふつかだから」
なんてよんだらいいのかな?
「しあわせだから、よろこび(ジョイ)という
なまえはどうでしょう」
そうだね、よろこびのジョイちゃん!

うつくしいジョイちゃん
いとしいジョイちゃん、うまれてたったのふつかだけ
いとしいジョイちゃんってよぶからね
かわいいえがおですね
うたいましょう
あなたがしあわせでありますように!

***

Infant Joy : William Blake

"I have no name:
I am but two days old."
What shall I call thee:'
"I happy am,
Joy is my name."
Sweet joy befall thee!

Pretty joy!
Sweet joy, but two days old.
Sweet joy I call thee:
Thou dost smile,
I sing the while,
Sweet joy befall thee!

メンテ
Re: 意訳詩 ( No.60 )
   
日時: 2013/02/09 20:58
名前: うんこ太郎 ID:MLeVa6Wo

 英詩では一番有名な詩と言ってもいいのではないでしょうか。
ブレイクの「虎」。
こういう有名な詩にもびびらずに、がんがん訳していきますよ!

***

虎 (ういりあむ、ぶれいく さん)

虎よ! 虎! 燃える虎!
闇夜の森に燃える虎

いったい誰が
炎のような均整をつくりあげた
海の底の深くからか、空高いところからか
どうやってお前の目に火を灯したというのだ

どのような翼をもって、この均整をつくりあげたのか
ごつごつの手で、命の火を吹き込んだというのか

硬い肩だったのか?
どのような技量で
あの心臓の肉を創造したというのか!

びくびくと脈打つ身体に
鋭利な爪と、凶暴な四肢を
どうして造りあげた?

どのような槌を使ったというのだ
どのような鎖を使ったというのだ
 
おまえの脳を生み出したのは
どのような鉄槌だったのだ
どのような鋏が
この弾けるような命に
鎖をかけることができたのだろう?

星々が槍のように地上に落ち
天国までもが歓喜の涙で濡れるとき
神は燃える虎を見て微笑んだのだろうか?

子羊をつくりあげた神よ
あなたはどうして虎を創りあげた?

虎よ、虎よ、燃えあがる虎、
闇夜の森に燃える虎、

一体だれのどのような手が
お前のすがたをつくりあげたというのだ


***

Tiger! Tiger! burning bright
In the forests of the night,

What immortal hand or eye

Dare frame thy fearful symmetry?

In what distant deeps or skies

Burnt the fire of thine eyes?

On what wings dare he aspire?

What the hand dare seize the fire?

 

And what shoulder and what art

Could twist the sinews of thy heart?

And when thy heart began to beat,

What dread hand? And what dread feet?

 

What the hammer? what the chain?

In what furnace was thy brain?

What the anvil? What dread grasp

Dare its deadly terrors clasp?

When the stars threw down their spears,

And watered heaven with their tears,

Did He smile His work to see?

Did He who made the lamb make thee?

 

Tiger! Tiger! burning bright

In the forests of the night,

What immortal hand or eye

Dare frame thy fearful symmetry?


メンテ
Re: 意訳詩 ( No.61 )
   
日時: 2013/03/02 19:33
名前: うんこ太郎 ID:ANq4Dvyg

楠山さん

これもなにかのお導きなのかもしれませんが、4月から大阪勤務となりました。
梅田近辺の勤務です。今物件を探しています・・・
住むにはどこがいいんですかね? 香里園とか、淡路や江坂あたりかな、と思っているんですが。

ジョギングや散歩ができるような公園があって、
せっかくですので適度に大阪っぽくて、
京都や奈良にも週末車ででかけやすいところがいいなあ、と思っています。
もしもお勧めがありましたら教えてください。

なんかみんなの掲示板を私用で使ってしまい恐縮ですが。

では、大阪で飲みましょう。

うんこ太郎

メンテ
EEカミングス ( No.62 )
   
日時: 2013/03/20 20:42
名前: うんこ太郎 ID:dyR.qUhU

EEカミングスです。特に若い読者に人気のある詩人ですね。
春になると必ずこの詩を思い出します。

春はもしかしたら手のようなもの

春はもしかしたら手のようなもの
(どこからともなく注意深くやってきて)
並べていく手のようなもの
みんなが覗く窓のなかに
(よくわからないものを向こう側に
知っているものをこちらへと
ならべていく)手のようなもの

そして
すこしずつ、全てをがらりと変えていく

春はもしかしたら
窓の向こうの手のようなもの
(注意深く前後に動いて
新しいものと古いものとを
選んでいく手のようなもの、
みんなが花を飾ったり、空気をいれかえたり
している間に)

何も壊さないで
選んでいく手のようなもの


ーーーーーーーーーーー

Spring is like a perhaps hand
(which comes carefully
out of Nowhere)arranging
a window,into which people look(while
people stare
arranging and changing placing
carefully there a strange
thing and a known thing here)and

changing everything carefully

spring is like a perhaps
Hand in a window
(carefully to
and fro moving New and
Old things,while
people stare carefully
moving a perhaps
fraction of flower here placing
an inch of air there)and

without breaking anything.

メンテ

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