西瓜へ捧げる詩 ( No.13 ) |
- 日時: 2011/11/06 07:41
- 名前: うんこ太郎 ID:nPu1YMN6
闇雅人様、お気遣いをありがとうございます。私は自身の慰めに投稿させていただいているので、孤軍奮闘というよりも楽しませていただいています(^^;。 ばたばたしておりじっくり読むことができなかったのですが、もし良かったら是非またランボーの詩をご投稿ください。 闇雅人様の訳詩は、私のように適当ではなく、大分しっかりとしたもののように感じました。
なんだかとても嬉しかったです。ありがとうございます!
※ ※ ※
今回はせっかくだから私の好きな「西瓜に捧げる詩」(パブロ・ネルーダ)を翻訳してみました。Robert Blyの英訳から。
Ode to the Watermelon 西瓜に捧げる詩
まなざしあおく 夏、 硬く、 木々は 空に繁る 黄色い太陽から こぼれる剣 ハイウェイの上で 靴が焦げる 夏、 街にのしかかるのは 眩しい世界!
瞼を打つ 黄金の打撃は 砂塵 茨のとげと 熱い石が 両足を刺す 乾いてゆく のど、歯 くちびる、舌 飲み干したい 滝を、暗く青い夜を 南極を!
そして 冷たい 惑星が空を横切る それは まるく、雄大で 星のつまった西瓜 乾きの木に 実るくだもの 夏の、 緑いろの鯨 乾いた宇宙 突然 暗い星は 天球に冷たく かがやく
膨らむ果実を 降ろそう まるい半球を開けば みどり、しろ、あか、 スライスされた 色とりどりの 断面が 溶けてまじってゆく ワイルドな川へと、 砂糖の川へと このよろこび!
水の宝石箱、 冷淡な 果物の女王、 深遠の倉庫 地上の月 太陽 なんという純粋さ 豊かな果肉からは ルビーが 零れ落ちる
わたしたちは あなたを噛み あなたに 顔も 髪の毛も なにもかも うずめてしまう 魂すら!
豊かな 果実をうめる 鉱山は しかし われわれの 望みと 歯に砕かれ 冷たい光へと変わり 湧きあがる水になり やがて わたしたちに やさしく触れて歌う
だから あなたは オーブンのように熱い 昼寝の時間には もういない あなたはただ 過ぎ去るだけ あなたの心、冷たい琥珀は 一滴の水へと 変わった
‡‡ ‡‡ ‡‡
The tree of intense summer, hard, is all blue sky, yellow sun, fatigue in drops, a sword above the highways, a scorched shoe in the cities: the brightness and the world weigh us down, hit us in the eyes with clouds of dust, with sudden golden blows, they torture our feet with tiny thorns, with hot stones, and the mouth suffers more than all the toes: the throat becomes thirsty, the teeth, the lips, the tounge: we want to drink waterfalls, the dark blue night, the South Pole, and then the coolest of all the planets crosses the sky, the round, magnificent, star-filled watermelon. It's a fruit from the thirst-tree. It's the green whale of the summer. The dry universe all at once given dark stars by this firmament of coolness lets the swelling fruit come down: its hemispheres open showing a flag green, white, red, that dissolves into wild rivers, sugar, delight! Jewel box of water, phlegmatic queen of the fruitshops, warehouse of profundity, moon on earth! You are pure, rubies fall apart in your abundance, and we want to bite into you, to bury our face in you, and our hair, and the soul! When we're thirsty we glimpse you like a mine or a mountain of fantastic food, but among our longings and our teeth you change simply into cool light that slips in turn into spring water that touched us once singing. And that is why you don't weigh us down in the siesta hour that's like an oven, you don't weigh us down, you just go by and your heart, some cold ember, turned itself into a single drop of water.
(translated by Robert Bly)
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Amiri Baraka ( No.14 ) |
- 日時: 2011/11/13 10:45
- 名前: うんこ太郎 ID:yp8prIZQ
さて、久々に黒人(アフリカン・アメリカン)の詩を訳します。
今回はAmiri Baraka(1934~)の詩です。 この人はラディカルな詩を書いています。 その中から短くて簡単で、緊迫感の漂う作品をひとつとりあげて訳してみましたが、 原文の緊張した雰囲気は表現できていなくて残念です。
SOSの叫びは、そのまま黒人たちの集合の呼びかけです。 なんに対するSOSなのか、わざと文章で明確にしていないところが不穏です。
SOS (エスオーエス) Amiri Baraka
黒人よ集まれ 全員集合だ、男、女、子供たち 誰だっていい黒人ならば、急ぎだ、集まるんだ 黒人たち、どこにいようとも、集まれ、急ぎだ、来るんだ 黒人よ、来るんだ、緊急だ、集まれ、全員集合だ 全員集合だ、集まれ、黒人よ、集まれ
C= C= C= C= C= C= C= C= C= ┌(;・ω・)┘
Calling black people Calling all black people, man woman child Whatever you are, calling you, urgent, come in Black People, come in, wherever you are, urgent, calling you, calling all black people calling all black people, come in, black people, come on in
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Phillis Wheatley ( No.15 ) |
- 日時: 2011/11/20 08:01
- 名前: うんこ太郎 ID:nX.dFaGo
詩の歴史は古く、例えばギルガメッシュ叙事詩は紀元前20世紀頃のものといわれています。 私は詩の誕生はギルガメッシュ叙事詩よりももっと古く、文字が成立するよりもさらに古いものと思います。 とおいむかし、詩は歌であり、歌は詩でした。文字の書けない赤ん坊であっても、歌うことの楽しさを知っています。 同様に、きっと文字のない時代であっても、人は詩と歌うこととを楽しんでいたのではないかと思います。
しかし、これは非常に単純な表現形式の詩の話であって、洗練された詩が成立するまでにはだいぶ時間がかかります。 ホーマーの詩は紀元前10世紀頃。李白が8世紀頃。詩であるとともに、ヨーロッパの最初の小説といわれるデカメロン(ボッカチオ)が14世紀。 イギリスのロマン派は18世紀。アメリカ文学が花開くのはようやく19世紀です。 日本の洗練された詩としては、万葉集が7世紀頃にできあがりました。 万葉集を読むと、詩が成立する背景にある文化的な豊かさを、肌で感じることができます。 石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも 万葉仮名:石激 垂見之上乃左和良妣乃 毛要出春尓 成来鴨
春の到来を発見した喜び!現代の人間にとっても、古い人間にとってもまったくこの喜びに違いはないようです(^^。 精神的にも物理的にも豊かでないと、こういう詩は誕生しないのではないかと思います。 一方で、奴隷貿易でアメリカ大陸につれてこられた黒人たち。かれらはいったどのような詩をつくりあげていったのでしょうか。 1620年にメイフラワー号が到着。南北戦争が終了するのは1865年です。奴隷制度が廃止されるまでの間、たくさんの黒人がアフリカからアメリカに奴隷としてやってきました。 かれらの歴史は奴隷としてはじまります。
Phillis Wheatleyは一番最初のアフリカン-アメリカンの詩人と言われています。 実際にアフリカン-アメリカンで詩を出版したのは、彼女が最初のようです。 1753年に生まれ、1761年にアフリカから奴隷船でアメリカに連れてこられました。以下の作品は1770年のものです。
※ ※ ※
アフリカからアメリカに連れてこられて Phillis Wheatley
主(キリスト教)は慈悲深くも、 私を主のいない国から救い出してくださった 行き暮れたこの魂にも分かるように教えてくださった 主のあるところにこそ、救いがある 知ることでもなく、追い求めることでもなく 贖うことで、ようやくわかった 私たち黒い人種を軽蔑の目でみる人もあった 「アノ肌ノ色ハ悪魔ト死ノ色ダ」 キリスト教徒よ、ニグロたちよ、カインのように黒きものよ 自らを磨け、そして天使の列車に乗ろう
※ ※ ※
On Being Broght from Africa to America
'Twas mercy broght me from my Pagan Land, Taught my benighted soul to understand That there's a God, that there's a Saviour too: Once I redemption neither sought nor knew. Some view our sable race with scornful eye, "Their colour is a diabolic die." Remember, Chirstians, Negroes, black as Cain, May be refin'd, and join th' angelic train. ※ ※ ※
この詩を最初に読んだときは衝撃を受けました。奴隷船に乗ることを、神の慈悲と書く精神の強さに驚きました。 後日この作者は奴隷として奉仕した家で聖書やラテン語やギリシャ語や古典文学を学び、やがては自由の身となったということを知り、 この詩の現実的な意味を納得もしました。しかし、やはり苦難を慈悲と捉える詩として読むほうが、訴えかけるものとしては大きいようです。
このTCの意訳詩のコーナーをお借りして、しばらく黒人の詩の訳に挑戦してきました。 ここに紹介した詩は一部だけではありますが、自分としてはアフリカン-アメリカンの詩のエッセンスに触れることができたのではないかと思います。 したがって、次回からはまた別の種類の詩の翻訳に挑戦していきたいと思います。
闇雅人様、管理人様、TCの皆様には簡単ですが、この場でお礼を申し上げておきます。 ありがとうございました!
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Mark Strand ( No.16 ) |
- 日時: 2011/11/28 11:05
- 名前: うんこ太郎 ID:N.tD2L2g
Mark Strand (1934-)。この人の短編は村上春樹が翻訳してます(犬の人生)。 詩集は日本語には翻訳されていないかな……? 楽しい詩をひとつ訳してみました。詩を食べちゃうぞー。がおー(^^;。
詩を食べる、こと
- Mark Strand
口の端からインクがこぼれ落ちる こんな幸せってあるかい ぼくは詩を食べている
図書館司書の女の子には 詩を食べるぼくが信じられないみたいだ ただ、さびしそうな目をして ドレスに手を入れたまま通り過ぎた
おや詩がなくなった あたりが暗いぞ 犬たちが地下から階段を駆けのぼってくる
ぎょろぎょろと動く犬の目玉 ブラシみたいに光る足 かわいそうに図書館司書の女の子は しゃがみこんで泣き出した
彼女にはわからないんだ ぼくが四つん這いになって 彼女の手を舐めたら 悲鳴をあげちゃった!
ぼくは、あたらしい人間! 彼女にむかって唸ったり吠えたり たくさんの本とくらやみに囲まれて 喜びで跳ね回る!
※ ※ ※
Eating Poetry BY MARK STRAND
Ink runs from the corners of my mouth. There is no happiness like mine. I have been eating poetry.
The librarian does not believe what she sees. Her eyes are sad and she walks with her hands in her dress.
The poems are gone. The light is dim. The dogs are on the basement stairs and coming up.
Their eyeballs roll, their blond legs burn like brush. The poor librarian begins to stamp her feet and weep.
She does not understand. When I get on my knees and lick her hand, she screams.
I am a new man. I snarl at her and bark. I romp with joy in the bookish dark.
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Juan Ramon Jimenez ( No.17 ) |
- 日時: 2011/12/06 13:30
- 名前: うんこ太郎 ID:hQ4wTGdE
作者:Juan Ramón Jiménez 訳者:Robert Bly タイトル:The Ship, Solid and Black
<意訳>
タイトル:船、固く、黒く
船、固く、黒く
進入してゆく すみきった黒い
立派な港へ
静かに そして 冷たく
―― 待っているひとたちは
まだ眠っている、夢をみている
そしてあたたかく、とおく、この夢のなかで まだ 伸びをしているの
だろうか・・・ 時計はまるで本物みたいだ
だれかの、うたがわしい夢の となりにあるというのに
時計は確かにきちんとしている
どこかで だれかが見ている わたしたちの そまつな 夢と比べて
しずけさ、沈黙
上へ、下へ、壊れてゆく沈黙は
ちがった おとを たてるもの
※ ※ ※ ※
“The Ship, Solid and Black”
By Juan Ramón Jiménez 1881–1958 Juan Ramon Jimenez Translated By Robert Bly
The ship, solid and black, enters the clear blackness of the great harbor. Quiet and cold. —The people waiting are still asleep, dreaming, and warm, far away and still stretched out in this dream, perhaps . . .
How real our watch is, beside the dream of doubt the others had! How sure it is, compared to their troubled dream about us! Quiet. Silence. Silence which in breaking up at dawn will speak differently.
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John Updike ( No.18 ) |
- 日時: 2011/12/09 14:08
- 名前: うんこ太郎 ID:hZfFUIH2
作者:John Updike タイトル:Burning Trash
<意訳>
ゴミを燃やす(Burning Trash)
夜-- あかりを消すと 電球のかぼそいフィラメントは
原子まで 食いつくしてしまいそうな電流から 開放された
かれの妻はねむっている 寝息がひくくしずんでいる
沼のような水源にふれそうなほど低く --彼は死ぬことを考える
妻の父親のものである この丘の上の家にいると
自分の未来に 彼という人間の未来の うしろに
「なにもない」が立っているような感覚がある
「なにもない」は 埃ひとつ着いていない ガラスのようだ
彼は 自分には ふたつしか 楽しみがないことを知っている
きっちり ふたつだけ
ひとつめの楽しみは 明るく 満ちたりてくる なにかの姿だ
まるくふくよかな石や雲 ふとりはじめた豆のさや
ひざや手に 伝わってくる 土のふくらみのようなものたち
ふたつめの楽しみは ゴミを二日おきに燃やすことだ
彼は ゴミを燃やすときの 熱が好きだ そして 危険のまねごとも 好きだ
それから 新聞紙を放り投げるたび
糸や、ナプキンや、封筒や、紙コップを ほうり投げるたび
そのすきまに
魔法のように 炎が
ちろちろと舌を出すように はいりこんでゆく様子を ながめることも
C= C= C= C= C= C= C= C= ┌(;・ω・)┘
Burning Trash
BY JOHN UPDIKE
At night—the light turned off, the filament Unburdened of its atom-eating charge, His wife asleep, her breathing dipping low To touch a swampy source—he thought of death. Her father's hilltop home allowed him time To sense the nothing standing like a sheet Of speckless glass behind his human future. He had two comforts he could see, just two.
One was the cheerful fullness of most things: Plump stones and clouds, expectant pods, the soil Offering up pressure to his knees and hands. The other was burning the trash each day. He liked the heat, the imitation danger, And the way, as he tossed in used-up news, String, napkins, envelopes, and paper cups, Hypnotic tongues of order intervened.
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Anna Świrszczyńska ( No.19 ) |
- 日時: 2011/12/19 09:54
- 名前: うんこ太郎 ID:RpWLkMF.
Anna Świrszczyńska (Anna Swire) 1909–1984 はポーランドの女性詩人です。ナチスドイツのポーランド占領時代は従軍看護婦としてレジスタンスを支えました。 SFみたいな詩ですが、キリスト教徒が過去を遡って行けば、人間が土くれからはじまったアダムとイヴの神話にたどりつくところが、なんとなく納得できておもしろいです。 日本人はどこにたどりつくのでしょう。 タイトル:Woman Unborn 作者:Anna Świrszczyńska 英訳者:Czeslaw Milosz、Leonard Nathan
<意訳>
タイトル:まだ生まれていない女
わたしはまだ生まれていない 生まれるまでは五分かかる この世に生まれるまでの時間は もっと遡ってゆける ほら生まれる十分前 ほら生まれる一時間前 逆行してゆく 走ってゆく マイナスの時間を
生まれる前の時間を歩いてゆく ときおり奇妙な景色の見える トンネルの中を歩くようにして 十年前 百五十年前 わたしが歩いてゆくと足音が響く 生まれるずっと前へ 壮大な過去へとゆこう
逆行してゆく時間は どこまでも続く なにもないということは こんなにも、永遠とそっくりだ
ロマンティシズムの時代 わたしは未婚のまま おばさんなったかもしれない ルネッサンスの時代 わたしは気難しい旦那と結婚して 醜くて愛されない女だったかもしれない 中世 わたしはどこかの居酒屋で 水を運んでいたかもしれない
わたしはまだ遠くまで歩いてゆく 足音が響く マイナスの時間をたどりながら 人生を遡ってゆくあいだ 足音が響きつづける わたしはアダムとイヴに追いついた もうなにも見えない ただ暗い わたしの不在すらも ここでは死んでしまう わたしがそれぞれの時代に 生まれていたとして きっと繰り返していたであろう 数々のありふれた死と一緒に
※ ※ ※
Woman Unborn BY ANNA SWIR
I am not born as yet, five minutes before my birth. I can still go back into my unbirth. Now it’s ten minutes before, now, it’s one hour before birth. I go back, I run into my minus life.
I walk through my unbirth as in a tunnel with bizarre perspectives. Ten years before, a hundred and fifty years before, I walk, my steps thump, a fantastic journey through epochs in which there was no me.
How long is my minus life, nonexistence so much resembles immortality.
Here is Romanticism, where I could have been a spinster, Here is the Renaissance, where I would have been an ugly and unloved wife of an evil husband, The Middle Ages, where I would have carried water in a tavern.
I walk still further, what an echo, my steps thump through my minus life, through the reverse of life. I reach Adam and Eve, nothing is seen anymore, it’s dark. Now my nonexistence dies already with the trite death of mathematical fiction. As trite as the death of my existence would have been had I been really born.
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ゴキブリは詩になるか? ( No.20 ) |
- 日時: 2011/12/23 13:04
- 名前: うんこ太郎 ID:bukAMnu6
たとえば日本人同士であっても上司や部下や同僚といった周囲の理解を得ながら仕事を進められるようになるためには、それなりの訓練を必要としますが、外国語で外国人と仕事を進めることは絶望的なくらいに大変な気がします。伝えたいことがきちんと伝わらなければ、単純な仕事であってもいたずらに複雑になってしまいます。 同じように、外国の詩の訳に関しても、しっかりと要点を掴んで訳すことができないと詩はとんでもない方向にいってしまうのかもしれません。ただし、詩の場合は(趣味のうちであれば)とんでもない方向に行ったところでそれは苦しいというより、楽しいものにちがいないと思いますが。 さて、ようやく二十回めの詩になりました。決して諦めないで、根気よく訳し続けることで、何かを得ることができれば良いと思っています。貴重なスペースをいただき、というか勝手に使っているのですけど(^^;、ともかく大変ありがたく思っています。 この意訳詩を開いてくださった皆様、ありがとうございます。まだ少し早いですが、どうぞ良いお年を!
※ ※ ※
今回の詩はVIVIAN SMITHというタスマニアの詩人の作品です。この詩にはゴキブリが登場するのですが、それがうつくしい光景になってるのでこの詩に出会ったときには新鮮なおどろきがありました。そりゃあゴキブリだって命ある生き物なのですから、偏見を極力排除すればうつくしいにちがいない……。 まあ、そうなんでしょうけど、やっぱりゴキブリだからいくら大切な命でもちょっとくらいは嫌ですよね。ほんのすこしくらいはねえ。
タイトル:Night Life 作者:VIVIAN SMITH
<意訳>
夜のいのち
午前二時に目がさめると カラスが窓をこつこつと つついている音がする ふと見ると大きな枝が折れている 私はもういちど眠りにつくことができず あなたを起こさないように ゆっくりベッドから抜けだす
食べ物をとりにゆき、それから静かに 読書をしようと考える ゴキブリがキッチンの床を横切ってゆく うるしを塗ったような背中は素早く そして種のように乾いている
外では百合の花が月の光をたたえ コップのような花冠をもちあげる 百合はみずからの存在を なみなみと満たしてうちふるえ 夜の湿りのしたたりを ちいさな花の匙ですくう
夜のおと すべてが呼吸をしている 鳥は毅然とする木々の間を移り ナメクジやカタツムリは落ち葉をそっと食む 蛾はこわれやすさを運んで飛んでいる
夜のいのち 昼間とはちがういのち 私たちが見つめようと見つめまいと 関係なしに続いてゆく まるで蟻たちがながくながく列をつくり ここからあそこへと 食べ物を運んで行くかのように
※ chalice lily:ただの百合?それともタスマニアの花でしょうか……。 chalice : 聖杯、杯状の花 lily:百合
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Night Life BY VIVIAN SMITH
Disturbed at 2 a.m. I hear a claw scratching the window, tapping at the pane, and then I realise, a broken branch, and yet I can’t turn back to sleep again. Slowly, not to wake you, I get up, thinking of food, perhaps a quiet read. A cockroach runs across the kitchen floor, its lacquered shell as quick and dry as seed. Outside the chalice lily lifts its cup in adoration to the mirrored moon, full of purpose as it trembles there, collecting drops of moisture on its spoon. Noises of the night, it’s all alive, birds shifting in the steady trees, slugs and snails eating fallen flowers, a moth freighted with fragilities. Nocturnal life, the other side of things, proceeding whether we observe or not, like rows and rows of brown coastal ants transporting food from here to another spot.
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Robert Creeley ( No.21 ) |
- 日時: 2012/01/08 09:07
- 名前: うんこ太郎 ID:mdHsMsTE
Robert Creeley(1926 – 2005)の詩に挑戦しました。 意味をとらえることができず、 最後のspeech is a mouthは訳すことができませんでした。
原詩のニュアンスを感じていただけたらと思いますので、 せめて音読の動画リンクを貼っておきます。 http://www.poetryfoundation.org/features/video/31
The Language BY ROBERT CREELEY
タイトル:言葉 作者:ROBERT CREELEY
わたしは あなたが好き 言葉をおく
どこか 歯と目のなかに やわらかく噛む
傷つけないように そんなにも多くを望み ほとんど望みもしない
言葉はなにもかも 言い尽くしてしまう
わたしは あなたが好き もう一度
この空っぽは なんだろう
埋めろ、埋めろ 言葉が聞こえる
穴の開いた 言葉たちの 痛みの声が
※ ※ ※
The Language BY ROBERT CREELEY
Locate I love you some- where in
teeth and eyes, bite it but
take care not to hurt, you want so
much so little. Words say everything.
I love you again,
then what is emptiness for. To
fill, fill. I heard words and words full
of holes aching. Speech is a mouth.
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Adele〓嘖omeone like you ( No.22 ) |
- 日時: 2012/01/13 12:28
- 名前: うんこ太郎 ID:yp8prIZQ
さて、気晴らしにAdeleのSomeone Like You を訳してみました。 すげーベタな感じのラブソングになりました。 まあラブソングはそんなものか。毎度ながらかなり適当に訳しています。
動画 Adele Someone Like You http://www.youtube.com/watch?v=hLQl3WQQoQ0
おまけにKarminのカバーです。 AmyとNickを見ていると本当に幸せそうな恋人たちだなーと思います。 個人的にはこの曲はAdeleよりもKarminのカバーの方が好きかも……。 http://www.youtube.com/watch?v=fRS6s9g_K7Y
タイトル : あなたのような誰か
聞いたよ 落ちついたって 素敵な人見つけて 結婚したって
聞いたよ 夢をかなえたって 私には届けられなかったなにか あなたの恋人が とどけてくれたんだろうね
もう一度だけ会いたいけど どうしてこんなに 気後れしてしまうのかな 私らしくないね
このままもう会えないなんてつらいよ せめてもう一度だけ 私の顔を見てほしい
あーあ あなたみたいな誰かを探すね あなたもきっと幸せに わたしのこと忘れないで
わたしも忘れないよ
※ ※ ※
I heard That you're settled down That you Found a girl And your Married now
I heard That your dreams came true I guess she gave you things I didn't give to you
Oh friend Why you so shy Ain't like you to hold back Or hide from the light
I hate to turn up out of the blue uninvited But I couldn't stay away I couldn't fight it I hoped you'd see my face and be reminded That for me It isn't over
Nevermind I'll find someone like you I wish nothing but the best For you too Don't forget me I beg I'll remember you still Sometimes it lasts in love But sometimes it hurts instead
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