Re: 冷たい話、百御伽 ( No.43 ) |
- 日時: 2013/08/14 04:01
- 名前: 星野日 ID:bbcz98Ys
「あのこんにゃくにはびっくりしたよね」 「うん、古典的だけど、古すぎて新しい」 「ぴとって冷たいのが顔にかかるのこわいわー。ナイスアイデア」 「で、誰が用意したの」 静まる、私達四人。
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Re: 冷たい話、百御伽 ( No.44 ) |
- 日時: 2013/08/14 04:03
- 名前: マルメガネ ID:fJqdcRxM
蜘蛛がおる。 蜘蛛が女性の背中にぴたりと止まっておる。 よく見りゃそれは巧みに彫られた刺青だった。
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Re: 冷たい話、百御伽 ( No.45 ) |
- 日時: 2013/08/14 04:04
- 名前: tori ID:.EUEjsYE
天文部で同級生の彼女は感情があまり表にでない性質だ。それから真面目な性格でスカートは校則どおりに膝丈下で、髪も染めない。 部室の掃除があるからと約束すれば、必ず来ることは知っていた。放課後、そうやって部室で待っているとちゃんと彼女はやって来て、他に部員がいないのに気づくと怪訝な顔をした。 「好きです」 とぼくは言った。彼女の顔はみるみるうちに赤くなった。
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Re: 冷たい話、百御伽 ( No.46 ) |
- 日時: 2013/08/14 04:05
- 名前: 星野日 ID:bbcz98Ys
ヒンヤリンソウは、シャキシャキとしていて美味しい。なにより冷たい。だから、夏はサラダにして食べる。 父が「これは美味い!」と感動して、庭にヒンヤリンソウの種をまいた。 冬になるまえに、この家から逃げねばと私は思った。
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Re: 冷たい話、百御伽 ( No.47 ) |
- 日時: 2013/08/14 04:05
- 名前: は ID:rFk6Q75.
ロンドンの路上でパルナサス博士が死んでいた。博士もようやく死ねたのだった。だれもが死体を避けて通った。
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Re: 冷たい話、百御伽 ( No.48 ) |
- 日時: 2013/08/14 04:05
- 名前: かたぎり ID:2rx6wc8s
息子の描く絵がおかしいと保育園の先生から電話があり、私はさっそく保育園に向かった。 シマウマ、ライオン、ロボット、ウルトラマン、息子が好きなものが描かれた絵がならぶ。 だけど、どれにも首から先がない。 最後に見せられた、家族をテーマに書いたという絵には、息子の横に、赤く塗りつぶされた頭部を持つ、エプロン姿の鬼がいた。
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Re: 冷たい話、百御伽 ( No.49 ) |
- 日時: 2013/08/14 04:06
- 名前: マルメガネ ID:fJqdcRxM
ジャラジャラとポケットの中身が音立てる。 部屋に入ろうと思ってポケット探ったら、小銭はあれども鍵はなし。 慌てて探ったらそれは階段の下に落ちていた。
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Re: 冷たい話、百御伽 ( No.50 ) |
- 日時: 2013/08/14 04:07
- 名前: 星野日 ID:bbcz98Ys
天文部の同級生に告白した。彼女はいつも無表情で、そしてすごく真面目だ。 告白のために嘘をついて呼び出すと、彼女は顔を真っ赤にして、それからぼくの頬を叩いた。さすが天文部。星が見えた。
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Re: 冷たい話、百御伽 ( No.51 ) |
- 日時: 2013/08/14 04:08
- 名前: 星野日 ID:bbcz98Ys
つめた〜い。つめた〜〜〜い。つ、つつつ、つ、Yo,つめた〜〜〜い。
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Re: 冷たい話、百御伽 ( No.52 ) |
- 日時: 2013/08/14 04:08
- 名前: tori ID:.EUEjsYE
低温ろうそくが好きだ。気分が乗る。鞭で打たれるのは気持ちいい、ただし痛くないように見た目だけ激しいようにするのには技術がいる。彼女はその技術を持っている。尊敬に値する。 ただ何よりも・・・とぼくは、彼女のヒールのつま先をなめながら、ボンデージ衣装の彼女を見あげた。冷めた目つきが、もうこれが仕事だし、という心底ぼくを軽蔑したような彼女の目つきが、たまらない。ほんとう、たまらない。それが顔にでると、余計に彼女の顔が冷えこみ、ぼくはうっとりとした。 相性は抜群だろうけれど、永遠にぼくと彼女との関係は冷たいままだろう。
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