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RSSフィード [386] 即興三語小説 ―「火山島」「音信不通」「神髄」 〆切を6/10に延期します
   
日時: 2018/06/03 21:56
名前: 朝陽 ID:/DgOm3.I

●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲必須お題:「火山島」「音信不通」「神髄」
▲任意お題:
▲任意縛り:

▲投稿締切:6/10(日)23:59まで 基本的に毎週日曜です。連休のときは連休の末日。投稿がない場合、延長することがあります。

▲文字数制限:6000字以内程度

▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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Re: 即興三語小説 ―「火山島」「音信不通」「神髄」 〆切を6/10に延期します ( No.1 )
   
日時: 2018/06/04 00:11
名前: もげ ID:2c6.RTF2

 私の家族は周りとはちょっと違う。
 父はとても自由で天真爛漫な芸術家。たいていふらりとどこかに出掛けていて家にいることはほとんどない。
 小さい頃からそうだったので別段気にしたことはなかったが、会う頻度といったらそれこそ父親と言うよりは叔父さんといった方が一般的な感覚に近い。
 愛されていることは分かるし私の方も慕っているが、一等親の血縁としてはあまりにも疎遠な気はいささかしている。
 母はと言えば、典型的なバリキャリで、言わば『一人で生きていける人』だ。
 それだからこそ、ほとんどいるかどうかもわからない伴侶を得ても、特に不満を言うこともなく、自分自身で収入を得て、家を守り、子を育ててこれたのだ。
 もっとも、それは父方の祖父母の援助あってこそではあったが。(なかなか嫁の元に帰らぬ放蕩息子を育てた負い目か、おじいちゃんおばあちゃんは私と母には大変甘い)
 母は母で趣味多き人なので、亭主元気で留守がいい、ということなのかもしれない。
 私自身はと言うと、小さい頃はいざ知らず、今は母の教育の賜物か(母は父のことを悪く言うことはなかった)、そんな父母を愛しているし、常に音信不通の父をもってしても、それはそれ、楽しんで生きているんだろうなぁと微笑ましく思うばかりである。
 だが、当人達がそう思っていても、周りの目はなかなかそうは思ってくれないようで、父が家に留まらないのは外に女がいるからだとか、夫婦の間にそもそも愛がないのではないかとか、そこまでいかずとも、自分の好きなことのために家族を顧みない父の在り方は、何かと陰で噂される要因となっているのは否定はできない。
 『かわいそう』と憐憫の目を向けられるのは甚だ不本意だが、それで自分をかわいそうだと思ったことは一度もないので、それこそ他人のことは放っておいてほしいというものである。

 とは言え、自分の父親の、あるいは夫の、所在すら知らないというのは些か問題ではあった。それぐらいは知っておくべきだったのだ。

 それは日曜日の、麗らかな春の陽気が気持ちのよい朝だった。
 洗濯物を干し終えて何とはなしにテレビをつけると、緊急速報と共に煙を上げる山の映像が映し出されていた。
 あまり知らない名前の、伊豆諸島かどこかの島の一つのようだった。
 冷えた麦茶をすすりながら、恐らく噴火をしたのだろう山の、それを取り囲む海の綺麗さなんかに気を取られていた。東京都にもこんな綺麗なところがあるんだなぁ、なんて。
 なので、続いて見知った顔写真が画面に映し出された時は、本当に驚いてコップを取り落としそうになった。
『……なお、島へと向かうフェリーの乗船記録に、芸術家で陶芸家の望月尚記さんの名前が残っていたことから、現在も噴火の続く島内に取り残されている可能性があるとみて、災害対策本部が安否の確認を行っております』
 けたたましい音がして振り返ると、母が空になった洗濯かごを取り落として茫然と立っていた。
「お母さん……お父さんこの島にいるの?」
「……わからない……」
「電話は!?」
 母は慌てて携帯をポケットから取り出し電話をかける。
 父にかけているのだろうが、しばらく経っても誰かが出る様子はない。
 すると突然自分の携帯が鳴り、発信元を確認するまもなく私はとっさに出る。
 父かもしれないと、勢い込んで「もしもし!?」と出ると、電話の主は父ではなく祖母だった。
『香奈枝ちゃん、よかった、お母さんの電話が繋がらなかったから。ニュースは見た?いい?お母さんとすぐにうちにおいで。お父さんの安否が分かったらすぐ連絡を貰うことになってるから。電話を空けておきたいからすぐ切るけど、お母さんにそう伝えて』
 そう言って、すぐに電話は切れた。
 我が家に固定電話は無いので、そういった公的な機関からの連絡は祖父母の家に来たようだった。
 私は母に急いでそれを伝えると、着るものもとりあえずすぐ近くにある祖父母の家に向かった。
 正直、何が起こっているのかよく分からなかった。まるでテレビドラマを見ているような感覚だった。

「常々、焼き物の神髄は土にあるって言って……火山島には興味があるって言っていたけど……まさかそんな」
 なんの音沙汰もなく、じりじりとした時間を祖父母と過ごしていると、母が泣きそうな声で言った。
「もっとちゃんと行き先を聞いておけば良かった。危険な場所なら止めれば良かった……」
 例えその場所を聞いていても、危険かどうかはきっと分からなかっただろうが、何か家族として出来ることかあったのではないかという後悔の念は自分にも心当たりがあった。
「……大丈夫だよ、きっとお父さんのことだからふらっと何食わぬ顔して帰ってくるって」
 それは気休め以外の何物でもなかったが、母の顔を見たら言わずにはいられなかった。実際、自分自身もそれが言霊となり父を救ってくれるよう祈る気持ちった。

 祖父母も母も、だんだんと口数が減ってきて、一体何時間こうやってリビングでテレビにかじりついているだろうと思い始めたころ、突然母の携帯が光と共に電子音を発した。
 早押しクイズのごとく瞬時に母は電話に出ると、「お父さん!?」と叫びに近い声を挙げた。
 それからしばらく興奮した様子で相槌を打っていたが、やがて落ち着いて涙声になってくる。
 私たちはそれを固唾を飲んで見守っていたが、ようやく母がこちらを向いて大きく頷いた。
「お父さん、無事だって。島には渡ってたけど、噴火の前に地元の漁船に乗せてもらって違う島に移動してたんだって」
 それだけ言うと、再び電話口の向こうとの会話に戻っていった。
 私と祖父母は顔を見合わせて大きなため息を吐いた。知らず肩に入っていた力が抜ける。私は机につっぷした。

 それから、父はきちんと行き先を告げて出掛けるようになった。
 私たちの家族は相変わらずだったが、「帰ってくることが当たり前ではない」という事を肝に銘じて、なるべく些細なことでも伝えあい、一緒にいる時間を前より大切にするようになった。
 このことは私達に家族というものを考えさせられる一件となった。
(おわり)

--------------
こんばんは。
うーん、いまいち終わり方がすっきり行かなかった。
でももう一週推敲する元気がないので投稿させて頂きます。
内容はともあれ、話を書き切るというのはとてもいい勉強になりますね。

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