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RSSフィード [18] 意訳詩
   
日時: 2011/10/31 12:06
名前: 闇の吟遊詩人(闇雅人) ID:Ru30e.qY

昔、私がTCの常連だったころ、管理人の闇さんに提案して拒否された企画(苦笑)。裏でやるならいいでしょう。参加は自由です。ちなみに「外国の詩」を「教科書的に直訳」せず、「意訳して日本語の詩」にする「意訳詩」というジャンルはあります。上田敏の『海潮音』や、佐藤春夫の『玉笛譜』などがその例です。

なお、TCから離れるにあたり、私の記事は全て削除しておきます。私の企画で孤軍奮闘してくれた「うんこ太郎さん」の応援のために「一時的に」投稿したランボーの詩も削除します。では、失礼致します。もう二度とここへは来ません。

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Tara Betts ( No.68 )
   
日時: 2014/08/11 18:04
名前: うんこ太郎 ID:uodZRsh6

For Those Who Need a True Story, Tara Betts
本当の話がききたいひとへ

大家はレイモンドのマザーに言った
一匹の鼠を殺したら、12ドル家賃から差し引くと
レイモンドはマザーの命令で5ポンドの挽き肉とパンとを買ってきた
マザーは金属のボウルのなかで、パンと肉をこね、
流しの下から取り出した毒をまぜる
ウエルダン!
キッチンの床の真ん中で肉が湯気をたてる
すると、キイキイと鋭い声が、ボウルの方にむかってくる

レイモンドは鼠が津波みたいだったという、
鼠は次から次へ、互いを押しのけながら
ボウルに向かって飛びかかったのだ

鼠の悲鳴が、レイモンドの耳に響く
仰向けになり、緊張した足裏を見せる鼠たち
一時間も過ぎて、ぐったりと、床に横たわると
静けさが死の足音で部屋を満たしていく
マザーの声は少し震えている
レイモンド、数えるのを手伝ってちょうだい、
マザーはゴム手袋をして小さな死を数えるのだ
プラスチックのバッグに入れるたび、ぼさっという音を聞きながら
レイモンドは数えることをやめたかった
だけどママはお金を節約しないとならない
最後の一匹まで数え終わると、レイモンドはバッグを大家に渡した

三ヶ月の家賃分に十分な量の鼠だ
そしてレイモンドの夢を恐怖に変えてしまうほどの鼠の量だ

他の子供たちに分かるだろうか、レイモンドの鼠への恐怖が
夢のなかで、鼠は腐った毒の匂いを身体から出しながら
壁を必死に引っかくのだ

こういう子供たちは、
子犬とか、子猫とか、ちいさな命をみつけるべきだ
夢のなかで癒しとなるような、ちいさな命を

そして、鼠のことはさっさと忘れてしまうことだ
レイモンドが大人になって、
母親のように
自分自身の手で鼠を数える日が来るまでは


***

音読のサイト
http://www.reverbnation.com/tarabetts/song/675644-for-those-who-need-true-story?fb_og_action=reverbnation_fb%3Aunknown&fb_og_object=reverbnation_fb%3Asong&utm_campaign=a_public_songs&utm_content=reverbnation_fb%3Asong&utm_medium=facebook_og&utm_source=reverbnation_fb%3Aunknown


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