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RSSフィード [18] 意訳詩
   
日時: 2011/10/31 12:06
名前: 闇の吟遊詩人(闇雅人) ID:Ru30e.qY

昔、私がTCの常連だったころ、管理人の闇さんに提案して拒否された企画(苦笑)。裏でやるならいいでしょう。参加は自由です。ちなみに「外国の詩」を「教科書的に直訳」せず、「意訳して日本語の詩」にする「意訳詩」というジャンルはあります。上田敏の『海潮音』や、佐藤春夫の『玉笛譜』などがその例です。

なお、TCから離れるにあたり、私の記事は全て削除しておきます。私の企画で孤軍奮闘してくれた「うんこ太郎さん」の応援のために「一時的に」投稿したランボーの詩も削除します。では、失礼致します。もう二度とここへは来ません。

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日系人たちの詩 ( No.26 )
   
日時: 2012/03/04 12:11
名前: うんこ太郎 ID:TunnvVAE

 ブラジルに住む日本人や日系人向けに、伯国日経新聞(たしかこういう名前の新聞だったと思う)という日本語の新聞があって、そこでは最近の日本の政治や経済、日本で流行となっている芸能ニュースや、ブラジルに進出している日系企業の情報が載っています。その新聞の投稿欄に、詩歌の雑誌が紹介されていたことがありました。それは「ふろんていら」(これは良い名前だと思ったので、しっかり覚えている)という名前の詩の同人誌で、俳句、短歌、自由詩を掲載しているということでした。
 思えば国際化などと言われる随分昔から、多くの日本人が外国へと移住しており、取り分け北米、南米には多くの日系人(と日本人移民者)が住んでいます。 彼らはいったいどういう詩を書いているのか、調べられる範囲で調べて、訳していきたいと思います。
 最初に紹介するのはJOY KOGAWAです。日系二世。カナダ在住の小説家で詩人です。子供の頃に第二次世界大戦により、日系人強制収用所へ入ったことがあります。

(ジョイコガワWIKIPEDIAリンク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%82%AC%E3%83%AF

タイトル:壁があるところには
作者:JOY KOGAWA

壁があるところには
道がある 
壁のまわりに、壁を越えて、もしくは
ゲートを通じて
もしかしたら梯子も
扉もあるかもしれない
歩哨は
ときどき眠ってしまうし
秘密の暗号を盗み聞きできるかもしれない
拷問という方法だってある
地下の抜け穴の地図のてがかりを
聞き出すのだ
飛行船も
ヘリコプターも、ロケットも、爆弾も
槌もあるし、トランペットを持った兵隊もいる
トランペットの一斉のひと吹きは
壁の土台を粉々にしてしまう

壁があるところには
言葉がある
レンガの隙間で交わす囁きや
口からもれる慟哭と祈り
暗号を打ち鳴らす音 
足につけた
メッセージを運ぶ鳥
書くべき手紙がある
小説だって

壁のこちら側で
私は雲にまで続いている
壁の頂上を見つめている
あなたが生む音がすべて聞こえる
だけどあなたの姿は見えない

あらぬ方向に耳をかたむければ
ゆめのような
かすかな、さけび声が聞こえる
壁の
腹の中から

※ ※ ※ ※

WHERE THERE'S A WALL
Joy Kogawa

where there's a wall
there's a way
around, over, or through
there's a gate
maybe a ladder
a door
a sentinel who
sometimes sleeps
there are secret passwords
you can overhear
there are methods of torture
for extracting clues
to maps of underground passageways
there are zepplins
helicopters, rockets, bombs
bettering rams
armies with trumpets
whose all at once blast
shatters the foundations

where there's a wall
there are words
to whisper by a loose brick
wailing prayers to utter
special codes to tap
birds to carry messages
taped to their feet
there are letters to be written
novels even

on this side of the wall
I am standing staring at the top
lost in the clouds
I hear every sound you make
but cannot see you

I incline in the wrong direction
a voice cries faint as in a dream
from the belly
of the wall

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