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RSSフィード [63] 即興三語小説 ―幼女じゃないよ―
   
日時: 2012/02/26 21:47
名前: RYO ID:nyJu6K26

しばらく難易度低めにして、参加者を動向を把握してみよう。

ミーティングもにぎわってきました。
定期的に集まるというのは、大事ですね。

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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲お題:「手帳」「インクの匂い」「妖女」
▲縛り: なし
▲任意お題:なし

▲投稿締切:3/4(日)23:59まで
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

--------------------------------------------------------------------------------
 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ!
 それでは今週も、楽しい執筆ライフを!

メンテ

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嗅ぐ ( No.3 )
   
日時: 2012/03/04 02:03
名前: 端崎 ID:lwgut8uo

 インクの匂いが、苦手だった。
 子どもの頃、母がどこかから借りてきた漫画雑誌を手にとって読んでいた。そのなかのひとつに、こんなシーンがあった。牙の生えた、男だか女だかわからない大柄な身体つきの人物が、開け放たれた館の窓から、夜風とともにやってくる。降り立った部屋では、細身の男がベッドで寝息を立てている。忍び込んできた人物はその枕元に立ったまま、じっと男を見下ろしている。
 妖女、ということばをはじめてみたのは、そのときだったはずだ。

 ――妖女は 音もなく 男の首に

 話の続きは覚えていない。ただその一節と、ページをめくるたびに鼻をついてきたインクの匂いだけが脳裏から消えないでいる。

 辰の部屋で本棚を物色していたら、ふとそんなことを思いだしたのだ。
 たいしておもしろくもないのになんでだかもう飽きるくらい読み返しているホラー漫画。赤っぽいその背表紙に、また誘い込まれるように指をかけて。
 辰は、キッチンの方へいって、電話をしている。
 ――うん、うん、うん。うん。火曜の? うん。
 ちょっと待って、と言って、こちらへ戻ってくる。
 冷蔵庫の脇に放り投げてあった鞄をあけて、手帳とペンを、取り出す。
 そしてキッチンへ。
 わたしは、それで、結局いちど棚に返した漫画を、また手にとってしまう。もちろん読まない。クッションの上に、座りなおす。
 電話の声は、べつにわたしを憚るでもなく、比較的高いトーンで続けられている。辰の言葉はほとんどが相槌で、わたしはどうしようもなく気がめいる。もう夕方で、部屋の電気はつけているけれどキッチンは玄関からすぐのところにあるので暗い。暗いけれど、辰の口元が笑っているのは、みえる。
 ――うん、うん、うん。
 相槌を打ちながら、辰が、ペンの先を舐める。手帳になにか書きつける。
 片手に持った漫画を、親指で下から上にばらばらとめくる。いつのまにか、手癖になっているのだ。本を傷めるけれど、やめられない。ページが風をおこして、乾いた、うすっぺらくて安っぽい匂いをはこんでくる。どうしようもなく、つまらない気持ちが、せりあがってくる。きてしまう。
「ご飯いこっか」
 ばいばーい、と電話を切った辰が、わたしに、そう言った。
「うん、いく」
 答えたなり、わたしは動かないで、辰をみる。辰をみて、みるのをやめて、ばらばらめくっている漫画のほうに目を落とす。
 それから、巻きおこる、その風の匂いを、吸った。

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