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RSSフィード [31] 即興三語小説 ―第105回― 梅雨の長雨をぶっ飛ばせ
   
日時: 2011/06/18 23:21
名前: RYO ID:tHlGdClk

梅雨はいかがですか?
なんか週末ごとの大雨になってます。
早く梅雨があけてほしい。

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●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。

▲必須お題:「くもの糸」「魔法幼女」「ピアス」
▲縛り:「同性愛者を出す」「愛について考える(努力)」
▲任意お題:「絶対正義」「裏切り」「ブルマは死んだ。殺された。」

▲投稿締切:6/26(日)23:59まで
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週土曜日の22時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

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 三語はいつでも飛び入り歓迎です。常連の方々も、初めましての方も、お気軽にご参加くださいませ!
 それでは今週も、楽しい執筆ライフを!

メンテ

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君がいなくなってはじめて、くもがいたことに気づいたんだ ( No.2 )
   
日時: 2011/06/26 00:07
名前: 春矢トタン ID:Lyyvr4rA
参照: http://redroof.hanamizake.com/index.html

「くもがいるよ」
 幸裕が声をかける。
「そう」
 和人はソファに座り、ゲームをしたまま答えた。
 幸裕はキッチンまで歩いていって、ミネラルウォーターを飲む。外はそろそろ日が傾き出したころ。今日は夏至。そして真夏日だった。西日が、テレビの向こう側にあるはめ殺しの窓から差し込む。
「まぶしくないの」
「うん」
「そのゲーム、楽しい?」
「うん」
「魔女っ子のエロゲやるのもいいけどさ。そんな幼い女の子が登場人物でいいの」
「ララちゃんはこれでも十八歳だよ」
「うそ。どう見ても魔法幼女にしか見えない」
「それはお前の目が汚れているんだ」
「何でもいいけど」
 幸裕はペットボトルのキャップを閉めると、冷蔵庫へしまいこんだ。幸裕が話さなければ、二人のいる部屋に響く音は、なんだか楽しげで底抜けに明るいゲームのBGMと、和人がコントローラーを操作する音だけ。幸裕はしばらく、黙ってキッチンからか和人のゲームを眺めていた。太陽がだいぶ水平線に近づいたころ、BGMが代わって、なにやらイベントが始まった。
「暑いね」
「うん」
「和人ってさ、女の子好きだよね」
「うん」
「今は幼女メインのゲームやってるけどさ、この間は女子高生のもやってたよね」
「うん」
「俺、男だけど」
「うん」
「やっぱちょっと不安になっちゃうよ」
「うん」
「遊びに来てもこれじゃあね。発売日に来たのがいけなかったのかな」
「うん」
 そこで幸裕は一度言葉をとめた。まだBGMはさっきのままで、イベントは終わっていない。
「女々しいけど、つらいんだよね」
「うん」
「別れようか」
「うん」
「これ返すよ」
 幸裕は片耳にはめていた銀色のピアスを外すと、ソファの横のテーブルへ置いた。それは、随分前に和人から贈られたものだった。
「ばいばい」
 BGMが変わる。和人はなにか重要なことを言われたような気がして、ふと顔を上げた。部屋の入り口で、幸裕が靴をはいているのが見える。
「幸裕、帰るの?」
「うん、もうここにはこないから」
「幸裕?」
 和人が名前を呼ぶのと同時に、扉がしまった。そして、サイドテーブルに置かれたピアスに気づく。その横を、小さなくもが歩いていた。銀色のピアスにぶつかって、それをよじ登る。
 和人はコントローラーを置き、ピアスを手に取った。くっついてきたくもは、親指を伝って、手の甲を歩き、人差し指の先端まで到達する。くもはそのうち糸を吐き出して、ツーと床へ降りていった。くもの糸は、西日に照らされてきらきらと光っている。
 床に着くと、糸はぷつんと途切れた。くもがどこかへ行ってしまう。和人はその様子を、ただただ眺めているのだった。

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