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RSSフィード [262] 即興三語小説 -「真夏の夜の夢」「いたわり」「消化不良」
   
日時: 2015/08/09 21:58
名前: RYO ID:2tE94bLU

 夏休みも折り返しに入ってきました。
 社会人には関係ないけど、
 夏休はとらないと怒られるこの矛盾。
 休みが休みになるようにならないかな。 ----------------------------------------------------------------------------
●基本ルール
以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。
▲お題:「真夏の夜の夢」「いたわり」「消化不良」
▲任意お題:なし
▲表現文章テーマ:なし
▲縛り:なし
▲投稿締切:8/16(日)23:59まで 
▲文字数制限:6000字以内程度
▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません)

 しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。

●その他の注意事項
・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)
・お題はそのままの形で本文中に使用してください。
・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。
・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。
・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。

●ミーティング
 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。
 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。

●旧・即興三語小説会場跡地
 http://novelspace.bbs.fc2.com/
 TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。

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○過去にあった縛り
・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)
・舞台(季節、月面都市など)
・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)
・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)
・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)
・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)
・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)

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Re: 即興三語小説 -「真夏の夜の夢」「いたわり」「消化不良」 ( No.2 )
   
日時: 2015/08/14 22:00
名前: ID:Djv2n1Mw

例によって粗筋です。なので、例によって、かなりの省略があります。
プロット組むのに2時間、粗筋として文章に起こすのに2時間ほど掛かっています。
今回は比較的早くできました。
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微睡みの日々にサヨナラの叫びを            蒹垂 篤梓


 久しぶりに街に出て案の定迷子になった少年は、見知らぬ幼女に出会い位置感覚を取り戻す。
「お礼に何かして欲しいことはあるか」
 なんてうっかり聞いたら、一日の残りをあちこち引っ張り回された挙げ句、約束をさせられる。
 なぜこうなったと思っても、遅し。魔法使いにとって契約は絶対。駆け出しとはいえ一端を気取る少年に、それを覆すことはできない。
 ある日少年は、冴えない中年男と鉢合わせをする。魔法使いのすることに偶然なんてあり得ないから、つまりそれは必然。何だかだと理由を付けて、男の部屋に押し掛ける。
 冴えない男の部屋は、やはり冴えないしむさ苦しさに溢れていた。食中毒を起こさないのが不思議なくらいの不衛生さ、自分に対するいたわりが足りない。
 これではダメだと少年は、まるで妻か恋人のように発破をかけ、部屋を片付けさせる。片付く先から、埃を叩き掃除機をかけ、雑巾掛けをする。
 挙げ句には男の身なりを整え、外へ連れ出し、髪を流行りのように整え、それに似合う服まで買わせる。ジムへ行き、気分をリフレッシュさせると共に、弛んだ身体に活を入れる。そんなことを数日も続けると、男は見違えるように凜凜しい好青年に変身する。中年と思われていたのが、実は三十前だったことも判明した。全て少年の甲斐甲斐しいまでの努力の賜物である。だからと言って耽美な何かを期待してのことではない、念のため。
 少年には目的があった。果たすべき約束が。
 彼女は独身で、男より少し年上だったが、気立ても良くて器量好しだった。
 二人が出遭ったのは、少年が鬼軍曹ぶりを遺憾なく発揮したジムでのこと。息も絶え絶えでぐったり寝そべるプール際、心配げに覗き込む彼女に、少年はきっぱり言ったものだ。
「僕の目的は彼に嫁を取らすことです。あなた、いかがですか」
 彼女は笑っていたが、満更でもない様子も見て取れた。
 数回、同じようにジムで顔を合わせるうち、始めは挨拶を交わす程度だったのが、次第に短いながら言葉を交わすようになる。そのうち、笑顔が観られるようになって、気が付けば自然と談笑するようになっていた。
 そうなれば、大人の男女のこと、場所を変え、煩い監視人のいないところでゆっくりとと話が進む。
 そうやってデートを重ねるうち、二人の親密さはいや増し、二人の心のうちに、結婚の意識が涌いてくるのも当然の成り行きといえた。そんな気持ちを自覚し始めた頃。
 男は夢を見た。
 それは恐ろしい夢だった。
 娘がいた。かつて若すぎる結婚をしていた頃に産まれた娘。その結婚は、結局上手くいかず、五年の時をかけずに破綻した。愛おしい娘は、もうこの世にいない。
 夢の中で、幼い娘は可愛らしく、とても可愛らしく笑っている。それも束の間、その表情は恐怖に歪む。得体の知らない恐ろしい影が少女を襲い、呑み込んでしまう。それを見ていることしかできない男。「助けて」と泣く娘。
 叫び声と共に男は目覚める。
 少年の元に掛かってきた電話は彼女からのもので、男が時間になっても約束の場所に来ず、連絡も付かない。部屋には鍵が掛かって、人のいる気配もないと。
 少年が男の部屋に入ると、男は、ベッドにうずくまって震えていた。消化不良でお腹が痛い……というわけではなさそうだ。泣いているのか。声を掛けても反応がない。目は虚ろ、生きる気力を感じさせない。
 少年と出会う前、男は生きる最低限のことしかしていなかった。文化的な生活とはとてもいえない。まったく、その頃に逆戻りしている。
 不本意ながらも、心の中を覗き見る少年。
「なるほど、これは思ったより重傷だな」
 さてと案じるも、こうなっては無理に動かさせることもできない。
「ともかく眠らせることだな」
 夢を怖れる男は、眠りを拒絶している。
「悪夢ばかりが夢ではなかろうさ」
 男は自分が若返っていることに気付く。夢なのかとも思いつつ、そんなことはすぐに頭の中から霧散する。
 妻がいて、娘がいる。幸せな日常があって、日々がこともなく過ぎていく。今日も明日も、ひと月、半年、一年、そして十年と。家族としての日々を重ねていく。
 そしてある日。娘を嫁に出す日を迎える。よくぞここまで育ったものだと感慨も深く、同時に、まだまだ手元に置いておきたい気持ちとが相克する。
 花嫁の控え室。美しく育った娘を前に、涙を堪える。忍び寄る怪しい影に気付いた時には、もう遅かった。禍々しくも恐ろしい影。人の形をしたそれは、娘を連れ去ろうと襲いかかる。
 泣き叫ぶ娘。
 助けようとする男の身体は、どういうわけか指一本動かすことが出来ない。
「誰か、娘を助けてくれ!」
 叫ぶ声に応える者はない……はずだったが、
「芝居はよせよ、あんたの身体は動かせる」
 見知らぬ少年がそこにいた。冷たい物言い。けれど、その眼差しはどこか温かい。
「身体が動かない、助けてくれ」
「動くよ、動かさないだけだ」
 男は頭(かぶり)を振って否定する。そんなはずはないと。
「よく見てみなよ。あれは誰だ」
 と指す影の、その姿は……
「俺……なのか?」
 そんな馬鹿なと喚く男。そして、ふと、思う。これは夢なのだと。今だけではない、ずっと以前から、二十年も前から、ずっと夢だった。覚めたら終わる、真夏の夜の夢。
「なんてこった」
 へたり込む男。そして思い出す、娘がもうこの世にいないことを。
「もう、どうでも良い」
 絶望と共に吐き出す言葉。
「本当に?」
 少年は問う。
「あっちのあんたは、あんたの願望の一部。全て忘れてしまいたいという。それも選択の一つだ。それを望むのもいる。けれど、それに抗うあんたもいる。忘れたくないと望むあんただっている。だろ?」
 その狭間で潰され生きる気力を失っていた。
「今、娘を失えば、永遠にあんたは娘のことを思い出すことはない。新たな人生を踏み出せるかも知れない。忘れることが出来なければ、あんたはずっと苦しみことになるだろう。きっと、死ぬまでずっとね」
「俺は……」
「知っていたかい? 同じような境遇にあって、失った子供の思い出を抱きながら強く生きている人もいる。あんただって、知ってるはずだぜ。その人は、新たな人生を踏み出そうとしているところだったんだ」
「まさか……」
「で、あんたに会わせた。互いに良い効果があると思ったんだけど、少し甘かったみたいだ。僕にはまだ人生経験が圧倒的に足りないらしい」
 肩をすくめてみせる少年。
「傷は完全に癒えることはない。いつまでも疼き続けるだろう。けれど、その辛さを受け入れ共存することは出来るかも知れない。思い出として慈しむことでね。ま、僕には経験のないことだけど」
 ああと泣き崩れる男。
「さて、どうする?」
 決断を迫る少年、男はぎこちなくも立ち上がる。
   *
「約束と違う」
 責める言葉とは裏腹に、嬉しそうに笑う幼い少女。
「ま、成り行きでね。こっちの方が納まりが良いような気がしたんだ」
「ん、悪くない」
 かつて夫婦だった二人が、手を取りあって娘の墓に祈りを捧げている。
「じゃあ、行くね」
 光の中に少女が消えていく。
「成仏なんて現象は肯定しがたいんだけどな」
 つぶやきながら、満更でもなく頭を掻く少年の笑顔は、年相応に屈託がなかった。

(。・_・)ノ

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