AKBの総選挙の発表が行われた日、脳みそがフリーズする挙動不審者が続出したが、それは長い話になりそうなのでやめることにする。開いた口が塞がらないようで、その口に思わず飲み薬でも入れたくなっても不思議ではないな、というのが率直なところだ。 サッカー日本代表がワールドカップ出場を決めた日、DJポリスが十二番目の代表をうまくジャッジしたが、それも長い話になりそうでやめることにする。とりあえず、警視総監賞おめでとう。 芸能界のデコボコ婚の離婚が発表された日、さして興味もないが、離婚の原因を作ったほうが淫乱なのか、肉食なのか、節度がないのか、どうでもいいが、そういえば、淫乱という言葉は女性にしか向けられない言葉であることに、ふと気がついたが、やはりどうでもよかった。 女性といえば、おっぱい専門官はきっと下着売り場にいる店員に違いないが、きっとこのネーミングのせいで、いらぬ誤解を受けかねないと思うので、この話もやめることにする。とりあえず、おっぱい専門官、要するにブラジャーに詳しい人ってことでおそらく間違いはない。そういえば、ブラジャーを着けないほうが、おっぱいには良いらしいという記事をネットで読んだが、これは別に話だろう。 -------------------------------------------------------------------------------- ●基本ルール 以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。 ▲お題:「長い話」「挙動不審」「飲み薬」 ▲縛り:なし ▲任意お題:「おっぱい専門官」「淫乱」 ▲投稿締切:6/16(日)23:59まで ▲文字数制限:6000字以内程度 ▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません) しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。 ●その他の注意事項 ・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要) ・お題はそのままの形で本文中に使用してください。 ・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。 ・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。 ・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。 ●ミーティング 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。 ●旧・即興三語小説会場跡地 http://novelspace.bbs.fc2.com/ TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。 -------------------------------------------------------------------------------- ○過去にあった縛り ・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など) ・舞台(季節、月面都市など) ・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど) ・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど) ・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど) ・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など) ・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など) ------------------------------------------------------------------------------
シンプル 小学生だった頃など、全校ミーティングで校長先生の長い話を聞きながら欠伸をかみ殺したような思い出は誰にだってあるものだ。 つまり、と、ネオンの瞬く繁華街を歩く中年男は思う、つまり道行く人々は、みんなそんなような子供の頃の自分の思い出に何かしらのコンプレックスがあって、……あるいはその逆かもしれないが……(自分のことはよくわからない)……まだこうして、両親からもらったままの体、生身の肉体を捨てずに、しかし健康や長寿等にはさほど興味を示さず、夜毎のように酒を飲み、煙草をふかしている。中年男はムッとするきらびやかな熱気の中を黙々と歩く……人ごみ、汗をかいた人間の体臭……様々な味付けのソースや、汚いもの、何かの焦げたような臭い、ざわめきと、遠く、自動車のエンジンの音や、一体何か判別のつかない甲高い音、金属音のような……? 二十世紀の頃から、こんな風景は変わらない。 中年男はその夜に予定されたコースの半分程度を消化し終えると、立ち止まった。手のひらサイズのスマートコンピュータ(スマコン、であるが、通例的にはこれもパソコンと呼ばれる)へ今夜のたった今までの記憶を頼りに文章を書き込んでいく。「○○市○○町通り……○○駅前の○○から○○までを歩き終えて……」 中年男はすれ違った人々の姿を思い出している。みな大なり小なり酒に酔って、笑っていたり、ふさぎ込んでいる様子のものもいたり、複数人のグループや、一人のもの、ノースリーブの現代風のシャツや、クラシカルな女性用ブラウス、青灰色をした作業用つなぎ(……これもやや時代遅れに見える)、髪の毛を短く刈り込んだ若い男もいれば、まっすぐ歩くのもおぼつかないような老人もいて、無論、女もいた。化粧の濃い女、それとは反対に、どす黒い人相をしたような女もいたし、年齢も様々。ただ遠隔腕足の人間の姿は……思い出せない……おそらく一人ともすれ違っていないのだ。この場所は生身の人間のテリトリーで、時間帯もそうだ。 中年男はWWWにパーソナル・ログを持っていて、たった今、そこへ本人の手により文字を書き込んでいるのである。その内容は変質的であり、(現代社会の常識を考えれば、生身の人間が本人の生の意思によって文章をWWWに書きこむこと自体がきわめて変質的といえるが……それはそれとして……この場合、内容が幼稚で、かつ開き直った下劣さの印象というものを見るものに与える。パーソナル・ログの管理者としての中年男の名前はおっぱい専門官といい、道行く人々、すれ違った生身の他者の背格好を思い出しながら中年男の手によって書き込まれるログの内容は、実直にそのパーソナル・管理者・ネームに則しているといえる……)中年男は高揚した気持ちでパーソナル・ログへの書き込みを終え、パソコンをズボンのポケットへ戻す。先ほどまでに歩きながらすれ違った女達の胸のふくらみについて、中年男の心にはもう興味の残りかすくらいしか残っていない。(たった今の男にとっては、パーソナル・ログの文章がより大切なのである……。満足感は何物にも勝るのであるが、……長続きはしない。男は次第にやる気を取り戻して、歩き始めることを考える) そうして中年男は夜の散歩を再開した。蒸し暑い夜であった。何時間も前に日が落ちてから、しかし気温はほとんど下がっていないようであった。というのも、地球温暖化の影響が何かというのが騒がれ始めて以来、世界中の平均気温は年々上がってきているようだ。ただ現在、それに伴う問題、……問題というほどの問題が男の耳に聞こえてきたことはなかった。蒸し暑いとはいっても……特にこの時間帯など、遠隔腕足の健全な大人達は自宅で眠りについているのである。それに加えていうならばすれ違う女達は一様に薄着で、このことはむしろ、男の趣味にとっては好都合であった。「女の体を観察するのと、パーソナル・ログに文章を書くのと、どちらがいったい、俺の趣味の比重という意味では、俺にとって重要なのであろうか。……もしかして、女の体を観察するのは遠隔腕足でやればより効率よく、俺自身の視覚と腕と指の生の筋肉をパーソナル・ログの更新へ没頭させられるのではないか……?」 それは中年男にとって、何度か考えた問題であった。現代社会において、人々は日常生活を営むために遠隔腕足を用いている。最初に実行されたアイディアは牧歌的であった……とある大企業の社長が、とある高層ビルディングの最上階で、閃いたのであった……すなわち、脳の働きを電気信号に変換して電波に乗せれば、自分自身の腕……金属のモーターによって動作するシシオドシのような自分自身の腕によって、遠く離れた別の場所で、印鑑を押す業務を遂行できるのではないか、と。電波の暗号化技術はパッケージ化され、商品となって、時代とともに安価となって一般大衆へ広がっていった。現代の遠隔腕足とは、都市の隅々まで侵食しつくした毛細血管のようなものであるといえた。これはオーバーな比喩表現ではなかった。一般的な社会人は、本来持つ、生身の肉体は自宅で保管するのがふつうで、昼間、本人の行いを代行するパーソナル遠隔腕足を操縦し、社会生活を営み、人間社会の歯車の一部となって働く。ノンパーソナルである公共の遠隔腕足は社会の至るところに存在する……すなわちバス、タクシー、エレクトロ・カーの改札や、ビルディングの電動ドア、スナックやソフトドリンクの電動販売機……こうしたものは、暗号電波の発信装置さえパーソナル遠隔腕足に備えていれば、誰にでも操縦できるというわけだ。「俺には馴染めなかった……」 遠隔腕足による当人同士で体を共有したパーソナルセックスというものに、中年男性は興味をひかれたことがあった。かつて一度、それを実際に試してみたこともある。しかし、合わなかった。男にはコンプレックスがあったのであった。それは幼年時代の、パーソナル遠隔腕足をまだ両親から与えられてない、小学生時代の男が幼かった頃のものであるのに、違いなかった。男にはそう思えた。自分自身の奇行だって、コンプレックスに原因があるような気がする、と男には思える。 男は考え事をしながらも、黙々と人間観察を続けながら、夜のネオン街を歩き続けた。しばらくそうして時間が経つと、その夜のルートも終わりが近くなっていった。人通りはまばらになり、色とりどりのネオンも、いつの間にか、視界から消えて、今では寂しくパタパタと明滅する蛍光灯がわずかばかり浮かんでいるだけである。 そしてそんな夜道の、暗いビルディングの陰に、ひとつの人影があった。小柄で、おっぱい専門官を自称する中年男はすぐにそれを意識したし、記憶に焼き付けた。ただそれはそれとして、小柄な人影はどうも妙であった。落ち着きなく周囲を見回して、それでいて、誰か特定の目的の人物をその場で待っているというような様子ではなく、ありていに言えば挙動不審であった。それとも、壁にもたれて立つ様子から男には前時代的な売春婦が連想されたが、もちろんそんな身なりには見えず、……(ポリエステルのオーガスト・コート、頭にかぶったツインテール・キャップはマンガ趣味のようだが、(少なくとも外見的には)年齢相応といえそうである)ともかく見た目の年齢は若すぎる。(それともあるいは、若い見た目のバイオ・遠隔腕足なのであるのかもしれない。ということはすなわち、女装趣味の変質的遠隔人間である可能性を考えなければならなかったが……(今の時代、売春婦は遠隔腕足を用いるのが一般的といえた。場合によってはその用途に特化したとびきり淫乱なタイプも使用されるのである)……。)男はしばらくじっと立ち止まって、危険なものを遠目に観察するようにしていたが、ようやく頭の中で、得心のいく答えを得た。つまりその小柄な人影は家出少女なのである。何度か目を閉じて思いつきとその人影の実際の様子を照らし合わせてみて、それはどうやら間違いないように思えた。「あのう……すみません……」男はなんと声をかけたものか迷った。一瞬前の第一印象から着想を借りて、ポケットから財布を出して、「ええとお、いくらなんでしょうか……」と少女へ向かっていった。男が歩いて近づいていくと、少女は目に見えて警戒する。それはそうで、男は、自分自身、ジョークのつもりでそれを言っているのか、本心からの言葉なのか、判断がつかず、男がジョークのつもりで言う言葉は、周囲の人間にはたいていの場合、本心からのものと受け取られた。男の笑顔は引きつっていて、それは犯罪者になることを覚悟した人間の卑屈なへりくだりの態度に見えた。 少女はしばらくして答えた。「○○万円……」それで男は財布からそれだけの現金を取り出して、少女の目の前に持ってきて見せた。少女はまたしばらくじっとして、現金を受け取って、しかし何も言わないままで、その場から動こうともしないままなので、男はチラチラと少女を振り返りながら、歩き始めたのであった。少女は男のあとをついて歩いてくる。もし逃げようとしたら、体格の差から、簡単に捕まってしまうだろうことは男にも少女にもわかった。少女は遠隔腕足ではない様子であるし、それに、一体何を考えているのか、男にはよくわからなかった。それで少女が家出少女であるという前提を立てて考えるしかなく、歩きながら最初に見つけた飲み屋へ入った。 飲み屋ののれんをくぐると、そこは夢の中のようにハッとする居心地の良さを中年男と少女の二人に提供した。外の暗闇とは違って煌々とした暖色のランプと冷房にひやされた空気、良い匂いのする大なべ、談笑する人々のシルエット。男はカウンター席の一つにすわり、少女をその隣の席へ座らせて、手打ちの遠隔腕足に酒と料理を注文した。この場合、注文を承るのは学生のアルバイターであるに違いなかった。飲み屋の店内全体を走る配線の中を電子の大きさの学生アルバイターの意識が行き来し、はた目には無人の厨房の鍋や包丁、箸の一本に至るまですべて文字通りの意味で己の肉体へそうするように支配するのが料理人であり……中年男は考えるのをやめる。億劫だから、俺には遠隔腕足はなじまないのだ、と思う。 煮物や煮魚の小鉢が出てくると、少女は一度男の顔色を窺って、男は何も言わないで自分の取り分である同じ献立のメニューを食べ始めたので、少女のほうもそれにならって食べ始める。酒も同じものが出てきたが、男が飲み始めても、少女は酒には手をつけないままであった。飲めない、あるいは飲んだことがないのだろう、と男は思ったが、それでソフトドリンクを注文しなおすのは厚かましいのではなかろうか、と思うので、迷っているのである。男は少女の食べる料理の小鉢の横に、自分のポケットからパソコンを取り出して、置いた。男のパーソナル・ログが表示されていて、この時代、WWWを読むのは乳幼児にだって出来るので、とりあえず何か表示されていたら文章は読むという習慣によって少女がそれを読むのを男は待つ。「俺が更新してるの、それ。俺、おっぱい専門官で、女の人のおっぱい見てるの」 男は周囲に聞こえないように小声でいった。遠隔腕足同士であれば、電波を使った内緒話を、それこそ、発声をするのに必要な時間さえ短縮して一瞬の隙間に完了してしまえるものであるが、生身の人間同士のコミュニケーションは時間がかかる。少女は明らかに緊張と怖れの表情を浮かべて男のパソコンの表示に目を奪われていた。男はもっと言葉を続けようか迷ったが、しかし何を言ったらいいのかわからなかったので、しばらくそうして二人とも黙ってしまった。少女には、彼女自身も中年男の変質的な興味の対象に含まれることがわかってしまった、というように男には見えた。 ぽつり、と少女がいった。「あたし、明日には家に、届くから、今日は死んでもいいって気持ちになって、……ふとそう思ったんだけど、理屈はよく……わからない……」 自分のことはよくわからないものだ、と男は思う。パーソナル遠隔腕足という、自分本人からは隔絶したまったく別の他者の機械の体で日々を過ごすようになれば、たった今の自分自身の肉体の感触というものは、今日限りのものになってしまう、幼い過去のもの、二度とは体験できない……すでに失われてしまったもの……、今の自分の人生とは違う、かがみ合わせの前世の自分のようなものになってしまうのではないのか、という危惧は、感じるに違いない。男にはその恐怖はよくわかる。少女が「パーソナル遠隔腕足」などと一言も発声していないのにわかる。男個人による独りよがりな独善的解釈かもしれない……などという可能性は、しかし男には考えられなかった。男には少女の事情と怖れはよくわかった。男は今だって生身の肉体に固執しているのだ。遠隔腕足を使って当然という社会の風潮に一度は奪われかけた生身の俺本人の持ち物、小さいころからずっと使い続けている、これだけは胸を張って誰にだって俺の物だと言い張れるものだ。男は小学校の頃の全校ミーティングを思い出している。校長先生の話は長かった。男は自分自身について、思う、俺には子供時代に対するコンプレックスがやはり、あるようだ、と。あそこには大勢の子供たちがいて、みんな、他者だった。自分の意識を電波に乗せて一瞬のテレパシーをしたりしないし、テレパシーをし合って洗脳合戦をやったりもしない。人間同士のコミュニケーションはゆっくりであるべきなのだ……。男はシニカルに考えてしまう……つまりそんなような「言い訳をしたって仕方ない……俺は、自分の子供時代が忘れられないだけなのだ……心が小学生の時のままで、幼稚で、下劣で、おっぱい専門官などをやっているのも、俺のそうした歪んだ欲求をわずらう心根が原因なのだ……、……考えるだけ無駄なのだ……」「飲み薬みたいなものですよねえ、これえ」ふと、男は気がついて、考えに没頭する意識が眠りに落ちかけていたのだと気づく。うつら、うつらとしていた頭を、隣の少女の方へ振り向かせると、少女はグラスに入った酒をちびりと飲んでいる。「え、うん、なに、何か言った……?」男は言った。少女は酒が「超まずい、おいしくないですねえこれえ」と言って、酔ったような眠そうな目をしていたが、不意に涙をこぼした。彼女にとって、人生でこれだけ最低の夜というのも、他にないに違いないのだから、それはそうだ、誰だって彼女の立場なら泣きたくなる、と男は思う。少女はしばらくそうしていたが、とうとう、意識を失うようにして眠りに落ちていった。男は夜明けのことを思うと少し憂鬱な気持ちになった。今、男の隣の席に、男のコンプレックスの対象である年頃の少女がたった一人で何の保護もなく生身の体のままで眠りこけている。人生で一度きりの、犯罪者になる覚悟を決めるとしたら、それは今しかない、と男は思う。そうしたら、無力な少女にたいするそれを暴力的になしえてしまえたら、もしかしたら、自分だって、意識をきちんと立てなおせられて、真っ当な大人として、遠隔腕足と向き合えるようになるかもしれない。代償として少女の人としての尊厳は芽吹く間もなく踏みにじられるであろうが……「代償……という考え方は誤りではないのか……尊厳にたいする暴力というそれこそが俺の目的の主たるものではないか」男は考えたが、結局、酒を飲んでいるうちに、眠ってしまった。目覚めたときに、まだ同じ飲み屋の同じカウンター席に突っ伏したままでいる自分に気づいて、「しまった、一世一代のチャンスを不意にしたぞ……」とつぶやいた。少女はまだ男の隣にいた。男が眠るまえよりもっとピタリと寄り添うように男にくっついて、彼女もまたカウンター席に伏せって眠っているのだった。「そういえば俺はこの少女に行為の要求代金として○○万円渡したのだった」と男は思う。ということはつまり、ピタリとくっついた温かい感触は、少女が男の要求に応じてくれたものなのである。男はそんな風に解釈して、それでなんだか、ドキドキして、落ち着かない気分のまま、少女が目を覚ますのをそのままの体勢で待った。=====こんばんは。はじめまして。雪国の人といいます。よろしくお願いします。飛び入りになりますが、参加させていただいてよろしいでしょうか。6500字くらい、執筆時間は3時間くらいです。ごめんなさい。
私の後輩である都宮子は、お酒が入ると、ほんのちょっと不思議の世界の住人になる。「先輩、ホントに酷いと思いませんか。人のコンプレックスを逆手に取るなんて、人間的にサイテーですよ」 ロックの梅酒を、まるで生ビールみたいに一気飲み。 グラスをゴツンとテーブルに振り下ろし、宮子はすっかり目を座らせて大仰に嘆いてみせた。「いえ私もね、ちょっとおかしいなーとは思ったんですよ。でもね、人間藁にも縋りたい時ってあるじゃないですか。私ね、いい加減、森山先輩に告白したいな~って思ってるんですよ。夢なんですよ、すっごくおしゃれして、バッチリメイクも髪型もキメて、動物園とかでデートした帰り道で好きな相手に面と向かって告白するの。相手からされるのもいいですけど、やっぱり自分からちゃんと言うのがいいっていうか。ほら、前流行った歌謡曲にもあったじゃないですが、愛されるより愛したい、とかなんとか。良くないですか。あ、ちなみになんで動物園かっていうと、動物見た後の人間って癒されて心が緩むらしいんですよ。だから告白の成功率が上がるってなんか雑誌で読んで……って、話しがずれちゃったじゃないですか。とにかくね、そろそろ告白したいなって思ってたんです。多分、希望が入ってますけど、森山先輩もそれなりに私のこと、好きなんじゃないかなって。だって、落ち込んだらよく声かけてくれるし、優しいし、遊びに誘ったら大抵付き合ってくれるし、いや、もともと面倒見いいからだ、とか言わないでくださいよ。それ言ったら私の心はブロークンです。粉々です。夢と希望を見せて下さい。おねがいします」 私以外の人にも優しいとかいう話は聞きたくないです。ヤダヤダヤダ、と、幼子の様に首をふりふり。マシンガントークの合間にも展開されていた身振り手振りはだんだんと激しさを増している。 高校時代、演劇部に席を置いていたからか、普段から芝居がかった動きは酔えば拍車がかかる。あと2、3杯飲ませて路上に放置すれば、きっと挙動不審者として通報されること請け合いだろう。 可愛い後輩をそういう目に合わせないよう、私は彼女のグラスから梅をつまみ取って、おかわりを防止することにした。 決して、ただ梅が好きだったから頂戴したというわけではない。「あ、もう先輩、ホント梅好きですよね。いつも取るんだから。別にいいですよ、そこまで梅が食べたいわけじゃないですから、先輩にあげます。それより、さっきも言いましたけど、そろそろね、告白しようとしてたんですよ。でもね、私見ちゃったんですよ。知っちゃったんです。森山先輩の部屋に遊びに行った時にですね、いかがわしい本を見つけてしまったんです。あ、物色したわけじゃないんです。というか、ベットの下からちょこっとね、はみ出ていたんです。床にぺたんと座ると、ちょうどそれが目に止まるんです。そんな状態だと、気になりませんか。先輩だって気になるでしょう。気になりますよね。そうですよね。だからちょっとだけ、見ちゃったんです。ちょっと引っ張りだして、すぐにベットの下に押し込んだんですけどね。タイトルが何だったかわすれたんですが、煽り文句が淫乱爆乳メイドとか、Cカップ以下はおっぱいじゃないとか。そんなのだったんです。もうね、ショックでした。いや、そういう雑誌を持っていたことが、じゃないんですよ。男性だからそういう雑誌を持っているのって仕方が無いと思うんですよね。別にそれはいいですけど。それよりも、坂田先輩とか峰くんとかにそれとなく聞いたら、先輩って、おっぱい好きっていうじゃないですか。なんですか、なんで男の人ってあんなにおっぱい好きなんですか。坂田先輩が言っていたんです。森下先輩はおっぱい専門官だって。そんなこと言われたら、一気に私の夢と希望はシャボン玉のように儚くはじけましたよ。見ての通りのまな板ですから。盛ればきちんとAはいけるんですが、Cカップには遠く及びません。つまりは先輩にとって私の胸はおっぱいではないんですよ。なんということでしょう。そんな時にですよ、話は戻りますが、つい、あの広告に騙されちゃったわけですよ。飲むだけでおっぱいが大きくなるなんて、そんな薬あるわけ無いですよね。そんな飲み薬が発売されていたら今頃世界からAカップのブラなんてなくなってしまうはずですよね。なんで気が付かなかったのかなぁ、おっぱい大きくならないかなぁ……」 梅がなくなって、氷だけになったグラスをグルグルと回して宮子はため息を吐く。 話すだけ話してきっとだいぶ落ち着いてきたのだろう。 頬をつき、眉が下がった宮子の目はトロンとして眠そうだ。 その様子に、そろそろお開きかなと私は店員にお勘定を頼んだ。「先輩先輩、ダメですよ。ちゃんと割り勘にしてください。後輩だからってそうやって甘やかすのはダメですよ。そういうことすると勘違いするんですからね。あれ、先輩電車こっちでしたか、こんな時間に用事があるんですか、もう終電になりますよ。何処かに泊まるんですか……もしかして恋人さんのところとか。いや、すみません、聞かなかったことにしてください、って、あ、だからお勘定。ごまかしちゃダメですよちゃんと払わせてください」 まるで子供のように頬をふくらませる宮子に、じゃあ今度奢ってよ、と言って。 フラフラする宮子を見かねて駅のホームのベンチに座る。 眠そうな目に、肩を貸すよと言えば、そういう事はあまり無闇矢鱈としちゃダメですよと言いつつ、誘惑に負けたのか、暖かな重みが肩にかかる。「有難うございます、先輩。いっぱい話して楽になりました。長い話にいつも付きあわせてごめんなさい」 先ほどの勢いはどこにいったのやら。恥ずかしげにお礼を言う宮子に、嫌なら誘ってないよ、と返して。 きっと宮子はいつもの様に、明日になれば何を話したのかケロリと忘れて、明るく元気な笑顔を見せてくれることだろう。 何度も何度も、酔っては「先輩に告白をする」と言う彼女を可愛いな、と思いつつ、私は隣ですやすやと夢の国へ旅立った宮子の胸を見て考える。 どうも彼女はおっぱい専門官というのは大きい胸だけが好きなものだと思っているようだ。しかしながら巨乳専門官ではなく、おっぱい専門官という不名誉なアダ名である通り、自分としては、彼女のささやかな胸もまた対象の範囲内なのだけれども、さすがにそんな告白はあんまりだろう。 とりあえず、早々にベッドの下の雑誌の隠し場所を変えて、坂田と峰をシメる、という目標を立てる。 駅のホームにアナウンスが流れる。 線路の向こうにチラチラと電車の光が見えた。 ついさっき、あと10分あると思った時間はあっという間に過ぎていた。 無防備に投げ出された彼女の手をそっと握って、離して、電車が来たよと揺り起こす。 まつげをゆるりと揺らす宮子に、今度、動物園にでも誘ってみようと思った。====はじめまして、ふと思いついて飛び入りします。緩いラブコメを目指しました。可愛い二人になっていれば幸いです。2時間くらいかかりました。
胸にひそむもの「諸君おっぱい専門官に歓迎するよ 女性の胸には夢が詰まっている。 この名言を言いだしたのは誰だったのだろう。 人に夢と書いて儚いとなるのは、きっと時がたつとしぼみ、たれてしまうことをあらわしているのではないかと思う。 諸君はそのしぼんでしまう前のいっときの美しさをわかってほしい」 それが半年前に、おっぱい専門官になったおれが初めての会合できいたことばだった。 軽やかな足どりで、向かう先は保健室。 体育の授業中に足をすりむいて、治療のために向かっているのだけど、嬉しさが痛さをはるかに上回っていて、なんてことはない。 頭の中では、ゆさゆさゆれる保健教諭の種島杏子先生の双山でいっぱいである。 腹部の上にそそりたつ二つの盛り上がりは、丘という既定の大きさを越えると、山と呼称されるほど大きい。もちろん大きいだけでなくて、はり、つや、かたち、全てにおいて学内一の称号をほしいままにしている。 もちろん、直接中身を見たわけではないのだけど、服の上部からはみだしている肌部分、そして衣服をきていてもなお主張されるそれを見れば一目瞭然である。 おっぱい専門官の一員たるおれにとって、その山へといたる道は、至福へと向かう道といっていいだろう。 この小さな怪我を理由に、こつこつと積み重ね、いつかあの山を制覇するのだ。「もう、田中くんは、わるい子なんだから……あんっ」 とかいいながら、めくりめく淫乱な世界へとつづく道なのである。 何故山をめざすのか、そこに山があるからに他ならない。 長い話になってしまったが、まぁそういうことだ。 保健室の前につくと、さすがに足の痛いふりをしなければならないと思い、少しひきづるように意識しながら、ドアをあけた。 天国への扉だと信じてあけたのだが、そこに天女はいなかった。 丸椅子に座っているのは、一人の少女。 着ているのは生徒をあらわすブラウスと紺のスカート、胸元のリボンは同学年を現すえんじ色。 そこには平野がひろがり、山どころか、丘すらなかった。 残念胸、というかおっぱいがない。少女というより、無女である。いや女ですらないといっていい。「……どうしたの?」 怪訝そうな顔をして、首をかしげながら聞いてくる。 山を、いや、杏子先生をさがして室内をきょろきょろ見回したのが、挙動不審に見えたのだろう、少し警戒しているようだった。「……先生は?」「ちょっと、用事ででていったわ。留守番たのまれたの」「えぇー……」 ここに来た意味がない。山がないのに、のぼる登山家はいない。「やったげるから、ここおいでよ」「え?」 なにのことかわからないけど、いわれるままに椅子をすわる。「あし、だして」 とここで、足を怪我していたことを思い出した。 足をだすと、丁寧にペットボトルの水で傷を洗い流す。思わず「いつっ」と声をあげてしまったけれど、見ていると少女のほうが痛そうな表情を浮かべている。 水だけでは取れないドロを丁寧にハンカチで拭き落とす。 少女が前かがみになっているのをいいことに、のぞきみるが、前かがみになっても、胸部にふくらみの存在を確認できなかった。AAか。 それでもおれの胸は何故か動悸していた。 肩口までにそろえられた髪がわれ、うなじが露出し、ブラウスの背中部分にピンクの紐線がうっすら浮いていたのは無関係ではないだろう。 おっぱい専門官としては、こんな存在感のない胸の女にどきどきしてしまったのかとおもうよ何故か少し負けた気になる。「できたよ」 そんなことを思っていると、いつの間にか、擦り傷の部分に絆創膏がつけられていて治療が完了しているようだった。「ありがと……」 歯切れ悪くこたえると、少女は物憂げな表情を浮かべて、「大丈夫? まだ痛いとこある?」 治療がおわったにもかかわらず、立ち去らないおれをみて、まだ足が痛いとこがあるとおもったのかもしれない。 そこへ、夢がはいってきた。「ただいま、あら」 そういえばおっぱいが二つあるのって、片方に夢が、そしてもう片方に希望がはいっているのではないだろうか。「竹中さん、はいこれ」 杏子先生はポケットから半分が優しさでできている、定番の飲み薬を少女に渡した。 恐らくこの薬を買いに出かけていたのだろう。「ありがとうございます、では」 といって、少女はそそくさと出て行った。「で、きみはどうしたのかな」「あっ、えっと、あの怪我しちゃって」 杏子先生はおれの足の絆創膏を指差してきいてくる。「それ?」「あ、はい、」 思わず曖昧に、へらへら笑いながら相槌をうってしまった。 それをみて、杏子先生は生暖かい目で、からかうようにいう。「ふふっ竹中さんめあて? あのこいいこだものね」 どうも明確に怪我のことをいわないのを、他が目当てでここへ来たのがばれてしまったようだ。それでも大きな間違いだ。「ちっ、ちがいますよ!」 ぺったん娘がすきなんて、そんなことは思われたくなくて必死に抵抗する。「ああいう子は好みじゃないです!」「ふーん? じゃあどういう子が好みなの?」 突然の切り替えしに返事ができない。 けれど。 視線は思わず、杏子先生の胸部に吸い寄せられる。 そのあからさまな視線にきづいたようで、杏子先生は少し苦笑いをする。「はぁ~全然見る目ないのね。だめよ、見た目ばかりきにしちゃ、それやってもらったんでしょ?」 杏子先生は溜息まじりに、残念そうにいいきる。「先生だって、やってくれるじゃないですか」「わたしのは仕事、そういう風に治療するのが仕事なのよ。でも竹中さんは、そうじゃないでしょ?」 おれはこくりと頷いた。「彼女は優しいのよ。さっきの薬だって、ひとの分をとりにきたのよ。ああいうのとりにくるのが恥ずかしいって子がいるの。それをかわりにとりにくるのも、恥ずかしいことでしょ? でもひとがしんどいのを見て、ほおっておけずにとりにきたのよね」 そういえば、傷の手当てをしている少女の動きはよどみなく、慣れているようだった。 思わず、うなじやブラ紐しかみていないことに気付いてしまう。 おれなら、恥ずかしいって理由で自分で薬をとりにこない人の薬なんかとりにこないし、そのときたまたまあらわれた大したことない怪我人の治療なんて考えもしないだろう。 それからしばらくして、竹中さんを廊下でみかけた。 今まで胸がないので気付かなかったのだが、隣のクラスでいがいと目につく。「あっ、とれてる」といっておれに声をかけて、みると足の絆創膏がはがれてかけていた。体育のあとで体操着で露出していたのだ。「あるから、あげるね」といって再び新しい絆創膏をつけてくれた。 そのときに、以前におきた動悸が、以前よりもはっきりとはやくなっていることに気付いた。 いつも見ていると、おれが特別そうされているのではなく、誰にでも気遣いを見せる彼女はとても美しかった。 半年後。「諸君おっぱい専門官に歓迎するよ 女性の胸には何が詰まっていると思う? 本当に美しい女性の胸には、優しさがつまっているのだよ。 その優しさはときがたっても、しぼむどころか、えんえんとふくらみつづけることすらあるのだよ、諸君にはかたちだけにまどわされず、本当の優しさを理解してほしい」 新しい境地に辿り付き、おっぱい専門官の隊長となったおれの言葉だった。
本音が聞きたい 二人しかいない実験室の中。 檻に入った実験用のラットを見ながら長い話を終えた博士を見る。 博士と言うが、とても美少女だったりする。 おっと、どうでもいいことを考えてしまった「で、まとめるとこのラットが挙動不審なのは飲み薬をえさに混ぜたからなんですね」「まあ、そうなるかな」「なら最初からそう言えばいいものを……」 まあ、博士だし仕方がない。とにかく、説明を始めると長い。 しかし、説明は分かりやすいから何とも言えないのである。「私の実験は、これだ。君の実験は、なんなんだい?」「遺伝子操作の実験ですけど、説明が難しくて……」「そうか」 博士は、さらなる質問をぶつけてくる。「どうして、君は万能細胞の実験をしているんだい?」「それは……」 俺が、万能細胞を研究している理由は簡単には言えない、というか人に言いたくない。 俺の、ある意味のトラウマだからだ。「おっと、聞いてはいけなかったかな?」「ええ、まぁ……」 博士はおもむろに立ち上がると、フラスコに水を入れアルコールランプに火をつける。 お湯が沸きコーヒーのいい匂いがする。「ほれ」 コーヒーを受け取り、ほっと一息つく。「もう、君がここにきてから1年か」 ふいに、博士が呟く。もう、そんなにたつのか。 博士と初めて会ったのは、博士が言った通り一年前だ。 入ったばかりの研究所で、俺は道に迷ったのだ。 道をうろついていると、博士に出会ったのだ。 そして、強引に博士の研究所に巻き込まれた。 しかし、俺はとても楽しんでいた。 はじめは、変人だと思った。しかし、それは俺の勘違いだと気付いた。 まず博士はやはりとても頭がいい。そして会話がうまい。 アドバイスもたくさんくれる。そのため俺の研究はとてつもなく進んだ。 あと、博士がとてもかわいかったこともあるのだが。 コーヒーを飲みながら、博士と思い出話をする。 いつも、博士と話すことがとても心地よかった。 俺はなんとなく、もう博士に話していい気がした。 俺が何故万能細胞を研究しているかを。「博士、さっきの話ですが……」「さっきの話って?」「なんで、俺が万能細胞を研究しているかです」 博士は、すぐに耳を傾けた。 俺は、こまごまと、切れ切れに話し始めた。今まで誰にも話したことのないことを。 俺の母が、俺のせいで交通事故に遭い、そのせいで植物状態になってしまったこと。 そして、その植物状態、つまり脳細胞が死んでしまっているのだが、それを回復させるために万能細胞を研究していることを。 俺は、震えながら話した。 あの、母が車に撥ねられた瞬間は思い出すと吐き気が襲ってくる。 やがて、俺の話が終わる。 博士は話を聞き終えると、俺の予想外の行動に出た。 なんと、背中に抱き着いてきたのだ。 俺の凍えた体が、博士の熱でゆっくりとほぐれていく。「大丈夫だ。あんたの研究は進んでいる。きっとお母さんも救えるさ」 博士の優しい声が頭の中に入る。 とても暖かくて、心地よかった。「それで、どうして私にそのことを話してくれたんだ?」「博士が、好きだからです」 口からこんな言葉が出てきた。「「え?」」 同時に戸惑う、俺と博士。 何分――いや実際は数秒だろうか――たって、突然博士が笑い始めた。 俺は、戸惑ってしかいなかった。「いやあ、こんなにうまくいくとは」「え? うまくいくって?」「私、実はあんたのコーヒーに薬を入れたんだ」「え? 薬?」 聞いてばっかりである。思考回路がめちゃくちゃだ。「ああ、薬を。 本音が出てくる薬」「ええええええええええええ!」 俺の叫びが、研究所に木霊した。 意図せぬ本音? が漏れてしまった。「何言ってんだ俺……」 絶望していると、博士のつぶやきが耳に入ってきた。「でも、私は嬉しかったぞ。」「それって、どういう意味です」 博士は、顔を赤くしながらこう怒鳴った。「研究者なら、自分で考えてみろ!」 でも、なぜか怒鳴った時の顔は笑顔だった。 エピローグ あのやり取りから十年。 俺の母は、植物状態から回復してくれた。 万能細胞を研究し続け、やっとのことだった。 博士には、感謝してもしきれない。 え? 博士とはどうなったかって? それは……「おい! 実験器具を買い足しておけって言っただろ!」「なにも、家の中まで実験室作って実験しなくてもいいじゃないですか……」 俺は、実験室に続く家の廊下を走るのだった Fin親のPC規制で修正が火曜日に まず、お題を入れなおしました。それと、ラジオの下りですが・・・IフィルターによってR-18の単語が表示されなかったようです。任意お題だったのでラジオの下りを削除しました。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした6月18日 お題ワード追加/あとがき修正
漢方薬の効き目 タツキが挙動不審に陥りそうなほど激しく苦い飲み薬を飲み下し、深いため息をつく。「ああ、失敗したかなぁ」 あまりの激烈な苦味に何杯もの水を飲んで、力なく彼がぼやく。 口の中には激烈な苦味がまだ残っていて、当面消えそうもなかった。 彼が何の飲み薬を飲んだのか、という経緯を話せば長い話になるのだが、その飲み薬が処方されたところは、コウが見かねて紹介した漢方調合薬局だった。 散々に症状を尋ねられ、結局できあがった飲み薬がそれであり、それならば、通常の薬局に行けばよかった、とタツキは後悔し始めた。「飲んだのか?」「ああ、飲んだ。本当に効くんだろうな?」 いつの間にか入ってきたコウに聞かれて、怪訝そうにタツキが答える。「ああ、効くぜ。ダイナマイト級に」 コウが自信ありげに言った。「それは、効果絶大、ってことか?」「そのとおりだ」 コウがそう行って立ち去った。 激烈な苦味のある漢方薬が効いてきたのはそれから何時間も経ってからだった。「眠れん…」 目が冴えて眠れなくなったタツキはしょっちゅう寝返りを打った。 そのうちなにやら耐え難い衝動にかられてきて抑えようもなくなってきたのだった。「慰めてあげようか?」 そう耳元で囁くキリトの言葉がなにかしら悪魔的な囁きに聞こえた。 ダイナマイト級の効き目とはこういうことだったのか、と今更ながらに気づいてしまったタツキがいた。
[124] 即興三語小説 ―― 感想&返信zooeyさんこの「即興三語小説」では長いほうの作品ですけれど、面白く読めました。主人公の心理面がきっちりと描けているので、考えが伝わってきました。構成もしっかりとしていますね。主人公の背景がわかるように書かれていましたし、そのあとの少女とのやり取りも納得いくものでした。導入部とラストに猫が出てきますが、ラストで、この猫があの少女かと一瞬思い「不思議系」を少し含んでいるのかと思いましたが、最後まで読むと、不思議系ではありませんでした。主人公と少女がラストでは「猫なら、オレのところにだっている。光の中、二人でどこまでも逃げていく、猫みたいな女の子が。」という関係なので、主人公はどうして路地にいるのだろうかと思いました。コンビニでも買い出しに来ていて、「組」の者に見つかりそうになったので、隠れたのかな。一言、説明があると、わかりすいですね。雪国の人さん「シンプル」読みました。(ちなみにこの作品は、もう一度読んで、不足分があれば感想を書きなおします。一度読みで、理解していないところがあるかもしれないので)「遠隔腕足」こちらの方は、もう一つわかりませんでした。男と少女との援助交際のお金のやり取りで、男が少女に作品内で手を出さなかったのはわかりました。こちら側の人間ドラマは面白かったです。御作の場合は全体的に説明で話が展開しているので読みにくさがありますね。エピソードで書くと全体の内容はわかりよくなると思います。ラストは、よかったです。●再読しました。「遠隔腕足」の意味が分かりました。本人が、自宅にいて離れた所で、手や足(機械でできた物)を動かせるということですね。この作品では、そういった物が出回っている時代(近未来)になっているという話です。そこに変態の主人公と純粋な少女との援助交際(一夜)のような展開が進行するという話です。主人公にしても特に悪い人物ではなさそうで、コンプレックスを持っていてそれで少女に向かわせたのでしょう。なかなか、味のある作品でした。ただ、最初の感想でも書きましたが、説明的なのと、文章を続けて書いているので、読みにくさがあります。読み手のことを考えて、読みやすい作品創りをお願いします。サカノウエさんエピソードを具体的に描いているので、とてもわかりやすい作品になりました。また使いにくいお題をさらりとラブコメで暖かさを感じさせるところなどは、よかったです。内容につきましては、読み始めて「私ね、いい加減、森山先輩に告白したいな~って思ってるんですよ」この時点で、二人の関係はわかりましたが、話の展開のさせ方がうまいので、読んでいて楽しかったです。主人公の優しさ、そして宮子の明るいキャラクターで少しドジなところがいいですね。オチもよかったです。しんさん「胸にひそむもの」読みました。難しいお題をストレートに使い、胸の中に夢と優しさを持ってくるとは、考えましたね。話のバランスもよかったです。杏子先生との保健室でのエピソードの描き方もよかったです。杏子先生は、さすがに大人の対応ですね。竹中という少女の個性もいい感じに描かれていました。Azu さん「本音が聞きたい」読みました。なかなか、いい感じですね。面白かったです。構成がいいのかな、内容がわかりよかったです。博士が美少女で「本音をいわす薬」を研究していたんですね。主人公は「母親を助ける研究」これにコロリと騙されました。オチは予知通りに美少女の博士とご結婚。作品的には、ギャグ要素があり、楽しく読めました。▲お題:「長い話」「挙動不審」「飲み薬」▲縛り:なし▲任意お題:「おっぱい専門官」「淫乱」上記のようにお題がありますが、いくつか入っていなかったようです。まあ、ここは、参加に意味があるということで、よいということにしましょう。マルメガネさん「漢方薬の効き目」読みました。なかなか、いいですね。掌編というかSSにもってこいの作品という感じです。タツキが挙動不審に陥りそうなほど激しく苦い漢方調合薬を飲むのですが、そrが効いてくると眠れなくなる。興奮してでしょうね(笑)。たぶんあの薬でしょう。「慰めてあげようか?」キリトの言葉が悪魔的な囁きに聞こえる。そして、タツキはその薬がなんの漢方薬だったかに気が付く。ちなみに導入部でタツキがなんのために漢方薬を飲むのかを書く必要があります。それと「コウ」がどういった人物かを書く必要がありますし、「キリト」にしても、しかりです。男か女かわかりません。この作品は少し練りこむと、かなり良くなります。=======================●しん、さんご感想、ありがとうございます。・卯月 燐太郎さん題名:東京砂漠時間制限とかあるので誤字とか気にしないでいいとおもうのですが、妙に気になったので書かせていただきます。毒説→毒舌 の誤字? 意味はわかるし、わざとなのかな?●毒説→毒舌 の誤字? <<誤字でした、ご指摘ありがとうございます。中身がちょっとわかりにくいですね。精神病の男が、サソリと話すことが出来て、その精神病の一つの症状として、言葉が砂になるのかな? ラクダとサソリがいるのは、東京がこの男によって、砂漠化しているというかんじなのかな?もう少し説明がほしいところです。卯月さんにはいつも感想をいただいているので、このサイトに掲載しているものをさらっと一つよんだのですが、三題では少し力をだしきっていないようにおもえます。お題を使用しつつ、短く書くことをこころがけていないでしょうか。できれば、短く書くのではなくて、物語をつくり、物語に必要な文章であれば短く書くことをあまり考えずに書いてみて欲しいと思います。―――――――――――――――――――――>>中身がちょっとわかりにくいですね。精神病の男が、サソリと話すことが出来て、その精神病の一つの症状として、言葉が砂になるのかな?<<●「東京砂漠」ということで東京で生活している人間は精神的に追い込まれている者が多いので、愚痴とかため息とかが砂になるということです。それにより、東京は砂漠化するという話です。 >>ラクダとサソリがいるのは、東京がこの男によって、砂漠化しているというかんじなのかな?もう少し説明がほしいところです。<<●ラクダとサソリは「上野動物園」だからいるということになっていますが、この作品の元になっている私の作品では、外国の砂漠が舞台でした。今回は話を手っ取り早く東京の「上野動物園」にしました。>>卯月さんにはいつも感想をいただいているので、このサイトに掲載しているものをさらっと一つよんだのですが、三題では少し力をだしきっていないようにおもえます。お題を使用しつつ、短く書くことをこころがけていないでしょうか。できれば、短く書くのではなくて、物語をつくり、物語に必要な文章であれば短く書くことをあまり考えずに書いてみて欲しいと思います。<<●このサイトで私が投稿している作品と「即興三語小説」とは、出来がだいぶ違うでしょう。「即興三語小説」では、アイデア(発想)を中心に書いています。だから、自分の作品では、完成度の高さは求めていません。「ネタ」と「アイデア」中心で「即興三語小説」は作品を創っています。一方こちらのサイトに投稿してある作品はほとんどが、時間をかけて練り込んであるものです。わかりやすく言うと、「即興三語小説」で創ったもののアイデアとかネタを練りこんで、本投稿するわけです。あと、私は、感想をわりと真面目に書いています。特に、本投稿されているみなさんの作品は。これは、どうしてかと言うと、自分の勉強のためです。もちろんこちらの「三語即興小説」のみなさんのアイデアとかネタも勉強になります。―――――――――――――――――――――――――――――――●感想への返信(しんさんから)後半部分をぼーっと適当にかいたので、不安でしょうがなかったのですが、おもっていたよりも書けていたようでした。お題は基本いつもストレートに使っているつもりです。そうしないと、あまり自然に消化できないのですよね。短い文章で個性をかんじていただけたなら幸いです。●サカノウエさんの書いている下記につてですが、これは「お題」をこなすために作者が書いたものと私は判断しました。したがいまして、作品本来の完成度を高めるのが、目的ならば、導入部とラストはいらないと思います。>>ただ、冒頭と最後のおっぱい専門官のくだりが、おっぱいになにが詰まっているか、それが変化した事はよく伝わったのですが、真ん中の学園風景がとてもほのぼのとして、すっかり浸りこんでいたので、ちょっと急にトーンが変わった気がして、引っかかりを覚えてしまいました。<<●この場合の改善策。杏子先生との保健室でのエピソードで、「おっぱい専門官」というお題を書きこめばよいだけです。杏子先生は大人なので冗談のように主人公へ「おっぱい専門官」みたいね。と下記「A」のように言わせれば、卑猥さもなくて、すんなりと話に収まります。A>>そのあからさまな視線にきづいたようで、杏子先生は「おっぱい専門官みたいだね」と、苦笑いをする。「はぁ~全然見る目ないのね。だめよ、見た目ばかりきにしちゃ、それやってもらったんでしょ?」<<お疲れ様でした。―――――――――――――――――――――●サカノウエさんご感想ありがとうございます。>>卯月さん>>砂漠の話と思いきや実は、というところがとても好きでした。<<●この作品はすでに別サイトの「三語」で描いた物でありまして、その時は本当の砂漠が現場で。男は「不倫」の末、自殺しに砂漠に訪れていて、最後に「なっとう」を食べたいと言い残すのですが、それを聴きつけたサソリが「不倫」って、おいしいのか? とか「なっとう」とタランチュラとどちらがおいしいのか? とか男の相手をするというお話です。>>ただ、サソリの人間とはずれた思考の会話が少し掴みにくかったかな、と思いました。(どちらかと言うと、コレは私の無知と読解力のなさのせいかもしれません…;)<<●「コレは私の無知と読解力のなさのせい」いえいえ、そんなことはありません。どの程度の書き方をすれば、読み手に通じるのか「三語」でいろいろとテストしているので、少々無理な展開になっています。>>病みかけの男とサソリとの奇妙な会話がなんだかどんどん楽しくなりそうな雰囲気だったので、あっさりとそれが終わってしまって残念でした。しゃべるサソリという面白設定で、らくだ相手に話して入るのですが、やはりらくだがなんと言っているのかわからないので、男との掛け合いをするところがもっともっと読みたかったなあ、と思いました。<<●以前「三語」で書いた作品はラクダがいませんでした。ジープに男が乗って砂漠に来たという話です。今回はラクダを入れて、読み手の反応を確かめてみました。――――――――――――――――――――――***返信チャットまた感想を有難うございました。つい、オチをわかってもらえるかな?気づいてもらえるかな?という心配心でミスリードが弱くなってしまったのですが、楽しく読めたといっていただけて嬉しかったです。色々、ありがとうございました。――――――――――――――――――――サカノウエさんの作品は「暖かみ」があり、また、わかりやすかったです。難しい「お題」をうまくこなしていましたので「このやろう」と思いました(笑)。御作の「ミスリードが弱くなってしまった」と言う点は、それがわかっていても、なおかつ読み進められる面白さがありましたので、作品のレベルは高いのでしょう。お疲れ様でした。========================●zooeyさんご感想、ありがとうございます。>卯月さんサソリやラクダの醸し出す、なんというか少しやさぐれ感のある不可思議さが良いなと思いました。一方で、物語としては、少し分からない部分があって、消化不良な感じになってしまいました。そこにある含みを私が飲み込めていないのが原因のようにも思いますが。 男性だったら分かるネタだったりするんでしょうか…ただ、雰囲気で楽しむことができたので、良かったです。――――――――――――――――――――――――――――――●拙作を解説するのもなんですが、こういう話になっています。夜の店で遊びすぎた男の借金が増えて精神的にも問題を起こし、上野動物園の「ラクダの園」に入り込んだわけです。「ラクダの園」は砂漠のような作りになっています。サソリは暇さえあれば、自分が飼育されているゲージから抜け出して穴を通ってラクダの園の岩陰から顔を出してラクダと故郷の砂漠のことを話していたわけですが、「東京砂漠」という歌詞にもあるように、ある意味東京は人間の砂漠なのですよね。人間関係というか心が砂漠のようになっているということです。だけど、それをそのまま書くと一般の小説になります。私は不思議系の創作者なので、人間が愚痴やため息を吐き出すと言葉が砂になると言う発想で「東京砂漠」というタイトルにしました。「おっぱい専門官」「オッパイ・パブ」これらで男が借金するまでになったので、だったら、「そういったところは面白そう」というサソリとラクダの発想で、砂漠でのオアシスという意味にとらえています。だからサソリとラクダが、「オッパイ・パブ」に行きたいという話をしているわけです。>>男性だったら分かるネタだったりするんでしょうか…<<「東京砂漠」というタイトル通りの作品ですので、「東京砂漠」内山田洋とクール・ファイブを「YouTube」でお聴きすればわかります。歌の方は男と女の話ですが、「東京」という都会が「人間の心の砂漠」というように描かれているので、私の作品では、もう一歩突っ込んで、それならば、人間が愚痴やため息を出すたびに言葉が砂になり、東京が砂漠になるという発想です。それを東京に対して田舎(本当の砂漠の住人)のサソリとラクダが人間を相手に世間話をしているという感じですかね。ちなみに「上野動物園」には現在「ラクダ」はいません。――――――――――――――――――――――――また、ご感想もありがとうございました。猫のところ、盲点でした。私はあまり不思議系な作品を書かないし、かなりそういう作品に疎いので、指摘を受けて、なるほど、となりました。気をつけていきたいと思います。状況説明も必要ですね。また、楽しんでお読みいただけたとのことで、大変励みになりました。ありがとうございました。●zooeyさんの作品はほんの一部書き直せばよいだけのことだと思います。読みやすいし、先がどうなるかの面白さがありました。お疲れ様でした。===========================●雪国の人 さんご感想、ありがとうございました。>>卯月 燐太郎さん>>とぼけた台詞回しとシチュエーションが良かったです。男が警備員に取り押さえられたあたりから少し切ない雰囲気を感じました。サソリとのやり取りは男の妄想だったのかと思ったのですが、男が連れていかれてしまった後も変わりなく話すのですね。それでちょっと切なさよりも読み始めて最初に感じたおっとりした雰囲気が続けて感じられまして、読後感が良かったです。さっぱりとした語り口というんでしょうか。ともかく面白く読めました。<<●ある意味、人間の哀しさみたいなものを表しているかもしれませんね。サソリとラクダはあんまり世の中のことを気にしていずに、男の相手になっていたようです。>>手直しされる前の作品について、申し訳ないのですが、はっきりと「ここが違ってる」と指摘させていただけるだけの自信がないです。ごめんなさい。<<●「手直しされる前の作品」はサソリが悲劇の主人公になっている「せつな系」の話です。東京の砂はあんまり関係がありません。砂漠でナットウと不倫の話を聴いて、両方とも食べる物だと勘違いして、撮影スタッフの機材に紛れ込んで東京にやって来るが「ナットウも不倫」も口に合わずに、砂漠の夕日が沈む映像と、東京の夕日が沈む光に赤く染まりながらサソリが亡くなる、と言う話です。>>最後の部分、吐いた言葉が砂になるシーンの部分は追加された気がしています。勘違いでしたら重ねてごめんなさい!<<●よくお分かりですね、その通りです。後から追加しました。そうしないと作品の質がもうひとつだったような気がしましたので。>>東京砂漠というタイトルの描写がここでされてるのですね。言葉が砂になるというのは、男が精神的に参ってるように感じられてやっぱり切ないです。単純に「人間って、吐いた言葉が砂になるのか?」のところの「吐いた」と「砂」という文章の組み合わせからくる連想のせいかもしれないです…。<<●「人間って、吐いた言葉が砂になるのか?」もちろんこれはあの男の問題だけではなくて東京中でそういった現象が起きているというか、「人間関係が希薄」という意味を抽象的ではなくて、具体的に目に見えるように表現してみました。お疲れ様でした。========================頂いた感想は、ここで返信します。
感想と感想への返信今回は、暑さのせいか、あまり気力がわきませんので、感想いただいた方の分は読んで感想を書き、返信をしていこうとおもいます。・卯月 燐太郎さん題名:東京砂漠時間制限とかあるので誤字とか気にしないでいいとおもうのですが、妙に気になったので書かせていただきます。毒説→毒舌 の誤字? 意味はわかるし、わざとなのかな?中身がちょっとわかりにくいですね。精神病の男が、サソリと話すことが出来て、その精神病の一つの症状として、言葉が砂になるのかな? ラクダとサソリがいるのは、東京がこの男によって、砂漠化しているというかんじなのかな?もう少し説明がほしいところです。卯月さんにはいつも感想をいただいているので、このサイトに掲載しているものをさらっと一つよんだのですが、三題では少し力をだしきっていないようにおもえます。お題を使用しつつ、短く書くことをこころがけていないでしょうか。できれば、短く書くのではなくて、物語をつくり、物語に必要な文章であれば短く書くことをあまり考えずに書いてみて欲しいと思います。感想への返信>>難しいお題をストレートに使い、胸の中に夢と優しさを持ってくるとは、考えましたね。話のバランスもよかったです。杏子先生との保健室でのエピソードの描き方もよかったです。杏子先生は、さすがに大人の対応ですね。竹中という少女の個性もいい感じに描かれていました。後半部分をぼーっと適当にかいたので、不安でしょうがなかったのですが、おもっていたよりも書けていたようでした。お題は基本いつもストレートに使っているつもりです。そうしないと、あまり自然に消化できないのですよね。短い文章で個性をかんじていただけたなら幸いです。追加への返信>●サカノウエさんの書いている下記につてですが、これは「お題」をこなすために作者が書いたものと私は判断しました。したがいまして、作品本来の完成度を高めるのが、目的ならば、導入部とラストはいらないと思います。ちょっとこの部分あれですね。サカノウエさんの感想と卯月さんの感想はは関係がありません。あまり他の人の感想を見て言うのは個人的には嬉しくないです。以前あるサイトで一個感想がつくと、続く他の感想も似たようなものばかりならんだことがあります。本当によんで書いた感想が似たものになってしまったのか、よんだとしても他の人の感想をみて影響をうけたのかよくわからないです。そして導入とラストはこの作品の完成度を高めるためだけに書かれたものです。この話は最初に少年がどう思っていたのが、これをきっかけにある程度たってどういう結論にたっしたかの物語です。最初最後がなければ、メッセージ性はあるもののたんなる1シーンになってしまいます。本当は最初前後はなく、もっと長いストーリーでした。おっぱい専門官にはいりたい人物がでてきて、その人物が竹中の想い人で、竹中をおもいがけずにふり、これから二人のラブストーリーの起点にいたる物語の予定でした。書いているうちに、そこまで書く気力がなくて、端折ったので、どうにか1シーンではなくて、話として成立させるための苦肉の策でした。ついでにおっぱい専門官の語句は最初保健室にいく途中の杏子先生への執着の部分で消化予定だったので、別に苦にはしていませんでした。・zooeyさんいいですね。綺麗にまとまっています。個人的には、彼女を助けるシーンで衝動だけではなくて、何かひとつ理由がほしかったですね。お母さんが身体を売る商売をしていて重なった(お母さんは助けれなかった)とか初恋のひとと名前が一緒だとかそういうのがあると、さらにもりあがったきがします。あとこれも個人的なものかもしれませんが、ラストは彼女は実は彼が犠牲になって(自分で自分にナイフをさして刺されて逃げたとかひと芝居をうったとか)逃がして、別々になった。そして猫をみてなんとなく、ひろい、彼女の名前をつけて飼ったみたいなラストのほうがこの話なら好みかもしれません。感想への返信また、女の子の優しさも、ちょっと表層的だなと思いました。見た目か、性格かという差だけで、結局表面で人を判断しているということに変わりはない気がしてしまったり…。↑の部分がとても参考になりました。ありがたいです。わたしのなかでは、性格>見た目 なのがあたりまえで、横に移行したのではなくて、ひとつ階段をのぼった というつもりだったのですが、そういう見方もあるのですね。ひとそれぞれの見方、考え方というものは書いていくうえで非常に参考になります。いつか書いていただいていることを軸に小説を書くかもしれません。優しさに関しては難しいです。私の基準では彼女はとても優しいです。彼女は自分の損益(利益になったとしても、それを考慮しない)など一切考えずに、脳髄反射のように他人の利益になることを考えれるひとだからです。ただ裏設定で、ただ弟がいて世話やくのが当たり前のようになっているというだけなのですが。文章も展開も掌編的なものが得意な方なのかな、と思いました。あくまで個人的な意見ですが、好き勝手書いてしまってすみません。あまりわたしのなかで短編、掌編、長編という区切りはありません。掌編をかくのも長編も同じで、必ず区切りまで書き、一シーンではなく一つの話になるようにしようとします、正直みなさん、そういう意識がない方が結構いるようにおもえます。だから他の方と比べて掌編がうまく見えるのではないだろうか、と思うことがあります。個人的な意見を(感情的にではなく)好き勝手にかくのを感想というのだとおもっています。今回zooeyさんの感想はあきらかに、読んだ感想を書いているという風におもいます。こういう感想はとてもありがたいです。ただほめていただける方も嬉しいのですが、こういう感想をいただくと、新しい発見があります。ありがとうございます。・雪国の人さん正直よみにくいです。感想をかかねば、とおもって読んだのですが、二度読み返して、大体わかりました。ロボみたいなものを操作して、その状況をネットで実況したりしなかったりしているのですかね。そしてお金を払い、少女と過ごし性的ではないあたたかみを感じる。わたしはたまに言わせてもらうのですが、小説の説は説明文の説なのです。小説とは物語を言葉や文字で説明しているのですね。ある程度文章がうまくなると、長文を書ける=うまい と思うようになり、技巧を駆使して長く書こうとして、説明の意図がわからなくなるものがあります。わたしはこの作品がそうなっているように思います。感想への返信短いお話でキャラに個性を感じていただけたのは嬉しいです。最後進展については、おっしゃるとおりです。一応知り合いにはなっていて、少年は片思いに発展していますが、この時期はまだなにもありません。このあとに、彼女が好きな男がおっぱい専門官になりたくて入隊を希望してそのいざこざでやっと恋愛話に発展します。本来書く予定だった話がはしょられた悲しい話です。・サカノウエさん恋愛話はわたしの好物なので、いいかんじでよませてもらいました。いい話です。これだけしっかりできている話だと小さいことがきになってしまいました。お題の「飲み薬」の使用方法が少しだけ気になりました。わたしなら そんな薬があるのなら、どんだけ苦くて不味い飲み薬でも躊躇わずに飲んでみせる みたいな言い回しにしますかね。御作では 薬 と書くべきところを強引に飲み薬にしている感じです。ここまで書いてなんですが、あまりにうまくかけているので、もったいない だけで普通ならそれほど問題ないきがします。彼女が他の男性とのみにいくことになり、やきもきして助けにいく男の話もなんだか書いてほしいきがしてきます。感想への返信キャラに個性を感じていただけたのは大変嬉しくおもいます。前後は少しおかしかったですね。ただ、あの前後自体は必要なものなので、もっとちゃんと考えて書くべきでしたね。ありがとうございます
すみません、あまり感想が得意ではないので好き勝手言ってしまっていますが、我儘な一読者の戯言と思っていただけると幸いです…;>>卯月さん砂漠の話と思いきや実は、というところがとても好きでした。ただ、サソリの人間とはずれた思考の会話が少し掴みにくかったかな、と思いました。(どちらかと言うと、コレは私の無知と読解力のなさのせいかもしれません…;)病みかけの男とサソリとの奇妙な会話がなんだかどんどん楽しくなりそうな雰囲気だったので、あっさりとそれが終わってしまって残念でした。しゃべるサソリという面白設定で、らくだ相手に話して入るのですが、やはりらくだがなんと言っているのかわからないので、男との掛け合いをするところがもっともっと読みたかったなあ、と思いました。***返信チャットまた感想を有難うございました。つい、オチをわかってもらえるかな?気づいてもらえるかな?という心配心でミスリードが弱くなってしまったのですが、楽しく読めたといっていただけて嬉しかったです。色々、ありがとうございました。>>zooeyさん前半の主人公の鬱々というか、悶々とした日々が一転して、少女が現れてから急に開けていく雰囲気というか、空気が明るくなる感じが、凄いな、と思いました。(なんというか場の空気がぱっと変わっていく表現力というか、展開力が凄いなと)卯月さんも挙げられていますが、冒頭と後半の猫の件は私も少し「少女は実は猫?」といった誤解を感じかけました。少女との邂逅と逃亡を決心する部分がぎゅっと心を掴んで素敵なので、冒頭と締めの、主人公が置かれている状況の情報提供、特に冒頭でもっと掴み(例えば彼女のもとに帰るんだ…!的な、何故?、彼女って誰?的な疑問提供)があったらいいなと思いました。なにはともかく、少女の存在感というか、少女が登場してからの急展開がとても引き込まれて好きでした。>>雪国の人さんごめんなさい。私があまり情報量が多い話が得意ではなくて、お話を感じる前に、設定を理解しようとしてしまって上手く読めませんでした。なので、感じたままの感想なのですが、近未来的なお話のはずなのに、ハードボイルド的で、セピアやモノトーン町の渋いイメージを受けました。短編にこれだけの情報量を詰め込んでいて、貧乏性の自分としてはなんだか短編で終わらせるには勿体無い。もっともっと長くゆったりと楽しみたいなと思いました。>>しんさん主人公、杏子先生、そして竹中さんというキャラクターがとても魅力的で素敵でした。とくに、おっきなおっぱいが好きなのに、竹中さんの優しさに無意識に惹かれている主人公にニヤニヤしました。ただ、冒頭と最後のおっぱい専門官のくだりが、おっぱいになにが詰まっているか、それが変化した事はよく伝わったのですが、真ん中の学園風景がとてもほのぼのとして、すっかり浸りこんでいたので、ちょっと急にトーンが変わった気がして、引っかかりを覚えてしまいました。主人公のおっぱい大好き!でも、なんでだろう、なんか少女がきになる、と、揺れる心の動きや視線や思考がとても若くて、読んでいて甘酸っぱい気持ちになって好きでした。>>Azuさん天才美少女博士が、可愛い。ほんとうに可愛い。大人びた言葉遣いの美少女っていいですよね。美女じゃなくて美少女というところにこだわりを感じました。わざわざ薬を開発して、主人公の本音を聞きだろそうとする博士が不器用で可愛いかったです。ところで主人公を拾ったのははじめから好意を持っていたのか、それともだんだん好きになっていったのか、気になりました。>>マルメガネさん物語のワンシーンのを切り取ってきた様なかんじで、漢方薬という言葉や、カタカナの名前の登場人物から独特の雰囲気を感じました。ちょっと最後が気になる終わりかたで、つ、続きが読みたい……と思ったり。色々情報が抑えられているので、どういった経緯でお話の状況になっているのか、想像力をかき立てられました。素敵な雰囲気なので出来ればもっと長いお話で読みたいなと思いました。
今までなかなか全作品読むことができなかったのですが、今回読ませていただきましたので、簡単になってしまいますが感想を書きたいと思います。>卯月さんサソリやラクダの醸し出す、なんというか少しやさぐれ感のある不可思議さが良いなと思いました。一方で、物語としては、少し分からない部分があって、消化不良な感じになってしまいました。そこにある含みを私が飲み込めていないのが原因のようにも思いますが。 男性だったら分かるネタだったりするんでしょうか…ただ、雰囲気で楽しむことができたので、良かったです。また、ご感想もありがとうございました。猫のところ、盲点でした。私はあまり不思議系な作品を書かないし、かなりそういう作品に疎いので、指摘を受けて、なるほど、となりました。気をつけていきたいと思います。状況説明も必要ですね。また、楽しんでお読みいただけたとのことで、大変励みになりました。ありがとうございました。>雪国の人さん以前、ご当地イベントで読ませていただいたり、他にも何作か拝見している気がするのですが、お上手だなあと感じていました。今回の作品も、作り込んでいる設定や細かい描写の一つ一つに、凄いなあと感心しながら読み進めました。特に、生き物みたいな街の描写が好きでした。ただ、少し物語が設定に負けてしまっているかな、という印象も持ちました。やはり、もう少し長く読みたかったなという気がしました。短時間で、これだけ厚く書ける筆力は本当に凄いと思います。>サカノウエさん可愛らしく、温かく、とても良い作品でした。なんでもないような些細なことをちゃんと描くことで、血の通った人物像を表現できている気がします。私はばっちりミスリードされました(笑)ご感想もありがとうございました。卯月さんへのレスにも書かせていただいていますが、猫のところは全く気づいておらず…だったので、そういう展開のさせ方もあるのだという発見もありました。また、お褒め頂けてとても嬉しく思いました。描写を重ねることで、雰囲気や人物像を作り出す、という書き方が最近好きで、少しでもそんな風にできたのかなと感じることができました。ありがとうございました。>しんさん文章が読みやすく、するする進めることができました。エロいことを常に考えてしまう中高生も良いと思います。ただ、物語としてはあまり好みではありませんでした。なんというか、女性の価値を胸で判断するというのを、強引に良い話にしている、そんな印象を持ってしまったんですよね。また、女の子の優しさも、ちょっと表層的だなと思いました。見た目か、性格かという差だけで、結局表面で人を判断しているということに変わりはない気がしてしまったり…。おっぱい専門官も、なんの集団だか分かりませんでした。もう少し、人物描写に重点を置くと、私は好みではあります。これまでも、何作か拝見しているのですが、もしかしたら、こうした短編的なものより、文章も展開も掌編的なものが得意な方なのかな、と思いました。あくまで個人的な意見ですが、好き勝手書いてしまってすみません。>Azuさん実は三語の作品をちょくちょく読ませていただいていて、毎回、掌編的なプロット力がおありな方なんだな、と感じていました。今回もラストの展開で、おっ、となりました。良かったです。ただ、少しラストは全体のバランスとして間延びしてしまっているかなとも感じました。落としてさくっと終わらせた方が、私は読んでいて気持ちいいかな、と。>マルメガネさんすいません、完全にネタを理解できませんでした。たぶん、キャラクターや書き手の方と読み手が共通の認識を持っていれば、かかれていない部分が暗に伝わって、面白い作品なんだろうなと思いますが、私はこの作品の良い読者ではないのかなと思いました。何も言ってないような感想で申し訳ないです。
>>卯月 燐太郎さんとぼけた台詞回しとシチュエーションが良かったです。男が警備員に取り押さえられたあたりから少し切ない雰囲気を感じました。サソリとのやり取りは男の妄想だったのかと思ったのですが、男が連れていかれてしまった後も変わりなく話すのですね。それでちょっと切なさよりも読み始めて最初に感じたおっとりした雰囲気が続けて感じられまして、読後感が良かったです。さっぱりとした語り口というんでしょうか。ともかく面白く読めました。手直しされる前の作品について、申し訳ないのですが、はっきりと「ここが違ってる」と指摘させていただけるだけの自信がないです。ごめんなさい。最後の部分、吐いた言葉が砂になるシーンの部分は追加された気がしています。勘違いでしたら重ねてごめんなさい!東京砂漠というタイトルの描写がここでされてるのですね。言葉が砂になるというのは、男が精神的に参ってるように感じられてやっぱり切ないです。単純に「人間って、吐いた言葉が砂になるのか?」のところの「吐いた」と「砂」という文章の組み合わせからくる連想のせいかもしれないです…。>>zooeyさん専門という漢字の下りが面白く読めました。女の子のキャラクターの描写にもなってて、そこはとてもかわいいと思いました。部屋住みや小遣いのお話は「はーなるほど」と思って読みました。ネットで検索してみましたら、実際にこういう習慣というか、こういう生活をしている人がいるのですね。物事の具体的な描写が力強いというのが感じられます。語り手の青年の心情の描写等がそのままリアルの地続きになってるようです。すごく自然に読み進めることができました。面白かったです。>>サカノウエさんあとがきに書かれてる通りの、可愛い女の子が酔っぱらっていて、すごく可愛いと思いました。長いひとり語りの部分がありますけど、そこも文章が整ってまして読みやすかったです。一人称の叙述トリック的なあれだと思うのですが、私はすっかり罠にはまってしまいました。三角関係のお話かと思ってしまいました。個人的に私が百合大好き人間だから…という事情はあると思うのですが…!梅酒はおいしいですね。>>しんさん竹中さんがとても可愛くて良かったです。優しいのは良いですね。怪我の手当というシチュエーションはグッときますね。主人公が惚れてしまうのはとてもよくわかります。冒頭の秘密クラブ的なものが唐突で若干面食らったのですが、作品の最後にまた出てきて笑ってしまいました。結局この主人公は足を洗えていないんですね…。普通だったらもうちょっと竹中さんと何かあったような描写を…とちょっと思ったのですが、つまり二人の間には特に何か進展はないのか…とも思えてしまって、そこも面白かったです。>>Azuさん科学者の話や、新しい技術の話が出てきますと、個人的にはすごく興味がひかれます。美少女の話にも興味はひかれます…。頭の良いキャラクターを小説で描くのは難しいですよね。単純に「この人物は頭が良くて…」とだけ書かれていてもなかなかその小説自体の面白みにつながりづらいというイメージがあります。(私の書いたものについてはおいておきまして…えへへ)この点、Azuさんの書かれた作品の中で、語り手の青年が良い驚き役になっているのを感じました。作品内では重い内容の母親のことなども書かれているのですが、全体の印象としては強いコメディ色を感じて楽しく読むことができました。>>マルメガネさん最初に読んだときに、「キリト」という名前の人物は「コウ」という名前の人物と同じ人なのだろうかとちょっと疑ってしまいました。私も経験があるのですが、文章を書いている途中で、同じ登場人物の名前を途中から自分の中で覚え違いをしたまま書き始めてしまう…というような。私の勘違いでしたら申し訳ありません…。キリトという人物の登場がちょっと唐突であるように感じてしまいました。各キャラクターの見た目や設定を作中で示していただけるとオチが生きると思います。登場人物の人となり等をもっと知りながら物語を読みたいということでもあります。お話の流れやラストのオチは好きです。>>拙作のことです読んでいただきまして、またご批評ご感想ありがとうございます。読みづらくて大変申し訳ないです。久しぶりに小説を書きましたらテンションが上がりまして、そのまま執筆者本人だけが意味をわかるような文章を書くという悪い癖が出てしまったような気がします。ごめんなさい。もっと落ち着いて読者の方の立場に立った小説を書くのに頑張ろうと思います。