五月病――すなわち、無の境地と言える。何も考えない。たとえ目の前に荒ぶる神、もとい、顔を真っ赤にして、額に血管がぴくぴくと怒りで震える上司が立とうと関係ない。「我が社を潰す気か!」 部長は右手でパンパンと左手に持った企画書を叩く。「それもいいですね」「貴様、あれほど数字には気をつけろと口をすっぱくして、いつも言っておるだろうが!」 部長が言うには、どうやら数字の桁が一桁違っていたらしい。ゼロが多かったのだ。ゼロが。あんまり頭に血が上ると、その綺麗なおでこはさらに後退すると思うのだが――ここだけの話、部長はおでこだけは美形だ。あのつやとテリはなかなかない。あの怒りっぽい性格は、あのおでこを後退させるためにある、そういってのけたのは、社長だった。「まぁまぁ部長、そう怒らなくても。部長がしっかりチェックしてくれているから、私たちも安心して働けるってもんですよ」 そう助け舟を出したのは、課長だった。部長よりも年上。社内の孤島ともいう窓際にいる。出世コースから外れて、今では部長の緩衝材となってくれるありがたい人だ。「そうか。課長がそういうなら、いいが。とにかく、数値の間違いはすぐさま--」 課長になだめられながら部長は席に戻っていく。散々部長から指摘された新人社員は、課長があごで早く仕事に戻れと、苦笑いするのを見てようやく緊張を解く。とりあえず、部長に上がるまで誰も数値の間違いに気がつかなかったり、我が社の五月病は深刻なようだ。 ……係長の私が思うことではないのだろうが。 苦笑しながら、窓の外へ目を移す。ここからの外の眺めはそんなに悪くない。私は、仕事にはいつだって無の境地で、書類は右から左に流す。ここは社の孤島、万年五月病でも誰にも文句は言われない。ちなみに私は、部長よりも年上だったりする。ここは読書にはもってこいだ。--------------------------------------------------------------------------------●基本ルール以下のお題や縛りに沿って小説を書いてください。なお、「任意」とついているお題等については、余力があれば挑戦してみていただければ。きっちり全部使った勇者には、尊敬の視線が注がれます。たぶん。▲お題:「荒ぶる神」「赤字」「無の境地」▲縛り:「美形を登場させる」▲任意お題:「孤島」▲投稿締切:5/19(日)23:59まで ▲文字数制限:6000字以内程度▲執筆目標時間:60分以内を目安(プロットを立てたり構想を練ったりする時間は含みません) しかし、多少の逸脱はご愛嬌。とくに罰ゲーム等はありませんので、制限オーバーした場合は、その旨を作品の末尾にでも添え書きしていただければ充分です。●その他の注意事項・楽しく書きましょう。楽しく読みましょう。(最重要)・お題はそのままの形で本文中に使用してください。・感想書きは義務ではありませんが、参加された方は、遅くなってもいいので、できるだけお願いしますね。参加されない方の感想も、もちろん大歓迎です。・性的描写やシモネタ、猟奇描写などの禁止事項は特にありませんが、極端な場合は冒頭かタイトルの脇に「R18」などと添え書きしていただければ幸いです。・飛び入り大歓迎です! 一回参加したら毎週参加しないと……なんていうことはありませんので、どなた様でもぜひお気軽にご参加くださいませ。●ミーティング 毎週日曜日の21時ごろより、チャットルームの片隅をお借りして、次週のお題等を決めるミーティングを行っています。ご質問、ルール等についてのご要望もそちらで承ります。 ミーティングに参加したからといって、絶対に投稿しないといけないわけではありません。逆に、ミーティングに参加しなかったら投稿できないというわけでもありません。しかし、お題を提案する人は多いほうが楽しいですから、ぜひお気軽にご参加くださいませ。●旧・即興三語小説会場跡地 http://novelspace.bbs.fc2.com/ TCが閉鎖されていた間、ラトリーさまが用意してくださった掲示板をお借りして開催されていました。--------------------------------------------------------------------------------○過去にあった縛り・登場人物(三十代女性、子ども、消防士、一方の性別のみ、動物、同性愛者など)・舞台(季節、月面都市など)・ジャンル(SF、ファンタジー、ホラーなど)・状況・場面(キスシーンを入れる、空中のシーンを入れる、バッドエンドにするなど)・小道具(同じ小道具を三回使用、火の粉を演出に使う、料理のレシピを盛り込むなど)・文章表現・技法(オノマトペを複数回使用、色彩表現を複数回描写、過去形禁止、セリフ禁止、冒頭や末尾の文を指定、ミスリードを誘う、句読点・括弧以外の記号使用禁止など)・その他(文芸作品などの引用をする、自分が過去に書いた作品の続編など)------------------------------------------------------------------------------
軍に徴用摂取されて民間人の立ち入りは禁じられているその孤島は、かつて流刑の島だった。 太古の昔、海底火山の噴火で噴き出した溶岩が流れ出した溶岩台地の名残ともいわれ、切り立った絶壁に囲まれた平坦な島だ。見事な柱状節理が発達し規則正しい割れ目が走る岩場は石切場の痕跡をとどめ、流刑地だった時代を偲ばせる。 島の石材で整備された港には軍縮の風潮から経費が削減されているが、軍艦が一隻停泊している。 収容所だった施設もそのまま軍の建物になっていて物々しい。 荒ぶる神あるいは戦神とも称される軍人戦闘員がいて猛々しい。 その中に無の境地に達した仙人あるいは聖人のような美形の将官がいた。 彼は猛々しく雄々しい戦闘員を束ねる。分け隔てなく接するためか人望が厚い。「それにしても平和だなぁ」「そうですな」 磯釣りに出た二人の武官が退屈そうに会話をする。 赤字だの黒字だのと騒ぐ世間一般の柵はなく、非常事態が発令されない限りはまさに天国といっていいかもしれない。 さりとて、訓練をサボっているわけではない。休日なのである。「釣れるかい?」 釣り糸を垂れている武官のもとへ、美形の将官がやってきた。 慌てて敬礼してしまうのはやはり職業柄なのだろう。「そう構えなくてもいいぞ」と、将官が片方に義眼が嵌った涼やかな目を細め苦笑いする。「全く釣れないであります」 武官が答えた。そういう日もあるさ、とばかりに将官も横で釣り糸を垂れ始めた。「明日は石材を使った塹壕作りをするからな。以上」 ぼそりと将官が指示を出した。
とある大陸の遥か東方、濤を枕に幾由旬かを距てた海に孤島というべき島がある。 元来人の住めたところではない。水はなく、草木生うる能わず、あるのはただただ脈々と連なる巌のむれだ。剥きだしの岩肌へ斑痕のようにして地衣類が貼り附いている。 ――海の底から顕われた。 あるいはより説話的に「いまはむかし」のかみの頃、 ――<八度なゐふりて>大陸が揺らいだ際に<波割り><いわほの鋒[きつさき]光>らせて隆起した。 そういうふうに云われている。 荒ぶる神の顕現、来臨。それを鎮撫するために、ひとりの高僧が島へ航った。ひたむきの去私、無の境地で祈りを奉り、遂に瞋恚はおさまった。日月はその間九度廻った。舟はといえば流されていた。高僧はそのまま島にのこり、岸壁にできた洞に篭もって死ぬまでをなおも神に捧げた。のちになって島を訪れたものたちはこの洞を拡げ、石室をなし、朽ちた高僧の亡骸にあっては持ちかえり、そして手厚く葬った。 信仰はいまにも生きている。 天変地異のあるたびに――飢饉、内乱、戦役しかり――僧寺からひとりが選みだされる。何代も以前には、それは伝承どおりの高僧であったという。 いまは違う。そうではない。捧げらるべき崇高と高潔とは臆病と保身とに取って代わり、廟中のつまはじき、白眼視の対象者、はたまた手におえぬ厄介ものが海を航る。濤を越える。手足を縛られ、始終薬で眠らさせ、あらがう術なく舟に乗せられて島の石室へと置き去りにされるのだ。残されるのは木の実、真水が皮の袋にそれぞれひとつきり。それも同廟のものからではない。渡しの漁夫が供えていくのだ。朦朧としたまま岩のうえを引き摺られ棄てられた、あたらしい人身御供を鎮めるかのように。神の贄に供される供犠。おかしな話だ。 もうどこにもゆくことはできなかった。石室の中は存外広く、立つことはできぬまでも膝立ちに辺りをさぐるくらいのことはできた。入口は岩また岩の蓋で全く塞がれている。 洩れさす光もありはしない。視界は利かず、食いものとてなく、いうまでもなく渇きは癒えない。 波の音、風の音だけが絶えないでいる。 馴染みのまるでない鳥の声のするうちが昼間なのだろう。しかしそんなことがわかってなんになる。いっそ聞こえないほうがまだしも救いだ。 身じろぎするだけで躰が痛む。動く気力も起らない。 気がつくと雨が降っている。 ――岩の蓋のむこうから流れ込んでくる! 水! 石室入口の上方から、雨水がひとすじ訪うてくる。 舌をあてると、そこだけが異様なまでに滑らかだ。 (ああ、皆ここに舌をあてたのだ) さぐり盡したと思っていた終の牢獄に、こんな痕跡があったのだ。 水、水、水。雨、雨、雨。 ……以前までここにいた男のことを、思わないわけにはいかなかった。 うつくしい男だったときいている。 生まれは一切詳らかでない。 みなしごだったのを寺院が引きとって育てたのだ。 年をふり、一人前になるにつれて、うつくしく、うつくしくなりまさった。 頭がよく、高慢で、だれよりもうつくしい男。みずからのうつくしさを知悉していた。鼻にかけ、利用しながら、けれど他人のどんな愛慾からも縛られることのないようにふるまった。 ところがあまりにうつくしすぎた。 肉に耽るばかりの生臭坊主どもにとって、男は天衣無縫に過ぎた。手に入らぬものがちらつけばちらつくほど、欲しくて欲しくてたまらなくなる。あれはいったいなんだ。そもそもどうして僧などに。そうだ、おかしい、奇態なことだ。――奴は魔性に相違ない。 そうして男は流謫の身となった。 その男もこうして岩戸へ舌をあてたのだったか。 雨、雨、雨。水、水、水。 降りつづいていた雨が止んだ。 皮袋にもいくらか貯えができた。 ――たれ流しにしていた汚物の臭いが蒸した石室に充満している。 貯えなどしかしなんになる。露命を繋いで、それでどうなる。餓えと渇きとに苦しむばかりだというのに。わかっているのに……やめられなかった。 あさましい。 捨てられない。 あ、あ。雨。水。 ものを考えるも億劫だ。 すっかり盲いてしまったように思う。瞼はいま閉じているのか、開いているのか。それすらわからない。いずれにせよおなじだ。おかしなものが視えるばかり。 ぼんやりと赤い濁りのようなものが視える。暗黒のなかを、煙のごとくに漂っている。 ほんとうは赤いのかどうかもよくわからない。ほかにいいあらわすべき色の名をしらないから、仕方なしに赤いということにしておくのだ。 それがいつしか河のようになる。 大陸でいちばん大きな河だ。そこをなにかが流れていく。ような気がする。それがなにかはわからない。いつまでもいつまでも流れていく。 いつまでもいつまでも眺めている。 河はだんだんに細くなる。 細流になったと思ったら、それが何本にもぶれてみえる。目の前を何本も何本も赤い流れが流れていく。 ――じつはそれらは経文だ。流れていくのは赤い字たちだ。 赤字がなにで書かれているかは、やはりしらない。わからない。 ただ読み習ってきた経文だということだけがはっきりとわかる。 気づいた刹那、それを誦えはじめている。ほんとうに口にだしているのかはおぼつかない。ただ誦する声だけがどこかに響いている。 (誦えている)(誦えている)と思うと、それに和するようにして (あさましい)(あさましい)という念が声とはべつのところに響きはじめ、あとはふたつのことばのうち響くままに、流れつづける経文をいつまでも誦えるばかり。
無の境地 みなさん『無の境地』って知っています? 私、最近知ったんですけど、これって満ち足りているということらしいんですよ。 全く逆のイメージ持っていませんでした? でも、逆ってわけでもないんです。現在の状況を満足しているということであって、お金や物質的に満たされていなくても、それでも心が満ち足りていれば、それが『無の境地』って言うらしいですよ。 偉いお坊さんしか、到れないのかなって思ってたんですけど、そうでもないんですよ。 私は息を切らせて、廊下を走る。 時折、先生の注意の喚起を促すけど、私はそれに大声で謝罪しながら走った。 なんせ向かっているのが、職員室だから、近づくにつれて、注意は増えていくのでいちいちかまってられない。 職員室の前につくと、大きな掲示板があり、名前が貼り出してある。 名前の一番上に一つだけ、赤字で書かれているのが目当ての名前だった。 思わず歓喜の声をあげてしまう。 嬉しくて、一緒に喜ぶ相手を探して、周りを見回すと、名前の当人が近づいてきていた。「神(じん)!」 思わず駆け寄って、抱きしめたいけど、最近は嫌がるので、それはやめておく。「すごい一位だったよ! 学年でだよ!」「……知ってるよ。それより、ミキはどうだったんだよ」 貼り出す前に、本人には成績の書かれた小さな紙が配られて、本人には順位などが書かれているのだ。 神は貼り出された紙の名前を嘗め回すようにみて、「のってないぞ」 当然だ。 貼り出されているのは三十位までで。私の順位はそこまで優秀じゃない。 えへへと笑いながら、誤魔化す。「大丈夫。赤点はないし、普通だよ」「大学とか考えているのか?」 何か呆れながらいってくる。「まだ高一だよ! 大学入試とか全然わかんないよ!」「ミキはバカなんだから、今からちゃんと考えないとダメだって」 この言葉にさすがにむっときた。 ちょっと自分が勉強できるからって。 ぷんすか腕をくんで、神に背を向ける。 そこに、榊くんがいた。「やぁ、痴話喧嘩かい?」「そんなことないもん! 神が悪いんだもん!」 榊くんは同じクラスで委員長。 涼しげなイケメンで、クラスの女子の殆どが『いいよね』って褒める。「そうか、なかたがいするっていうことは、まだぼくにもチャンスはあるのかな?」 最近何故かこの調子わ私に声をかけてくる。「榊くん、いこ」「喜んで、お姫様」 そのまま神をほおって、二人で教室へと歩をむける。「お、おい、ミキ」 心配そうな神の声が聞こえてきたので、少し嬉しくなったけど、振り向いてやんない。「教室にもどるんですぅー、違うクラスの人はついてこないでくださいぃ」 嫌味な言い方をしてその場を去った。 かわいそうだったかな? 教室に戻ると、榊くんは適当に挨拶して、いつもの席について、みんなと喋る。 榊くんは女子に人気あるから、みんなが聞いてくるけど、なんでもないよと、いつも通り答えておく。 ねぇ何喋ってたの? と聞くと、「もしさ、無人島に一つだけ何か持っていけるとしたら、何を持っていく?」 船だよね。帰れるように。 絶海の孤島だから、船で帰れません。 そんなこと最初にいってよ。 携帯電話、パソコン、モバイル機器。 電波も電気もないから電池きれると動かないよ? だから、そういうことは最初にいってよ! みんなが、こういうことを喋っているのを聞きながら、考えた。 何持っていこうか。ダメ。全然わかんない。 水、食料、地図、電話帳、ガラスの仮面全巻。 みんなは次々いうけれど、私は休み時間のチャイムが鳴るまで、一つも思い浮かばなかった。 学校帰り、神と一緒に帰る。 学校で待ち伏せすると、嫌がるから、帰り道ではって、つかまえる。「お前、あの榊くんって、どうなんだ?」 あ? 気にしてくれている? 妬いてほしくて、心配してほしくて、言ってみる。「かっこいいよね」「……ああいうのが、いいのか? あまり良い評判きかないぞ」 ふーんと、曖昧に相槌をうっておく。「いいでしょ、神に、関係あるの?」 あってほしいけど素直にいえない。「関係ねーよ」「神の、バカ」 怒ったように、黙ってしまった。 それから数日後。 学校帰り、神と帰りたくて、外で待ち伏せするために、早めに下駄箱につくと、神と榊くんが連れだって、校舎の裏の方へと歩いていった。 妙な胸騒ぎがするので、後をつけた。 学校に通っていて今まで知らなかったというくらい、辺鄙な道なき道を進み、人気がなく、喋り声などが一切きこえてこないような、学校内の僻地へとたどり着く。「話ってなんだい」 榊くんがきいている。 つまり、神が呼び出したってことだ。「ミキのことなんですけど」 自分の名前をきいて、おもわずどきっとする。「ふむ」「きいたんですよ」 神のどすの聞いた声。「なにをだい?」「賭けとかのことですよ」 ふーっと息をはき、肩をすくめる榊くん。「本当に好きなら、いい。ただ賭けの対象や、もてあそぶだけなら、やめてください!」「ふんっ、きみにいわれる筋合いはないね」 この言葉に神が反応した。 一気に榊くんにつめより、襟をつかむ。 榊くんは、そんな神の行動を予想できなかったようで、凄いあせっているのがわかった。 神は、成績も学年上位の優等生。スポーツはできなくて、がり勉。 私でもそんな荒ぶる神のイメージはもっていないのだから、榊くんはなおさらだと思う。「いいですか? おれは本気ですよ。きみの言うとおり、ミキはおれのものじゃないから、言う筋合いはないから、本気で好きなら、仕方ない。ミキもまんざらじゃないようだし、でも賭けの対象や、もてあそぶだけに口説くのなら……」 神は榊くんの襟首をつかんだまま、壁にどんと背中をあてた。 榊くんがうめいた。「わかった、わかったよ……」 それからしばらく、壁にぶつけたまま、睨んでいた神は、手を離した。「約束ですよ」「大丈夫だよ。心配しなくても、おふざけだよ。かわいいし、きみにべったりだったから、あの子をなびかせれるかって言われてね。売り言葉に、買い言葉だったんだよ。でも、あまりに無理だったから、あんなにボクに無関心な子なんて初めてだったからね。思わずムキになってしまっただけだよ。ぼくの好みじゃないし、彼女は、ぼくのことなんて好きじゃないよ」 そこで、私は我にかえって、ここにいると、二人が戻るときにみつかるので、急いで逃げた。 神を校門のとこで、捕まえた。 ここで待ち伏せると、みんなに見られまくるので、神が嫌がるのだけど、今はそれでいいと思った。「神、かえろ!」 神に飛びついて、腕をからめる。「おい、みんなみてるだろ」「いいじゃん!」 口で嫌がる神だけど、決して早く歩かず、ゆっくりと私の歩調にあわせて歩いてくれる。 神の横顔をみていると、先ほどの神と榊くんとのやりとりを思い出して、幸せがあふれだして、頬がゆるんでしまうのが自分でもわかる。「なにわらってんだよ、気持ち悪いな」「気持ち悪いってなによ!」「理由なく、笑っているからきもちわるいんだよ」「理由、あるもん! ちゃんとあるもん!」「はいはい、そうですか」「ねぇ、神、勉強おしえて」「は? いいけど、突然どうした?」「今から、がんばるの」「そっか」「うん」 今なら、あの質問をされたら、答えが一つだけいえる。 無人島に一つだけもっていけるなら、神にする。神をもっていく。どんなとこでも神がいれば生きていけるけど、無神島では生きていけない。 だから、私は神と一緒にこれからもずっと生きていけるようにしようと思うの。 例えば大学とか。一緒のとこ行くためには、成績あげないといけない。だから勉強する。 神さえいれば、私は満ち足りているの。 これが私がいたった『無の境地』。――――――――――――――――――――――――――――少し言い訳をば。みなさんとは関係ない、自分のルールがあるのですが、完全に自分ルールをやぶっています。三題の言葉をこじつけのようにつかっちゃっています。自然に使えるストーリーも思いついたのですが、「ラブなもの」が書きたいということで、こじつけまくりました。無の境地は、意味は大体あってると思うのですが、彼女がいたったのは無の境地ではないでしょう。意味は検索しましたが、正直ちゃんと説明できていると感じる場所はありませんでした。言い訳でした。
軍人 俺は、船で孤島に向かっている。 休暇中、家で妻子と過ごしていると赤字の手紙で呼ばれてここに来た。 赤字は最重要案件だ。 不満を残しつつ、必要な装備をそろえて本州から来たのだ。 到着すると、若い男が歩いてくる。かなり美形だ。 早死にするんじゃないかと思ってしまった。 その男が、俺の前で立ち止まり敬礼する。「お待していました。半野准尉」「おつかれ」 挨拶だけで終わる。前線で無駄なことを話す暇は無い。 そして、長旅の疲労をいやすため、俺は――この島にあるのがとてつもなく不自然な――軍施設で休息を取る。 しかし、俺の安息はどうやら無いようだ。 けたたましい警報が鳴る。敵襲だ。 だから俺は、愛銃のSIG SG550をケースから取り出す。 まだまだ幼かった頃、父が「使いやすいから」と渡してくれた銃だ。 父はどの経路でこの銃を手にしたのかは不明だが。 しかも、特別使いやすいわけでもなかった。 でも今では、SIGは俺の手にしっかりなじんでくれる。 この銃をくれた親父は戦争で死んでしまった。 そんな回想をしている自分に驚く。普段はこんなことはないのに…… 戦場に到着する。戦闘に感情は不要だ。だから俺は、無の境地に入る。 昔、この状態で一騎当千してしまったせいで、『荒ぶる神』、『軍神』なんて言われるようになってしまった。迷惑だ。 また回想している自分を、小気味よいリズムの銃声が引きもどす。 どうやら戦闘が始まったようだ。孤島はジャングルが多い。 頭の中から必要な情報をピックアップし、戦況などを無線で確認する。 どうやら、敵は一個小隊ぐらいらしい。 散開して一対一に持っていくという、司令官の頭が悪いのか、奇襲によほどの自信でもあるのかは分からないが、まあ集団を相手するよりは楽だ。 俺は、森と同化する。訓練で俺が身に着けた気配察知法だ。 これで、奇襲なんてすぐわかる。 森の声に交じって人の気配もする。 おそらく敵だろう。俺は、大樹に身を隠しながらそっとSIGを構える。 どうやら敵は前者のようだった。 あまり経験のなさそうな兵士がきょろきょろしている。 俺は、そんな敵の頭を狙い撃ち。 銃声に気づいて、こっちを向いてももう遅い。 俺のSIGから発射された5.6mm弾が敵の脳を貫く。 敵を1人排除。銃声で気配を察知されただろう。 しかし、おそらく敵は弱いだろう思いそのまま構えて敵を待つ。 それが――慢心を生む。 背後で銃声がする。自分の体を確認すると、左の肩から血を流していた。 油断した。俺自身に舌打ちしながら急いでこの場を離脱する。 敵が追い打ちをかけてくる。動きに無駄はなかった。 一目見て熟練の兵士だとわかる。 傷は、幸い動きにあまり支障はなかった。 痛みは感じない。アドレナリンが分泌しているせいだろう。 今頃、休暇でなまった脳と体が覚醒する。 時間が延びる感覚。敵の動きが見える。 56mm弾を撃ち応戦しながら、一瞬のすきを見逃さずに何とか敵を排除することが出来た。 しかし、怪我をした。俺は、一応無線で連絡を入れておき、隠れておく。 応急処置セットも、あまり役にたたなかった。 そのあと、痛みであまり動けなかったことと、接敵しないよう気配を探り続けていたため敵には会わなかった。 無線で、敵軍を殲滅したことが伝わる。 ――戦闘終了―― 俺は、帰投して軍施設に行き応急処置を受ける。 ここは最前線だ。死ななかっただけよかったと思える。しかし油断したのは減点だ。 そのまま治療を受けた俺は、部屋に戻る道で傷の痛みに顔をしかめながら、本州にいる妻子を思い出す。 少しセンチメンタルになっているのだろうか。 俺らしくないと思いながら、妻子に気持ちを傾ける。 手紙でも書けば喜ぶだろうか。 そんなことをしたら妻が怒るだろう。「まるで遺書じゃない!」と言いながら。 俺には、不甲斐ないが妻子を喜ばせる方法が思いつかない。 だから、せめて妻子に手がいかぬようこの最前線で耐え続けようと思う。 決意を新たにする。 そして俺は、妻子の笑顔を頭に浮かべながら、また新たな闘いの日々に身を投じていく。 ――――大切な家族を守り抜くために―――― Finあとがき戦争物書いてしまいました。挑戦しました。お題「荒ぶる神」「赤字」「無の境地」縛り「美形を登場させる」任意お題「孤島」
まさに呪詛だ。腹いせに、夏子はコピー機から取りだしたA4の紙に赤字で「OL」と書いて、それをシュレッターにかけている。さっきからずっとそうしている。時間は21時を過ぎたころで、残業していた社員もいない。残っているのは夏子だけ。オフィスにシュレッターの刃が紙を裁断する音だけが響いている。何枚目? ―― 少なくとも10枚以上、夏子はOLの文字をシュレッターにかけると、ひと息ついた。「・・・帰るか」夏子が満足気にそうつぶやくと、「何してんだよ」と声がかかった。彼女はびくり、と肩を震わせて、油のきれた歯車みたいに後ろを向く。そこには主任の田中が立っていた。頬が少し赤く、ネクタイを外してボタンを緩めている。ほのかにアルコールの匂いがするところを見ると、どうやら彼は飲み会のあと、会社に戻ってきたようだ。「それは・・・私の言葉です。今日は、資材部のキックオフに呼ばれたのでは?」「行ってきたよ」「見れば分かります。聞きたいのは、」なんで戻ってきたんですか、と、その言葉は喉まで出かかって潰れた。田中が夏子のことを抱きすくめたから。夏子は瞬間的に身を強ばらせた、ぞっとするような恐怖と包みこまれる安心感、自分のそばにある田中の顔 ―― 絶望的に整っている ―― にへんな期待が。夏子はただ、まっすぐヒールの踵で田中の革靴を踏みぬいた。田中が飛びあがる。「セクハラですよ?」「思わず」そういって悪びれたふうにつぶやく田中は、何というか様になっていた。彫りの深い顔に無邪気な少年のような気配が交じる。無条件に抱擁したくなる魔性があって、「いいですね、美形は。なにやっても許されますか、そうですか。しかし、残念でした! 私はそのへんの女とは違いますから!」「ああ・・・そうだろうね」田中はそういいながら財布を取りだし ―― コンドームか! と夏子は身構え ―― 中から折りたたまれたコピー用紙を取りだした。それを丁寧に田中は広げて、少し嬉しそうに夏子に中身を見せた、瞬間、夏子は無の境地に飛びだった。もしそばに窓があったら身を投じていたかもしれない。田中の広げたコピー用紙にはイラストが描かれていた。ラフに描きながされていながら特徴をきちんと摘んでいる。アニメふうにアレンジされたその人物は、夏子の目の前で嗜虐的な笑みをうかべている田中そのひとだ。「田中ァ なにが目的だ」「敬語はどうした」「知るか。誰であろうと、それを知ってしまったからには・・・」虐げられた荒ぶる神のような邪悪な気配を発散させながら夏子は、前傾姿勢になって、じりじりと田中との距離をはかる。一撃必殺、そんな夜のオフィスに似合わない雰囲気をにじませる。「落ちつけ」「・・・」「ぼくはきみのことが気にいっているんだ」「そうやって何人のスケをヤリ捨てた」「ひとを何だと思っているんだ、お前は」「猿」「ひどいな」「私の肉体が目的か。それとも、私をいいように使いたいのか」「違うよ。何か知らないけれど、好きになっちゃたんだよ」「自分をか」「きみを」「なんだと?」「はじめは、きみは堅いだけのひとだと思っていた。今日だって、ほかのメンバーは、ぼくがいないことを理由にさっさと帰ったのに、きみだけが今日やるべきことをちゃんと残ってまでやってくれている。堅いひとだと思ったけど、それだけじゃないことが分かって、」田中は手にしたイラストをじっと見て、「かわいい、と思ったんだ。そうしたら、もう忘れられない。今日はチャンスだと思ったんだよ」「なんで?」「絶対に、きみだけが残って仕事をしている。2人っきりになれる」夏子は顔を真っ赤にした。田中はそれが夏子が恥じているのだと思って、余計に彼女のことを可愛く思った。純真なひとが好みというわけではない、好きでもないひとがつまらないことでいちいち赤面していたら、田中は煩わしく思ったに違いない。ただ、夏子はこんな時間まで残っていたのが、腹いせ、コピー用紙に「OL」と書いてシュレッターにかけていただけ、という鬱屈したような衝動のせいだったから、なんとも言えなくなって、非難するように田中をにらむことしかできなかった。「返事はすぐに、とは言えないけど、あまり待てないとも思う」そういって田中は私用の携帯を取りだし、アドレスを交換しよう、と言う。夏子は言われるがまま田中とアドレスを交換する。田中は、じゃあ、と言ってオフィスから出ていく。その顔にどこか浮かれたようなところがあって、夏子は少し見惚れてしまった。ふたたび夏子はオフィスにひとりになると、肩の荷を投げ捨てるように近くの椅子に座り、頭を抱えた。田中のことは何となくイラストに描いたぐらいだ、普段なら好きな漫画のキャラしか絵にしないのに。だから、自分が田中にどういう感情を持っているのか、夏子は分からないわけではない。夏子の口の端は知らず緩んでいた、本人は気づいていないけれど。
[120] の感想。■マルメガネさま「軍の島の休日」読みました。 「溶岩台地」と「石切場」では、もう一つ合わないような感じがしますが、いかがな物でしょうか?「明日は石材を使った」うんぬんとも、言っているし。「溶岩」と「石材」は違うでしょう。作品の中身自体は、タイトル通り「軍の島の休日」らしい雰囲気で語られていました。落ち着いた文章で部下と上官とのやりとりにも人間味がこもっていていいですね。時代背景は、はっきりとさせておいた方がいいかな。それの方が、読み手のイメージがわきますので。たぶん「太平洋戦争」だと思いましたが。>>将官が片方に義眼が嵌った涼やかな目を細め苦笑いする。<<ただの美形ではなくて、なかなかのキャラクターですね(笑)。人物も出来ているようですし。―――――――――――――――――――――――――――■「は」様。なかなかの文体でした。読んでいるうちに作品の世界観に溶け込んでいました。大陸の遥か東方にある孤島に、荒ぶる神の顕現、来臨。それを鎮撫するために高僧が島へわたり、神に祈りをささげた。その後、幾代にもわたり高僧が島にわたっていたが、今は邪魔者の僧が送られるようになったというお話で、孤島の洞穴に閉じ込められ、昼夜がわからぬ暗闇の中で生き、そして亡くなっていく。まあ、時間は鳥の鳴き声で昼か夜かはわかるらしいが、洞窟に閉じ込められた僧には、そんなことはどうでもよい事であった。この話の中で最後に送り込まれた僧は洞窟の中で赤い物を見てそれが経文の「字」が流れていることを知る。僧は経文を誦えるが、それとは別の響きが「あさましい、あさましい……」と流れてくる。御作を読んでいて、美形の僧もこの孤島に送り込まれるのだが、けっしてその僧が主人公ではなくて、孤島に送り込まれた僧たちすべてが主人公であり、最後に送り込まれた邪魔者の僧は、洞窟で赤く流れる経文を見て、それを誦えることにより、自分の仕事をするが、「あさましい、あさましい……」という別の響きが神であるならば、洞窟の僧をなんとかするも神の役目ではないかと思う。「この話はもちろんこのままでも成立します」が、話に抑揚がないので、面白さという点ではもう一つです。やはり高層などが洞窟に閉じ込められたりしたときに飢えと苦しみにお経を誦えるのを休んでいる心の隙に、邪心の神が現れて、惑わす。という展開がほしいですね。人間の欲のすべてを知り尽くした「邪心の神」がごちそうを出したり、美形の女性を出したり、財宝を出したり、名誉が手に入る約束をするとか……。それで洞窟の中の高層は誰一人として邪心の神に逆らう事が出来なかった。それで毎年、天災が世界各地で起きる、という展開にすればなるほどと思うのですけれどね。――――――――――――――――――――――――――――■しんさま 「無の境地」読みました。なかなか楽しかったですし、読みやすかったです。「ラブ」きっちりと描かれています。ただ「神」という彼が出来すぎているような感じがしますし、「神」が苦労するところも見たいですね。御作は主人公のミキを中心にしてドラマが展開しています。どちらかというと「ラブコメ」という作りです。そのなかで「神」に対抗する役目に「榊」がなるわけですが、展開がすんなりと流れてしまって、盛り上がりがもう一つだったような気もします。ここは、神と榊が二人きりになり、離れた所からミキが見ているようですが、神が榊に対してミキと遊びならやめとけという言葉に対して、榊が賭けをしたというようなことを言うのはよいのですが、彼が神に対して腕力で勝っていて「文句があるならかかってこい!」といって、神が一方的に殴られるという展開にした方がドラマとしては面白いと思います。でも、神は殴られても、痣がついても、唇を切って血が出ても、一歩も引かなかった。最後までミキに手を出すなと言い張った。それで榊が根負けした。そういった展開にすれば、「起、承、転、結」の「転」の部分で、説得力が出ると思います。無人島に持って行きたいものは「神」であり「無人島」=「無神島」というラストはよかったと思います。オチの A>>これが私がいたった『無の境地』。<<ですが、「無人島」については、クラスで何を持って行くかの伏線がありましたが、「無の境地」はまったく、それまでに伏線がないので、最後の一行で『無の境地』を出す必要はないと思いました。これをやるのなら、途中で『無の境地』についての伏線が必要でしょう。たとえば「神」が僕はいつでも「無の境地」になれる「テストとか大事な時は無の境地になって、難題を乗り越える」と前もって伏線を張っておけば、「榊」に殴られていた時は「無の境地」になっていたのかとミキが尋ねられます。ちなみに「いや、ミキのことを考えていたので無の境地になれなかった」というと、彼の、人間らしいというか彼女のことを大切に思っていることが読み手に伝わります。そしてオチで「A」をミキがいうと、話が締まります。―――――――――――――――――――――――●しんさま。追加です。 5月20日(月曜)0時45分。導入部に書かれているミキ(主人公)の『無の境地』についての意見は、説明になっています。そして次にはラストで『無の境地』に話が飛んでいるので、小説としては成り立ちにくいと思います。エピソードで『無の境地』について描かれていれば、よかったということです。――――――――――――――――――――――――――――――■Azu様 「軍人」「太平洋戦争」での孤島で敵と戦うお話ですかね。作品全体にバランスが取れていて、よかったです。導入部すぐに戦闘に入り、「だから俺は、愛銃のSIG SG550をケースから取り出す。」この辺りから敵との戦い方と言うか、文章が慣れていますね。>>「ケース」「リズム」「ピックアップ」「アドレナリン」「センチメンタル」<<この辺りの横文字は一人称の「太平洋戦争」物では、使わない方がよいでしょう。敵国語を使っているのがわかると、上官に殴られますよ。というか、太平洋戦争でのことだったら、基本は日本軍人が「普段」横文字を使うと、読み手は、違和感を覚えます。●戦闘描写以外でよかったのは、ラストの次の文章ですね。 >>俺らしくないと思いながら、妻子に気持ちを傾ける。 手紙でも書けば喜ぶだろうか。 そんなことをしたら妻が怒るだろう。「まるで遺書じゃない!」と言いながら。 俺には、不甲斐ないが妻子を喜ばせる方法が思いつかない。 だから、せめて妻子に手がいかぬようこの最前線で耐え続けようと思う。<<●「この思い」は、読み手に伝わります。――――――――――――――――――――――――――――――■toriさま 「お手つき」読みました。 なかなかドラマのある作品でした。夜のオフィスで主人公の女性が一人で残業と称して、残った時間を「A4の紙に赤字で「OL」と書いて、それをシュレッターにかけている。」まさに呪詛だ。ということで、そこから上司の男がアルコールの入った姿で現れ、セクハラされかかるが……。二人のドラマが作品にちりばめられていて、ラストは上司の男は携帯のアドレスを主人公と交換して帰っていく。主人公は自分では気が付かないが微笑を浮かべていた。気になった点A4の紙に赤字で「OL」と書いて、それをシュレッターにかけている。」まさに呪詛だ。という事ですが、枚数が十枚を超えているということから、それほどの数ではないということになります。また単に「書いている」ではなくて、ストレスが溜まっているのなら「書き殴っている」とか「OL」の赤字を細かくワードで何万、何十万とプリントアウトして、それを「シュレッターにかけている」のなら、「まさに呪詛だ」だと、感じますけれど。ところで田中が持っていたイラストの「嗜虐的な笑みをうかべている田中そのひとだ」というのは、夏子が描いた物ですか? そのあたりがはっきりと書かれていないのでわかりませんでした。また、夏子が描いた物なら、どうして田中が持っていたのか?そのあたりの理由がわかりますと、田中は「S」で夏子は「M」と言うことになるので、イメージは膨らみます。ほか「・・・帰るか」=「……帰るか」段落の書き始めは全角で一字下げる。 あたりまえですが、各段落の文頭は一字下げましょう。基本中の基本です。(ちなみに、これは感想文なのでここに書いてある文章では、私はしていません。作品ではしています)●このサイトのトップにある「一般的な文章作法」のところに、わかりやすく書いてあります。一読すると、次からは完璧です。A>>夏子はただ、まっすぐヒールの踵で田中の革靴を踏みぬいた。田中が飛びあがる。「セクハラですよ?」「思わず」そういって悪びれたふうにつぶやく田中は、何というか様になっていた。<<Aの文章、少しおかしいですね。「セクハラですよ?」をどちらが言っているのかが、わからない。「思わず」が、会話文に読めるが、会話文ではない。Bのように書くと、話は分かります。B>>夏子はただ、まっすぐヒールの踵で田中の革靴を踏みぬいた。田中が飛びあがる。「痛たぁ! ひどいことするなぁ……」思わず、悪びれたふうにつぶやく田中は、何というか様になっていた。<<作品の作りというか、構成などは問題なくて、内容もしっかりしていると思いました。面白かったです。===========================>>感想の返信<<■toriさん孤島の異聞 卯月さん>>いいですね! エロいし恐いし、ゾッとするし。短いながらに伏線も十分あって読み応えがありました。面白かったです。<<●ありがとうございます、狙い通りに読んでいただき、喜びです。■しんさん・卯月 燐太郎さん題名:孤島の異聞>>私はストーリーメインでよんでいますので。これは、私がここで初めて投稿させていただいた時に、卯月さんが書いておられた話とほぼ一緒ですね。お題が使いやすい分、前のより完成されていますが。<<>>次回作に期待です。<<●老婆の語りが似ているので、基本の形は同じかもしれませんね。ありがとうございました。●「次回作に期待です。」ほとんど、出来上がっていますが、後半手直ししないと、話がまとまらないようなので、遅くても22日までには完成品を投稿したいと思っています。ちなみに6000字近くなりそうですね。●私の作品に感想等が書かれた場合は、このレスにて、返信します。よろしくお願いします。みなさま、お疲れ様でした。
> 軍の島の休日 マルメガネさん孤島の不毛な雰囲気がよく伝わってきました。魚もなかなか釣れないのか、そういうところで釣竿を垂らす様子とか、美形な将官とか。いい雰囲気でした。> 孤島の異聞 卯月さんいいですね! エロいし恐いし、ゾッとするし。短いながらに伏線も十分あって読み応えがありました。面白かったです。> 流れる はさん固めな文面とあいまって、妖しさがすごく良かったです。誰かの死とたぶん奇跡と、それにすがる思いとか、いろいろな味がありました。> 無の境地 しんさん甘い・・・! すごく甘い。いいですね、こういう甘々なお話。ボーイ・ミーツ・ガール! といっても今作では幼馴染だからちょっと違うのかしら。ともかく、イチャラブに癒されました。> 軍人 Azuさんセンチメンタルですねー。いい感じです。なんというか流れ的に主人公無双になってもよさそうなところを慢心があって、傷つくあたりがリアリティになっていたと思います。特別に強いひとなんていない、みたいな。ハードボイルドでよかったです。> 自分の濡れ場のないレディコミのような展開・・・! エビの入っていない海老天・・・!そんなふうに思いました。文章作法は、そういえばそんなものもあったなあ、と思い出しました。ご指摘ありがとうございました。
感想・マルメガネさん題名:なしちょっとストーリーとしては中途半端でしたかね。>その中に無の境地に達した仙人あるいは聖人のような美形の将官がいた。この一文は多分、その後でてきた、美形の将官ですよね。この一文があるのに、あまり仙人や聖人のような感じではなかったので、できればここを生かしてほしいです。・卯月 燐太郎さん題名:孤島の異聞私はストーリーメインでよんでいますので。これは、私がここで初めて投稿させていただいた時に、卯月さんが書いておられた話とほぼ一緒ですね。お題が使いやすい分、前のより完成されていますが。次回作に期待です。・はさん題名:なし描写力は素晴らしいですね。私には書けないのでうらやましいです。ストーリーとしては、もっと完成させてほしいところです。>幾由旬という言葉が使われています。調べるとこれはインドで使われる長さの単位でしかも曖昧な、決まっていない距離らしいですね。作品には、その世界にあった描写があり、アメリカで距離を言えばマイル、ボクシングなどで重さをいうときにポンドなど世界観を壊さないようにします。読んでいると大陸の東の海を隔てた孤島なので、インドではないと思うので、できれば別の書き方にされる方がいいとおもわれます。もしくは、逆に日本語で書いているのだからと日本で使われる距離などの単位を使うのもいいと思います。普通ならこの『幾由旬』について意見は書かないのですが、はさん、は描写がしっかりされているので、書いた方が良いと思いました。・AZUさん題名:軍人惜しいですね。妻子とのふれあいの描写を最初か、傷をうけて寝込んでもらって、夢でみるなりしてくれると、最後が一気に気分が盛り上がると思います。・toriさん題名:なし纏まっていますね。ただ、この話の場合、彼が好きになったきっかけをそれっぽい話をつくっていれたほうが移入しやすくなるとおもわれます。――――――――――――――――――――――――――――――感想返し読んでいただいた方へ感謝いたします。さらに感想まで書いていただいた方へはさらなる感謝を。・卯月 燐太郎さんへいつも感想をありがとうございます。『転』の部分へのご意見ありがとうございます。少し描写不足ですね。それぞれ立場があるので、あそこで榊は反撃しない、できないのです。説明できなかったのは、一人称である故であり、短く書くために、大事な部分をはしょってしまって、説得力を失ってしまったようであります。気をつけます。『無の境地』についてのご指摘ですね。私の実力不足で、読者に上手く話を伝えれなかったようです。少し、最後をあっさりとしすぎたかもしれません。この話は実は、(勘違いの)無の境地へいたった過程の経験を書いているだけにすぎません。恋愛をメインにみせかけて、そういう話なんか、と笑わせようという感じですね。最後一行あけて、ね? みなさん、無の境地っていたるのは、結構簡単でしょ。とか書いたほうがよかったかな?努力いたします。感想ありがとうございました。 ・tori感想ありがとうございます。>ともかく、イチャラブに癒されました。ありがとうございます。ここらへんはお互いさまですかね。御作もたまに、ラブウウウウウウな話書きたくなりますよね? え? 私だけ?ちなみによく読みたくもなります。いい恋愛小説募集中。