Re: 即興三語小説 ―「秋風」「盆栽」「保存」― ( No.7 ) |
- 日時: 2015/09/13 00:40
- 名前: ラトリー ID:EYw2XNp.
>マルメガネさん 一作目は随筆の趣がありますね。こういう季節を織りこんだ文章がたくさん連なれば、語り手の心情もそこはかとなくうかがえる作品として力をもってきそうな気がします。 二作目は冒頭から変化球。高速で不規則飛行する盆栽の謎が何もわからないままだったのは、個人的にはちょっと心残りです。 せっかく興味深い始まりですし、わからないならわからないなりにたとえば世界中を飛び回って破壊の限りを尽くすとか、人間と結婚して子供をもうけたりとか、そういう妙ちくりんな展開があってもよかったかなと思いました。個人的な考えですが……
>お さん 論語に『仁者必有勇、勇者不必有仁(仁者は必ず勇あり、勇者は必ずしも仁あらず)』という言葉があります。 「仁徳のある人は必ず勇気をもっているが、勇気のある人が必ずしも仁徳をもつとは限らない」 勇者にしても魔王にしても、この国ではゲームアニメ漫画その他コンテンツの影響でわずかな年数のうちにいろんな意味をもつようになったと思いますが、そのおかげでキャラクターとしての使い勝手はかなり優秀なものがありそうですね。物語の流れを追いやすいつくりになっていると思います。
長めのストーリーを組み立てる上で目立ってくるのは、やはり今回だとあまり日常でもひんぱんには使われない「盆栽」。 勇者や魔王といった浸透度の高い記号に比べると浮きがちな題材と思われますので、これを物語の重要な要素に位置づけるとすればその存在にそれなりの意味をもたせる必要がありそうです。 その際、ストーリーに関わってくる発端はどうしても「老いた男性が趣味で手入れするもの」としての典型的な形になりますが、その後の展開にも要所で盆栽ならではの関わり方をしていくと独自性が出てきて面白いかなあ、なんて思ったりしました。
>自分 いわゆるサプライズをつくる時、二通りのやり方があると思っています。 「初めにささいなものとして描き、後でそれが重大な事実や出来事であったことを明らかにする」 「初めに一定のイメージを強く想起させるものとして描き、後でまったく別物のインパクトある姿を見せる」 ミスリードとしてより優秀なのは後者だと思いますが、やっぱり難しいですね。前者をある種の「逃げ」のような形で使ってしまうのは、できれば避けていきたいところです。 もしかしたら、今後もこんな風に微妙なつながりがあるかないかくらいのお話を書いてみることがあるかもしれないです。
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