No.1に対する返信 ( No.2 ) |
- 日時: 2014/01/12 01:11
- 名前: 青空 ID:3zFUcI6A
わたしは、神社の初詣で人垣を並んでいる中で、急にお腹が痛くなった。 なぜだか、とてもトイレに行きたいのだが、参拝が迫っていたため、先にお参りを済ませてしまってからトイレに行こうと思った。それほど列が長く続いていた。 賽銭箱の前にたどり着くと、鈴綱を鳴らして願かけをする。 (どうか神様、薬局の胃散を下さい) しまった! 願う内容が必然的に、腹痛に繋がる内容になってしまった。 そのときである。奥から婆さんの巫女がでてきた。彼女は低い身長で、深い皺をどこかしこに刻んでいた。赤い袴と白い羽織り、はちまきでいかにも巫女だった。 「お前さんで千人目。おめでとうございます」 怪しげな婆さんは、そう云うと、わたしに何かを手渡した。 (…………うーん;) わたしの掌には、お猪口に乗った梅肉がしがいわくありげに乗せられていた。 「さ、さあ、お若いの。一気に口に運びなされ」 (あ、あのっ、腹が痛いんですが) 他の参拝者の目があってこっちに集中している。とても、思っていたことを口に出せない。脂汗をかく。目の前がくらくらと渦が回り倒れそうになった。 もう、わけがわからず、やけくそと摩耗した感覚で一気に梅肉を飲み込んだ。 ゴクっという音が辺りに響いた。 「この梅肉は、悪いところを治してくれるのに有名でな。この間も、腹痛の人の病を治してしまったのじゃ……」 パラパラとまばらに歓声と拍手が沸き起こる。 わたしは、婆さんの話を全部聞く前に、トイレを目指して小走りをしていた。 ――すべての事なきを済ませてから思う。 (この神社ってご利益があるのか? ないのか?) 永遠に解決しない疑問が沸き起こった。
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