Re: 即興三語小説 ―三月です。出会いと分かれの季節です― ( No.1 ) |
- 日時: 2014/03/07 23:23
- 名前: しん ID:VBFmkCB.
題:よくある風景
わたしは今、机に向かい原稿用紙を睨んでいる。 推理小説を書くというのは趣味ならともかく職業となると非常にしんどい。 何かがおりてくると、さらさらと書けるものなのだけど、一度スランプに陥ると一文字もすすまない。書いたとしても駄文であるため、却下するのが常である。 集中せねばならないのだが、そう思えば思うほど、いつもは気にならない物音が気になる。上の階の住人の足音はこんなにうるさかっただろうか。廊下を歩く音というのはこんなにも響いているのだろうか。安アパートで壁が薄いからではあるが、今日はことさらそれが気になる。 ふと気が付くとわたしは自分が唸っていることに気が付いた。 少し、休憩を挟もう。 先日、友人がおいていったお酒でも飲もうかと、台所にむかい、ぎしぎしと音をたてる。なるほど、日頃は気にならないけれど、音というものは結構響くものらしい。 お酒を飲もうとつかんでみると、珍しいお酒だった。 桃花酒。 ビンごと持ち運び、原稿用紙の横にあるパソコンで調べてみると、なるほどひな祭りの日に飲むものらしい。わたしは男であることを除けば、なかなか粋なはからいとおもえなくもない。 そこでふと頭にひっかかった。 桃の花とかいて、とうか。とうか……おさけ……。 これはトリックに使える! 天啓がおりた、と感じたそのときだった。 ジャーパネットジャパネット夢のジャパネットたかた~ 隣の住人のテレビの音が妙にはっきりときこえた。 不思議なことに、さきほどおりたはずの天啓がきれいさっぱり消えてしまった。 まだまだスランプはつづくようだ。
-------------------------------------------------- ひさしぶりに書きました。 以前かかせていただいたときは、感想を書いていましたが今回は書きません。 艦これ にはまっていました。 では。
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