もういちど加川文一 ( No.46 ) |
- 日時: 2012/11/17 07:54
- 名前: うんこ太郎 ID:nq2zv9nM
前に一度加川文一の詩をとりあげましたが、今回は別の詩を。これは加川が日本語で書いた詩です。この詩はロサンジェルスの小東京(リトルトーキョー)で詩碑となっています。 たった149人の日本人がハワイへと移民したのは1868年のことでした。戦争時に強制収用所に入った日系人は約12万人といわれています。1990年のアメリカ国勢調査では、日系人の人口は85万人とされました。 英文に吾れの思ひは綴り得ず子に書く文の焦点あはず
英文で表現できない想い、英文では綴ることのできない想い、そのような想いが、日本語の詩になっていったのでしょうか。
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海は光れり
- 貧しさを時に嘆けど吾が世帯こまごまと物のふえてゆくなり(桐田しづ) 丘より見ゆる海は青し 夏が畑につくりし 胡瓜のごとき色を にがく走らせたり
海はひねもす わが乾ける瞳を刺し
われは此処に住みて はや四年(よとせ)となりし わが生活はまづしけれど まづしさも己のものぞと 一筋にがき海に向かひて 語りきたれる
妻よ 今日も海は光れり 人の住む陸を抱きて するどく海は光れり
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MASAYUKI ARAIさんの英語訳
Seen from the hills, the sea is green A color like the cucumbers we grew in the summer Running to bitterness.
All the day long, the sea stabs at my dry pupils
We have lived here for four years alreday Our life is poor But the poverty, too, belong to me I have come to tell myself Facing straight toward the bitter sea
My wife, The sea shines today also Embracing th land in which man lives The sea shines keenly.
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