Yone Noguchi ( No.27 ) |
- 日時: 2012/03/12 11:56
- 名前: うんこ太郎 ID:UlbE434g
今回は野口米次郎(Yone Noguchi)の詩を訳してみました。 野口は彫刻家のイサムノグチの父親です。移民ではありませんが、 19歳で渡米し、英語で詩を書いて発表しています。 日本に生まれた詩人としては、世界ではじめて英語で詩を発表した人で、 野口の英詩はエズラパウンドや西脇順三郎にも影響をあたえました。 パウンドによって糊と鋏で編集されたと言われるエリオットの荒地が、 やがては田村隆一や鮎川信夫といった日本の戦後詩人たちに影響をあたえたことを思うと、 詩の歴史というのもなかなかおもしろいなあ、と思います。 野口米次郎はしっかりと詩の歴史に足跡を残したのだと思います。 ちなみにここで訳してみた詩人という作品は不思議な作品だと思いますが、 これが野口の詩人の理想だったのでしょうか…。本人の和訳もあるのかな、気になるところです。
詩人
とびだしてくる、深くて暗く かがやく謎から、かたちが 完全なものが 日の光を掻き回すようにしてやって来る 馥郁の息を吐き 星へつづく道を目に宿して 顔には微風が吹いている 夜空のかがやきを背負い 宙に舞う映像のごとく歩む 永遠の情熱を撒き散らしながら 彼の住処は暁の光だ 夕闇の音楽は彼の演説である 彼の目により世界をのぞき ひとは塵の墓標に背を向け 森へ向かって歩き出す
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The Poet BY YONE NOGUCHI
Out of the deep and the dark, A sparkling mystery, a shape, Something perfect, Comes like the stir of the day: One whose breath is an odor, Whose eyes show the road to stars, The breeze in his face, The glory of heaven on his back. He steps like a vision hung in air, Diffusing the passion of eternity; His abode is the sunlight of morn, The music of eve his speech: In his sight, One shall turn from the dust of the grave, And move upward to the woodland.
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