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RSSフィード [18] 意訳詩
   
日時: 2011/10/31 12:06
名前: 闇の吟遊詩人(闇雅人) ID:Ru30e.qY

昔、私がTCの常連だったころ、管理人の闇さんに提案して拒否された企画(苦笑)。裏でやるならいいでしょう。参加は自由です。ちなみに「外国の詩」を「教科書的に直訳」せず、「意訳して日本語の詩」にする「意訳詩」というジャンルはあります。上田敏の『海潮音』や、佐藤春夫の『玉笛譜』などがその例です。

なお、TCから離れるにあたり、私の記事は全て削除しておきます。私の企画で孤軍奮闘してくれた「うんこ太郎さん」の応援のために「一時的に」投稿したランボーの詩も削除します。では、失礼致します。もう二度とここへは来ません。

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西瓜へ捧げる詩 ( No.13 )
   
日時: 2011/11/06 07:41
名前: うんこ太郎 ID:nPu1YMN6

闇雅人様、お気遣いをありがとうございます。私は自身の慰めに投稿させていただいているので、孤軍奮闘というよりも楽しませていただいています(^^;。
ばたばたしておりじっくり読むことができなかったのですが、もし良かったら是非またランボーの詩をご投稿ください。
闇雅人様の訳詩は、私のように適当ではなく、大分しっかりとしたもののように感じました。

なんだかとても嬉しかったです。ありがとうございます!

※ ※ ※

今回はせっかくだから私の好きな「西瓜に捧げる詩」(パブロ・ネルーダ)を翻訳してみました。Robert Blyの英訳から。

Ode to the Watermelon
西瓜に捧げる詩

まなざしあおく
夏、
硬く、
木々は
空に繁る
黄色い太陽から
こぼれる剣
ハイウェイの上で
靴が焦げる
夏、
街にのしかかるのは
眩しい世界!

瞼を打つ
黄金の打撃は
砂塵
茨のとげと
熱い石が
両足を刺す
乾いてゆく
のど、歯
くちびる、舌
飲み干したい
滝を、暗く青い夜を
南極を!

そして
冷たい
惑星が空を横切る
それは
まるく、雄大で
星のつまった西瓜
乾きの木に
実るくだもの
夏の、
緑いろの鯨
乾いた宇宙
突然
暗い星は
天球に冷たく
かがやく

膨らむ果実を
降ろそう
まるい半球を開けば
みどり、しろ、あか、
スライスされた
色とりどりの
断面が
溶けてまじってゆく
ワイルドな川へと、
砂糖の川へと
このよろこび!

水の宝石箱、
冷淡な
果物の女王、
深遠の倉庫
地上の月
太陽
なんという純粋さ
豊かな果肉からは
ルビーが
零れ落ちる

わたしたちは
あなたを噛み
あなたに
顔も
髪の毛も
なにもかも
うずめてしまう
魂すら!

豊かな
果実をうめる
鉱山は
しかし
われわれの
望みと
歯に砕かれ
冷たい光へと変わり
湧きあがる水になり
やがて
わたしたちに
やさしく触れて歌う

だから
あなたは
オーブンのように熱い
昼寝の時間には
もういない
あなたはただ
過ぎ去るだけ
あなたの心、冷たい琥珀は
一滴の水へと
変わった



‡‡ ‡‡ ‡‡



The tree of intense
summer,
hard,
is all blue sky,
yellow sun,
fatigue in drops,
a sword
above the highways,
a scorched shoe
in the cities:
the brightness and the world
weigh us down,
hit us
in the eyes
with clouds of dust,
with sudden golden blows,
they torture
our feet
with tiny thorns,
with hot stones,
and the mouth
suffers
more than all the toes:
the throat
becomes thirsty,
the teeth,
the lips, the tounge:
we want to drink
waterfalls,
the dark blue night,
the South Pole,
and then
the coolest of all
the planets crosses
the sky,
the round, magnificent,
star-filled watermelon.
It's a fruit from the thirst-tree.
It's the green whale of the summer.
The dry universe
all at once
given dark stars
by this firmament of coolness
lets the swelling
fruit
come down:
its hemispheres open
showing a flag
green, white, red,
that dissolves into
wild rivers, sugar,
delight!
Jewel box of water, phlegmatic
queen
of the fruitshops,
warehouse
of profundity, moon
on earth!
You are pure,
rubies fall apart
in your abundance,
and we
want
to bite into you,
to bury our
face
in you, and
our hair, and
the soul!
When we're thirsty
we glimpse you
like
a mine or a mountain
of fantastic food,
but
among our longings and our teeth
you change
simply
into cool light
that slips in turn into
spring water
that touched us once
singing.
And that is why
you don't weigh us down
in the siesta hour
that's like an oven,
you don't weigh us down,
you just
go by
and your heart, some cold ember,
turned itself into a single
drop of water.

(translated by Robert Bly)

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