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RSSフィード [18] 山場を越えた道行は収束にむかい。とかいいつつ、三語。
   
日時: 2011/03/07 22:19
名前: 片桐秀和 ID:atKaeYS2

今回のお題。
「綿毛」「紅い」「境界線」
まあ、だいたい一時間後が投稿しめきりです。
なんとか完結を目指しましょう。

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不死鳥を探して。 ( No.4 )
   
日時: 2011/03/07 23:30
名前: ウィル ID:W0vKNFtU

 幸せの綿毛を探しに行った少年の話。
 少年は、綿毛を探しに行った。
 といっても、普通の綿毛ではない。
 不死鳥が落とすという紅の綿毛。
 不死鳥というのは、炎の鳥で、この世とあの世の境界線なんてとっぱらっちゃうくらい凄い鳥。その尾羽さえあれば死者をよみがえらせることができるという。
 でも、少年は死者をよみがえらせることになんて興味はないし、綿毛くらいあれば十分だと思って旅に出た。
 それから十年後。
 少年は青年と呼べるくらいのときになり、ふと気付いた。
 不死鳥は再生の鳥だから、綿毛がぬけても再生しちゃうんじゃないのかな。
 じゃあ、不死鳥の綿毛は永遠に生え続けるわけだから、世界は不死鳥の綿毛だらけじゃないのかな。
 そんなことを考えていると、彼は不死鳥のいる島をようやく見つけた。
 そして、その島は、不死鳥の綿毛でいっぱいだった。
 青年は歓喜した。
 そして、絶望した。

 こんなに綿毛があるとすると世界は、何百年後、何千年後、もしくは何万年後かには不死鳥の綿毛で覆い尽くされてしまうのでは
ないかと。
 青年には関係のない話だけど、未来が怖かった。
 でも、不死鳥の羽を燃やしても、再生してしまう。だって、不死鳥なんだし。
 
 まぁ、青年には関係のない話だから、とりあえず売れるだけの羽を持って、彼は島を後にした。

 どうせ、彼もいつか死ぬんだし。

 あ、でも不死鳥の羽があれば死なないのかな?
 じゃあ、やっぱり綿毛を売ろう。

 人間は死ぬから楽しいんだと、改めて思ったよ。

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