空腹の魔法 ( No.7 ) |
- 日時: 2011/01/31 00:20
- 名前: 千坂葵 ID:GbdoOcmc
滴る水は、水晶。水晶が飾られた林檎は、ガーネット。 それは、銀貨一枚の果物が、宝石と等号で結ばれていた瞬間でした。 シャリッ。不釣り合いな星と星の繋ぎ目を、その美しさを、一口だけ、派手にかじりついてみると。 そこから溢れ出したのは、人の血ではなく、ただの私の物思い、でした。
“人は中身だ。”と、私の口の中の異物が唱えます。 その言葉は、私が口癖のように、日頃ぼやいているものでした。 “内面の美しさが、外見の美しさを呼び覚ますのです。それだけは覚えていてください” 整形外科に来る女性に、医者である私が必ず言う言葉。 ――――だったはずなのに。一体どうしたことでしょう。誰よりもその言葉の意味を、自負していたはずなのに。 その瞬間、所詮私は、外見の美に囚われていた人間であることを悟りました。
小説に必要なもの→起承転結 三語に必要なもの→無茶ぶりをやりきるドM精神
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