あなたなあなた ( No.4 ) |
- 日時: 2011/04/10 18:24
- 名前: 弥田 ID:sEdlNfjo
蹴り上げた石の内に 眠るあなたを見た。 やすらかな目尻にうっすら 涙がたまって玉となって まるで子猫の卵のように ころころ可愛くまるまっている。
吹き渡る向かい風に 煙(けぶ)るあしたを聴いた。 夜の次にはいつだって 黄金の太陽が昇ることだろう あなたがそれを信じているから 私もそれを信じているのだ。
寄せて返す波の運動に めくるめく痘痕(あばた)を認めた。 見よ彼の容貌を 総毛立つような醜さを そのちいさな瞳に映った 私を見つめる私を見つめる。
原子の核のそのまた核に 無数の無限の卵があった。 その身ひとつに万象はらんで ゆえになりえぬ万象うらやむ 矛盾の夢想の卵があった。 あなたのあなたのあなたのあなたの あなたのあなたのあなたのあなた。 無数の無限の矛盾の夢想の あなたのあなたのあなたのあなたの まるい、まなざし。
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