夜更けの三語SHOW♪ ( No.3 ) |
- 日時: 2011/11/07 00:48
- 名前: tanaka ID:TRpI9nSU
お題は、「冷たい風」「バッハ」「肉まん」です。
些細な事で彼は彼女と口論になった。 一言で言えば、音楽性の不一致。二言目を当てるなら、価値観の違いとも言える。 「音楽の父とも言えるバッハ、クラシックは唯一無比の音楽よ、現代人も魅了するんだから、聞いた人は素直に感動するわ」 「クラシックは確かにいいけど、所詮は過去の遺物だよ」 「ひどい、どうしてそんな事が言えるわけ? 過去の偉大な作曲者達を愚弄するのね」 「愚弄するわけじゃないけど、過去ではそれが限界って事だね」 「よく分からないけど、ちゃんと説明出来るの? 寒いから窓閉めて」 「ハイ」 こたつから出て窓を閉める彼。冷たい風は無くなった。よっこいしょとこたつに戻り。 「そうだね、簡単に説明すると、この現時点でも、音楽は進化し続けているよね、音楽と言うよりも、機材だね、過去には電気がなかったってのは一目瞭然だよね」 「当たり前でしょ」 「僕が思うにそれが凄く勿体無いと思うんだ、確かにクラシックは素晴らしい、だけど、偉大な作曲者達に、今の最高の機材を使って貰ったらどうなるんだとね」 「それは… 所詮は空想よ」 「空想と言われればそれまでだけど、今やパソコンで打ちこめば、子供でも音が出せる。思うに、偉大な作曲者達は、人が演奏出来る範囲でしか曲が作れなかったと思うんだ。過去の時点では最高でも、現代ならって、そう思わない?」 「思わない」 「イテッ」 彼の足を蹴り、ぱくりと肉まんを頬張る彼女、いつもの会話、結局結論は出ない。今日は音楽の口論、昨日は映画の口論、こたつに入って肉まんを頬張ると、全てはどうでもいい話題になってしまう。 「肉まんも飽きたから、明日はおでんがいいな」 そんな二人のこたつでの会話。
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