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RSSフィード [36] 金田家小説!
   
日時: 2011/09/02 22:04
名前: 片桐秀和 ID:BO2fx.UY

説明しよう。金田家とは、チャットで適当に設定された架空一家である、
これから12時までに、六人家族の誰かを主人公とした小説を書き上げるのである。
設定の抜け落ちた部分は各人が補完するのである。
設定としてどうしても使えないものは、取捨選択しても問題ないのである。
唯一の縛りは、六人(謎のペットを含む)が、どういう形でもいいので作品内に登場すること、である。
以上だ。健闘を祈るのである、


金田家家族構成

祖父 熔(とける)
父 冷(ひえる) 58歳
母 鎮(しずめ)
息子 蹴     11歳
娘  舞      17歳
ペット オリザノール

設定

成金一家。
東京世田谷区の一軒家に住んでいる。
金田家は鉄工所を営んでいる
祖父の熔は本気で錬金術をやろうとしたことがある
祖父の熔は隻腕(片腕だけ)。
祖父はタバコ好き。(エコーを吸う)
父親はまるいものに目が無い。
息子の蹴は金工作家を目指している
息子はスパイクの針フェチ
舞ちゃんはじつはもらわれっ子で血がつながっていない
オリザノール → 関西人でマイナス思考でストレスが極限に達すると首がもげる
しずめさんはお金持ちの家の生まれだがひえる父さんと駆け落ちして家を飛び出した

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おそらくかえれない ( No.2 )
   
日時: 2011/09/02 23:56
名前: 端崎 ID:nsgI3txM

 部屋にいる。北向きの小窓からはゆるく空気が出入りしている。
 あけっぱなしにしたドアのほうから転がってきた父が出かけるのか、というので出かけることに決めて、うんという。
 ベッドから起きあがる。抱いていたクッションに未練を残しながらも、起きあがって、部屋着から着替える。その辺に転がったままの父は部屋の外へ蹴りだしておいた。「親に足をつかうもんじゃない」と怒られたが、怒る声がアルミ缶のころがる音にまじってふぉんふぉん途絶えたりするのがすこしおもしろかった。
 するかしないかの化粧をして部屋を出る。階段をおりる。かぞえてみると十一段あって、オリザノールの機嫌もわるくないらしい。なにかと落ち込みがちの家なのでこのまえの水曜なども朝食を食べるために五十段も六十段も降りることになった。学校にも遅刻した。いま世田谷に腰を落ちつけているが、いつまたどこへか流れてゆくかもわからない。ちかごろ住宅街は住みやすいとようやく気がついたらしく、ほうぼうをにょきにょき歩きまわることも減り、ここには半年近くいる。
 おじいさんが拾ってきたというこのおおきすぎるペットは弟にずいぶんなついていて、軒先からぶらさげたタオルで、帰ってきた蹴のクラブヘッドを毎日たんねんに拭いてやっている。おかげで寝室で眠るときゴルフケースのなかへ潜り込んだ彼の頭がやけにぼうっとかがやいて気に障ったりもするのだ。ケースのチャックを閉めてよとおねがいしたこともあるが、それでは寝つかれないとぐずるのでしかたなく我慢している。
 土間でサンダルの留め具を嵌めていると右の人差し指から声があがった。爪のあいだから母が出てきて「ごめんなさい」という。「おでかけするのね」
「うん、ちょっとその辺歩いてくる」
 お夕飯までには帰ってきなさいね、といって母はぞるぞると肉のハリガネみたいな身体をくねらせて台所へむかっていった。わかった、といって外へ出る。日射しもやややわらいでいて、あまり汗をかかずにすみそうだった。
 家の前に渡された橋をとおって駅のほうへ出る。川を三つほど越えると右手にはずうっと堤防が続いた道があり、その先がようちゃんの家だ。左にすすむと高津の駅がある。右手へ川をさかのぼると、どこへいくのだったか。武蔵野辺りの小川が流れてきているのだとだれかにきいた気がする。いったこともないのでわからないが、むかし小説に書かれたところだというので、ほんのすこしだけ気になっている。
 電車をつかってそこまでいく算段をする。しながら、さしあたっては流れにそってくだっていく。
 サンダルの裏にアスファルトが硬い。
 夕飯までには、どうだろうか、おそらく帰れない。

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