さぁ、やってまいりました。突発三語でございます。今回は・「主人公が二股かける(またはかけられている)」「一人死ぬ」「時間軸を交錯させる」の三つの縛りから一つを使う・「煙突」「雪国」「うつむきがち」「楽譜」「凝縮」のお題五つから三つを使う・「心中天網島」「川端康成」「舞姫」「ストーカー」「夜更かし」のお題を任意で使う以上三項目を使って90分間で作品を投稿してください。締め切りは17時半。皆さん頑張りましょー。
ほの白い煙が、煙突からかすかにたなびいている。もくもくと湧き上がるのかと思ったら、ぼんやりと風に流されて、すぐに消えてゆく。ぼくはそれを凝っと見つめている。青い空。さっきまでは、しんしんと雪が降り続けていた。いまはそれが嘘のような快晴。雲はもう山の向こう、どこかに隠れて。 空の、高いところを黒い小さな影がよぎり、ふいに吹きつける風に電線がたわみ、雪が落ちる。それを見つめながら、ぼくは自分にくりかえし、同じことを話しかけている。あなたがもういないんだってこと、言いきかせようとしている。 あの白い煙があなたで、笑ったり泣いたり急に怒り出したり、いつでも表情がくるくると変わるあなたの顔はもうどこにもないし、嬉しくなると衝動にまかせて飛びついてくるしなやかな腕もどこにもないし、アスファルトを蹴って弾かれるように駆け出す瞬間の、あのみごとなふくらはぎのラインを見ることもできないんだって、そんなことを、ひとつずつ自分に言いきかせながら、だけどそのどれもちっとも現実的じゃなくて、あなたは明日の朝になればけろっとして笑いながら顔を出すような気がするし、照れくさそうな顔で「心配した?」なんて小突いてくるような気がするし、明日からも研究室に泊り込んでいれば、夜中にひょいと現れて、差し入れのお握りなんか置いていきそうな気がしている。そんなわけないんだって、いくら言っても、ぼくのこの飲み込みのわるい脳ミソは、あなたがいないってことを理解できそうにない。 だって、嘘でしょう。 葬儀のあいだずっと、そんな言葉を口の中で転がしていたつもりだったけれど、いつの間にかそれは口から外に零れ落ちていたらしくて、目を真っ赤にした外崎が嘘じゃない、嘘じゃないんだって、何度もくりかえし呻きながら、ぼくの肩を揺すっていた。よせよといって、外崎を引きはがした手は、誰のものだったんだろう。思い出せない。外崎は座り込んで、声を張り上げて泣きわめいて、ああ、あいつもあなたのことが好きだったんだなって、鈍いぼくはようやくそのことを知って、だけど、だって、 嘘でしょう。 連休ちょっと実家に顔出してくるねって、そういって帰省したあなたは、明日の昼にはみんなにお土産の蕎麦を買ってくるはずで、ぼくらはそれを夜、研究室に昔から誰かがおいている大鍋でまとめてゆがいて囲むはずで、そこに誰かがいつの間にか持ち込んだ焼酎瓶なんかが転がっているはずで、あなたは上機嫌に酔っ払ってまた誰かに迷惑をかけているはずだった。 だから、こんなのはぜんぶ嘘だ。信州の端の、誰もいままできたこともないような町の催事場に、ぼくらが雁首を揃えていて、似合いもしない喪服を着こんで阿呆のように突っ立っているのも、東京の空とは似ても似つかないあの高い空にぼんやりと霞んでいく煙があなただなんてことも、そんなことはぜんぶ嘘のはずだ。 だって足元はなんだかふわふわしているし、さっきまであんなに吹雪いていた空が、こんなにあっという間に晴れ上がって蒼く冴え渡っているはずなんてないし、あなたがもういないのに、こんなに普通に朝がやってくるはずなんて、もっとない。空は平和に晴れ渡っているし、向こうの山は雪をかぶって眩しいくらいに光を弾いているし、どこか近所の工事現場からは、呑気な掛け声なんて響いているし、煙突から立ち上る煙は、なんだかあいまいにぼんやりしているし。 人間、死んだら煙になっちゃうんだよねって、そういえばあなたはいつかそんなことをいった。研究室の窓から顔を突き出して、春風に前髪を揺らしながら。薬剤の染みのとれない白衣はくしゃくしゃで、あなたはアイロンなんて面倒くさいっていってはばからなくて、そのずぼらなところは何年も前からずっとなおらなくて、だから三日前に研究室であったときにも、やっぱりしわくちゃだった。 土に埋められて、腐って樹の養分になるほうが、なんとなく素敵な気がするけれど、いまの日本に生まれたふつうのひとは、最後は煙になっちゃうんだよねって、いつもとかわらないのんびりした調子で、あなたは言った。だけど、大気中に散った二酸化炭素は、そのへんの草木に吸収されて、光を浴びて酸素にうまれかわって、結局はみんなの肺に戻ってくるんだよねって、そういったのもあなただった。植物の栄養になって、どこかの鳥か動物に食べられて、それがみんなの口に入るのと、それは結局同じことなんだよねって、あなたがそういったら、外崎は賢すぎて馬鹿だから、ひとりの人間が死んだあとにその体の一部が、やがて循環して身内の人間の体に戻ってくる確率を、おおまじめに概算しはじめた。鳥の渡りの分布がどうとか、上空の気流がどうとか。土に埋められてだんだん腐っていった場合と、燃やされて空気中に散っていった場合と、外崎の計算では、結局どちらのほうが見込みが大きいんだったっけ? もう思い出せない。 その外崎はいま、ぼんやりとした表情で、空を見上げている。もしかしたらいま、外崎はぼくと同じことを思い出しているのかもしれない。その口が半開きになっていて、ただでさえ鼻の下の長い顔が、ますます阿呆面になっているけれど、誰もそれを笑わない。あなたがこの場にいれば、真っ先に指さして笑うだろうに、ねえ、どうしてここにいないのって、ぼくはそればっかり考えている。 ねえ、嘘だよね。 ふっと周りを見渡せば、外崎以外はみんな煙から目を逸らし、目を腫らして、うつむきがちにしていた。まだ泣いている子もいる。ハンカチを顔に押し当てて、じっと肩を震わせているあの子は、ああ、なんていう名前だったっけ。たしかあなたと、同じ高校だったんじゃないかな。いっしょにランチをしているところを、何度か見かけたような気がするのだけれど。 だけどなんで泣いているんだろう。あなたがもうどこにもいないんだって、みんなそんな馬鹿なこと、ほんとうに信じているんだろうか? 亡骸も見ていないっていうのに? あんな古い写真の遺影一枚で、どうしてそんな馬鹿な話を信じられるっていうんだろう? あなたがもし、帰省中に交通事故に巻き込まれたっていうなら、ぼくだって信じたかもしれない。もしあなたが助からない病気で、みんなにそのことを隠していたんだっていわれても、なんとか信じようとするかもしれない。 だけど、ねえ、嘘でしょう? 死にたいほど辛いことがあったのに、ぼくらの誰にもいわなかったなんて、ちっとも悟らせなかっただなんて、そんなはずがない。ねえ、そうでしょう。あなたがそんな器用だったなんて、悪いけれど、ちっとも信じられないし。 死んだら人は煙になるんだよねなんて、あんなに呑気な調子で、いつもとちっとも変わらないのんびりした顔でいっておいて、ずっと前に交わしたそれっぽっちの会話が予兆だなんて、そんなのってないでしょう。あの頃からずっと死を考えていたんじゃないかなんて、そんなふうに思えっていうほうが、無茶な話だって。ねえ、あなたもそう思うでしょう。 煙は止まりかけている。それに気がついた外崎が、ううっと嗚咽を漏らす。あれはあなたの体が燃え尽きたんだって、頭の片隅でそういう声がする。もう半分のぼくは、そんなわけないよって、あれは誰か別の人に違いないって考えている。だってぼくは、あなたの顔をみていない。棺の中は誰にも見せてもらえなかった。 誰かが遠くから、何か呼びかけている。皆がぞろぞろと歩き出す。外崎の肩を誰かが支えてやっている。呼ばれた先に何が待っているのかわからないまま、ぼくは皆のあとに続いて歩く。足元はもう雪も溶けているのに、やっぱりふわふわしていて、もう一度顔を上げると煙はすっかり消えていて、空は高くて。鳥が鋭い軌跡を残して飛んでいく。上空は風が強いんだろうか、とぎれとぎれに流れていく雲の動きが、やけに早くて。 ねえ、嘘でしょう。----------------------------------------「煙突」「雪国」「うつむきがち」を使用。縛りは「一人死ぬ」で。
あなたを愛していないわけではないのよ、としずかは言った。いつもうつむきがちの顔は、まっすぐこちらを向いている。「でも、あいつのことも愛しているわけだ」 俺の非難の言葉に、困惑したように眉を顰める。その柔らかで自然な眉の線も、伏し気味のまつげの長さも、いつものしずかだった。雪国に生まれて、日の光にも強い風にも当らず、ひっそりと静かに育まれたような、優しげで清潔な印象の女。俺のものだと信じていた、しずか。 皺一つない首を僅かにかしげ、しずかは言う。「あの人には、私が必要なの」 その言葉を聴いた途端、俺は不意に、何もかもが馬鹿馬鹿しくなった。しずかのことも、そのしずかを必要だという男のことも、しずかに惚れていた俺のことも、もっと言えば、「愛」という、正体のわからない、けれどすっかり声になじんだ言葉のことも。何もかもが。 しずかはじっと目を見張り、こちらの出方を伺っている。黒い、瞳。俺の考えからはみ出した、「必要」とか「愛」とか、そういうものを凝縮して作った黒い石のような、しずかの瞳。俺はこの女の、この目に惚れたのだった。底の見えない、俺には理解のできないこの瞳に。 俺は得たいのしれない衝動に駆られて、しずかの白い、丸い頬に、手を伸ばす。しずかは目を伏せ、そっと俺の手のひらに、頬を沿わす。そのあまりの柔らかさに、ほとんど恐怖に似た欲望で、しずかの体を抱きしめた。※できたよー!
煙突から吹き上がる煙はもくもくと確かな輪郭を持っていた。町外れの製鉄工場。ごううおおおお……、ごううおおおお……、と低いノイズのような轟きが、風に乗って僕らのもとへと運ばれてくる。まるで世界の果てに眠る竜のいびきの残響のように……。「あの煙がさ」 と隣を歩く少女は言った。彼女は生まれつきの金髪をきんきら陽に反射させ、毛先は溶け込んで光みたいだった。「あの煙が、雲になるんだ、ってむかし、ほんきで信じてた。きみはどう?」 真っ白な煙は、風にあおられながら天にまで届く勢いでたかくたかく屹立している。なるほど、あれが雲に、と、そう思えばなかなか愉快な心地だった。「逆に聞くけれど」 と僕は言った。「いまは、どういう仕組みかわかってるのかい? その、雲がどのように発生するのか、ということをさ」「知らないよ」 彼女は不機嫌そうな顔をして言った。金の眉根にしわがよった。深い陰影が走って、まるで地図に描かれた山脈のようだった。「でもこれだけは分かる。雲はいつだってあの煙みたいに白いわけじゃ、ない」 ない。と、もう一度だけ呟いて、少女はくるりと回転した。クリーム色のワンピースの裾が大きくひるがえり、冬の公園に見事な花が咲いた。 快晴の空を、少女は見あげた。雲一つ無い真っ青な空。気取った画家がさも得意げに塗りつぶしたような、鼻持ちならない色合いをしている。 雪が降らないかしら。と、少女は言った。「雪なんて! たださむいだけだろう。あんなのを喜ぶなんて、キミもまだまだ子供だね」「なんとでも言えばいいわ。雪のよさがわからない大人になんて、わたしなりたくないもの」「雪のよさ、ねえ。大人っていうのは実利主義を徹底できる人間だと思うけれども」「じゃあ、きみもまだまだ子供じゃない」「うへ、うへへ。そう言われて反論するほど、僕は子供じゃない」「あっ、そう」 言ってふたたび、少女は空を見あげる。青い目に青い空がうつって、深まった色合いが光を複雑に反射し、まるでよくカットされた宝石のようだ。彼女はじっと空を見つめて、動かない。彫像。切り取られた映像のワンシーン。スナップ写真。誰かの妄想する、誰かの理想の女性像、ロリータ。 少女のかたちの陰影を見つめながら、僕は雪の処女性について考える。夜通し純白に降り積もった柔らかな雪は、幾人ものひとびとに踏みしめられ固く凍り、やがて泥とまざりあい茶色く穢されながら溶けていく……。 風が吹いている。冬の公園はひどく寒い。こんな季節に薄着の彼女の二の腕に鳥肌が浮いているのを見た。「喫茶店でも行こうか」「いいね。わたし、ジンジャー・エール」 視線をもどした少女がすたすたと先を歩いて行くので、ベンチから立ち上がってその後を追った。 公園を出ると、都市がひろがる。 アスファルトの道を、ふたり、歩く。さきほどとはうってかわって、注意深く足下を睨んでうつむきがちの少女は、たとえば宝物だとか、たとえば明日への希望だとか、生きていくために必要ななにか、を探してでもいるようにキョロキョロと落ち着きがない。時折犬の糞なんかを見つけては、キャッキャと笑いながら僕に教えてくれるのだった。「見て、あれ、犬のうんこ」 住宅街のまんなかに僕らはいる。この複雑で迷路のような地形を抜ければ、喫茶店のある通りに出る。けれど、本当に抜けることができるのか? 僕は不安を抱えている。両脇の石垣がひっそり息づいている。その息遣いを感じる。世界の果てに眠る竜の静かな寝息をぼんやりと思う。 ――はたして竜は、いびきをかいて眠っているのか、それともしんしん粛々と眠っているのか。 そのどちらともがありありと想像できるようだった。「ねえ」 ふいに少女が声をかけてきた。「喫茶店に行くのはやめない?」「いいけど、どうして?」「他に行きたいところがあるの」 彼女は石垣に張ってあるポスターを指差した。そこにはどこか遠い雪国の、真っ白に覆われた白銀の景色が印刷されている。「ここに?」「うん。ここに」 僕はゆっくりと頷いた。「やっぱりきみは、大人ではないよね」 と、少女は嬉しそうに笑った。 ○ 僕らは暖かな部屋の中、事後の気怠さを肌の接着によって共有しながら、裸で抱き合いベッドに横たわっていた。外は夜だが、一面に積もった雪が月光を反射し、おぼろげな青白い光で満たされていた。 煉瓦造りの煖炉で、なまめかしい炎がちろちろと踊っている。ごううおおおお……、ごううおおおお……。こんなところまで来たというのに、竜の影は僕らをとらえて離さない。いや、むしろ力強くなっている気配だ。もしかしたら、彼の居場所が近いのかも知れない。となると、ここは世界の果ての一帯だ、ということになる。 少女が急かすので、僕らは一枚の毛布にくるまりながら、窓辺に立ってじっと夜の光景を眺めていた。 ごううおおおお……、ごううおおおお……。 雪の上を、狂人が走り回っている。彼は竜を見たのに違いない。証拠に彼は、雪にまみれながらこう宣言するのだ。「わ、私は見ました、偉大なる光景を! あ、あれが、あれこそが世界の果てです。私の意識を白銀に塗りつぶし、まるで想像のナイフのきらめきのように、鋭いひとすじの光にしてくださったのです。それは強烈な色彩でした。それは鮮やかな音階でした。私は見ました。見たのです。偉大なる光景を!」 そうして彼は右手に握った想像のナイフを心臓に突き立て、真っ赤な血液をまきちらしながら死んだ。 窓から風が吹き込んでくる。この国はひどく寒い。こんなところで薄着の彼女の二の腕に鳥肌が浮いているのを見た。「喫茶店でも行こうか」「いいね。わたし、ジンジャー・エール」 僕らは宿を出て、元来た道を歩いて行く。都市へ、都市へ! やがて三〇分かけて都市に戻った僕らは、ぬくぬくと暖かな喫茶店でくつろいでいる。僕はホット・コーヒーを頼み、彼女はジンジャー・エールを頼んだ。 ごううおおおお……、ごううおおおお……。 エアコンが空気を吐き出している。「あ」 ふいに少女が窓の外を指差した。「雪が降ってる」 なるほど、確かに降っている。しんしん粛々と、静かに積もっている。明日になれば、きっとあの雪国のように、見事な銀世界となるだろう。「雪だね」 と僕は言った。「雪だよ」 と少女は言った。 ごううおおおお……、ごううおおおお……。 しんしん、しんしん。 竜の臭い息が顔面に吐きかけられる、生々しい感触があった。僕は少女に気付かれぬよう、そっと笑った。------なんというか、時間が足りませんでした……(言いわけ乙!
森田さんの舌が私の唇に触れたとき、今から彼は私を食べるんだと思った。動けないよう肩を両腕でシーツに縫いつけて、嚥下しやすいように唾液で柔らかく湿らせて、そっと内側へ舌を差し込む。 そのときいつもの優しい森田さんはどこにもいなくて、薄青い暗闇のなかで黒い双眸だけがぎらぎらと濡れている。捕食者の目だと思った。 つぷ、と肌に爪が食い込む。僅かな抵抗を殺して、鋭い白は容易く内側に侵入した。「あせらないで」 湿った首筋を撫でながら言うと、森田さんはびくりと体を震わせた。瞳に浮かぶ微かな怯え。「ゆっくりでいいから」 その言葉に、森田さんはこくんと子どものように頷いた。徐々に動き出す。 彼は今、食事をしているのだ。無味乾燥の日常を紛らわせるために、私の血を食べ肉を食べ、心を食べている。 脈打つ熱を感じながら、私は窓の外をぼんやりと眺めた。夜と朝の淡いに、遠い工場の煙突から流れ出た紫煙がたなびいている。もうじき朝陽が昇るだろう。全ての生命が凝縮された塊、赤い光。私たちをころす光。 森田さんがふと顔を上げた。赤い舌がつやつやと濡れている。「杉下さん、」 私の名を呼ぶ彼の声。いよいよ、食べられる。体ごとすべて、骨までも吸い尽くされてしまう。私は目を閉じて、そのときを待った。肉が肉を喰らう、赤い夜が明ける。-----------------------遅刻したうえ、お題一つしか使えませんでした。内容もぐだぐだです。やっぱり、ちゃんと参加して時間制限された方が良いもの書けますね……
> ねじ様 残り時間わずかのタイミングでお越しになったというのに「いまから書いて」とか無茶振りしてごめんなさい……! なんだろう、しずかさんの何を考えているのかわからない感じが不気味でそこがいいなっていうか、なんであんな短時間で書けるんですか!!(←自分で無茶振りしておいて) あといつもなのですが、文章の、呼吸の、情動に訴えかける強さに激しく嫉妬……。う、うらやましすぎます。> 弥田様 なまめかしい炎にノックアウトされました……。言葉の組み合わせ方、描写、間のとりかた、文章のリズム、くりかえし出てくるキーワードの絶妙さ、弥田さまのそういうセンスがものすごく羨ましくてしかたありません。 気になったところ……は、見当はずれかもしれないのですが、遠くの雪国のはずが帰りは都市まで30分、的な、そーいう「あれっ?」てなるようなところの、描写の省略の加減とか。そういうのって純粋に好みの問題だと思うので、偏った意見かもしれないのですが、わたしのような頭の固い人間には、それが夢とか妄想とか幻想であるなら、夢である妄想であるファンタジーである(からこんな不条理な展開が出てくるんだ)と、たんなる比喩や誇張された表現ならばそうであると、ある程度はっきりわかるようなキーの描写があったほうが、すなおに浸りやすいのかなって思います。逆に、徹底的に説明せずにいくならば、もっと思い切りでたらめに理不尽でもいいのかなって。そういう小説です! 的な。 ……などと、90分三語だったというのにめちゃくちゃ理不尽な要求をですね。そして自分のことは高い高い棚の上……。ごごごごめんなさい。> 紅月様 つ、続きが読みたいです。と書き込もうとしていたら削除されてる? あらためてブログにUPされるのかな。読める日を楽しみにしてますねー。> 沙里子様 食べる食べられるっていうことのエロティックなニュアンスを描ける書き手さんってすごく羨ましくて、うわーん見習いたい! あと「あわい」なんていうワードをしぜんに使えるセンスと語彙の豊富さにも嫉妬。……わたし今回(というかちかごろいつも)、羨ましい羨ましいばかりいってますね? ううう。羨むヒマに精進しろっていう話なのですが……! 自分の想像力が貧困なせいなのですが、ちょっと戸惑ったのが、爪が食い込んだ部位。くいこんだのが爪じゃなくて牙だったら、あんまり戸惑わなかったんだと思うのですが。しぐさや行動、体勢なんかを、あともうちょっとだけ具体的に描かれていたほうが、よりイメージしやすかったかも? ……なんて、この頃ますます棚上げ名人になってきているような……。ううっ。> 反省文 なんだろう……。とりあえず、二人称的な何かが、ところどころで一人称に戻りかかって崩壊している気がします。ダメじゃん。 だけど文章のダメさよりも、こういうのを書くんだったら、もっと体当たりな感じで、へんに演出とか文脈とか考えないで、文章なんてさらにもっと汚くてゴツゴツしててもいいから、ストレートにナマの感情で書いたほうがまだよかったなって、あとで思いました。なんていうか、中途半端に体裁を整えようとしたせいで、駄目な感じのフィクションっぽさになってる気がする……。