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RSSフィード [27] 帰ってきたよ、この三語に。
   
日時: 2011/07/16 22:57
名前: 片桐 ID:wXICQi46

久しぶりにやります。一時間三語。
お題は「蚊帳」「夏への扉」「白湯」です。
以上のみっつを作品に盛り込んで、三語小説を書いてください。
締め切りは今晩12時。早く仕上がっても、ちょっとやそっと遅くなってもかまいません。楽しく書いてください。
投稿はこのスレッドに返信する形でお願いします。
では、スタート。

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昼下がり ( No.1 )
   
日時: 2011/07/16 23:52
名前: マルメガネ ID:lww.Ohfo

鬱屈とした梅雨が明け、夏の青い空が広がった。
強い日差し。鳴き始めた蝉の声も聞こえ、まさに夏の扉が開かれた感じだ。
本格的な夏の前に体調を崩してしまったキリトは苦い粉薬を口にし、渋い顔をしてちょうどよく冷めた白湯を一気に煽り立てた。
とたんにむせて、激しく咳き込む。
熱はとりあえず下がった。しかし、体中にできた水疱が痛々しく、潰れた痕とその周囲の皮膚が赤く腫れ上がって痛痒さと怠さが残っている。
 吊られた蚊帳の中にいる彼は倦怠感に悩まされながら、そっと目を閉じる。
 開け放たれた窓から入ってくる風が心地よく、表からアイスクリームを売り歩く掛け声が聞こえやがて遠ざかっていった。
 せわしく鳴き騒ぐ蝉の声。窓辺の風鈴が涼しげな音を立てているのを聞きながら、彼はまどろみ、深い眠りに落ちていった。
 そして夢を見る。
 青いどこまでも青く深い空より、はるか下の地上を見ている。
 その向こうには群青色の海が見え、はるか彼方に別の世界が広がっていた。
 彼はそこを旅する。
 賑わう市場。活気に満ちた砂漠のオアシス。
 異国の情景を次々と目の当たりにし、珍しいものなども見た。
 楽しい。
 その先はどうなっているのだろう。
 彼はまた飛び立つ。そして元の場所に戻ったとき彼は目覚めた。
 夢と知るとなんだか少しだけ残念だったが、気分は爽やかだった。

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