Re: 平日のお昼が気怠いので三語 ( No.1 ) |
- 日時: 2011/04/05 17:06
- 名前: 端崎 ID:cqYvDL0I
いつも静かな枝森さん。おとなしげで、すうっと背が高く、控えめなそれでいてどことなく品のあるはにかみが、すてきなすてきな枝森さん。 枝森さんの休日は、早くない。 九時をまわるというころあいに、布団がもぞもぞうごめいて、それからのっと顔を出す。枕の周りにおいてあるいつもの眼鏡に手をかけて、ひとつあくびをかみ殺す。ちょっとずぼらな枝森さん。 部屋のカーテンを開けて紺のパジャマを着替えたら、朝のごはんを考える。考えながらのびをして、冷蔵庫の中あさりつつ、昨日あましたたまねぎと、にんじん、ローリエ、それからトマト、などなど野菜をきれいに刻み、お鍋のなかに放り込む。水を一杯入れたあと、トマトジュースを追加して、塩にコショウにコンソメちょっと。お鍋をコンロにかけてのち、ぐつぐつ煮込んだミネストローネ、おいしくいただく枝森さん。 食器を洗って片づけて、やかんにお湯を沸かしたら、やかんの口からとっとうと噴きだす湯気のたなびきをみて枝森さん思い出す。きょうは天気がよいのだし、洗濯もしておかなくちゃ。 パジャマやその他服などを洗濯機にかけいましがた沸かしたお湯でお茶を淹れ、ほうと一息つくうちに、日はだんだんとのぼりだし、部屋はぽかぽかあたたまる。 椅子に腰掛け本などを読むうちぴいいと音が鳴り、洗濯物が洗われた。 窓際すぐのベランダに、洗濯物を干し終わり、時計をみるともうお昼。机のうえにおいてある携帯電話に着信があるのに気づいて枝森さん、あわてて電話をおりかえす。 それからちゃんと化粧して、カーテンを閉め壁際のひいきしているミニボストンをさっと手にとり玄関へ。 それからはっと気がついたのか、わたしのほうへ顔をみせ、 「いってきます」と笑いかけ、わたしはちょっとうれしくなった。
それから辺りが暗くなり、虫もいくらか休まるようなそんな時間になってから、枝森さんたらドアをあけ、顔上気させお帰りに。 お酒を飲んできたのよね。楽しそうでいいけれど、あまり遅いと心配するわ。 わたしはいって叱るのだけど、枝森さんたらおかまいなしに、きょうあったことを教えてくれる。 あのねあのねといいながら、化粧を落とし、布団敷き、それからばたんと倒れこむ。 あのねというなら枝森さん、わたしもひとついいたいの、あなたお外に洗濯物を、干したまんまで寝るつもり? わたしはあきれてしまうのだけど、すぐに寝息が漏れてくる。 しょうがないな、とため息ついて、 きょうもおやすみ、枝森さん。
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