バレエメカニック
同郷の黒い土を思い出した。裸体になって、丸くなって眠りたい。
「672円ニナリマス。エエ、アリガトウゴザイ、」
日本語は難しい。月の弓矢の島に、人がたくさんいた。
かつての日本語教室のミーシャに教えられた通りに、困ったら母音を弾丸のように打つ。
「ゴ、ザ!、イ!、マア!、ス!」
冷笑とともに商品を受け取ると客は去った。
学生という生き物はたくさんの笑いを知っている。その中には区別や拒絶があった。

一度地平線を見たくなって、この都市を南下したことがある。ずっとずっと、私は車で下に落ちた。
この国は、一度のトラウマに立ち直れないでいて、それでいて、同じ事を繰り返していた、つまり、至ところに同じ街があった。
「ここから出る方法も忘れたんだね」
私は独り言の時だけ流暢になると、ミーシャたちは褒めてくれた。そして、ずっと悲しくなった。

 その時。ただ、走った。あの青空に飛んでる鷹に近づきたくて。
 多分そいつは前世は数学者に違いない。何せずっと考え込んで、降りてこない。
 「あれは飛んでるっていうのかい」
 「飛んでるんじゃない。まだ意味なんて探ってやがる。お前と一緒さ。」
 その日の夜、大きな祭りがあった。大きな花火が破裂し、比喩を揺らした。
 妹はずっと泣いていた。私はずっと鷹の幸福を願っていた

白鳥が一心不乱にバレエを踊っている時に、空想の車はブザーを鳴らした。羽ばたいた白鳥は粉々になり、都に降った。
それが夢だと気づいたのは、南下の途中で、くたびれ、コンビニに車を止めていいたからだ。
店員が、ノックした。外国人だとわかるとすごく困ったようだった。
「ス、ミマ、セン」
店員は「私の知っている」外国人だと気づくと喜んだ。

 つまり、ステンレスや金属の永遠とも思えるような冷たさがあの国にはあるぞ
 「私が知っている冷たさではないと」
 「ああ、しかし痛い」
 「母の父の態度のように?」
  ロエ爺さんは声上げて笑った
  私は笑わなかった
  凪が終わって、嫌な予感がしたからだ

血に呪われていると思った。正装させているだけだ。
ここは肥大化した我々だ。
つまり、私は飛ぶの落としたからだと考えている。
同僚の工藤はその話を次第に信じるようになった。

子鬼がこっちにおいでって誘ってる、それについてゆくのだろう。我々はそうしてきた。
鹿敗北者
2020年04月23日(木) 18時04分47秒 公開
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