9月は夏かな
自分の思い出というものが特筆するほど価値のなくて、特に整理整頓された文脈で生きてきたわけではない

最近友人といても、沈黙で聞き役に徹することが多くなった
影のある主人公に憧れていたこともあったが、実際はかなりつらいかもしれないと気づいた
浮ついた気持ちで詩を書き始めることが常だけど、熱が冷めてみるとただ切ない

そういえば、言い訳をしなくなった。
青年が終わったのだ
言葉として不適だが、終わらされたのだ。

成人とした僕は、まだぎくしゃくしながら、或る歌詞のようにチークダンスを踊っている。
何かが柔らかくなった。世界は強度を激しく上げている。僕は痛みに慣れた。
僕らはある厚い季節の後日談に生きていて、遅れたダンスを踊っている。

「季節を起こすのは、起こした後にも意味を持って生きていけるやつだけだよ」

意味の或る世界のそのあとを考えること、夏のこと。死んだ春のこと。
一個人の儚い知的強度に僕は驚く、パンとサーカス。サーカスは好きだ。

散々言われた9月31日は来ない。永遠に君が僕の前に帰ってこないように。

ただ期待して待つ。


詩歌敗北者
2020年01月08日(水) 18時24分04秒 公開
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■作者からのメッセージ
こんな詩も最後にしよう

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No.2  詩歌敗北者  評価:--点  ■2020-02-20 17:44  ID:gBjhm/nSDJ.
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コメントありがとうございます。

昔は喋る側だったのですが、黙ってることが多くなりました。
ゴドーを趣味で待ってる奴もいるということかな(謎)

ではではー。
No.1  ナカトノ マイ  評価:50点  ■2020-01-23 23:03  ID:FLHCVOVt6M.
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いつもは聞き手に回る友人が珍しく胸中を打ち明けてくれたような感動が、静かに沸き起こりました。それと同時に、あなたの詩を只読むことしかできない遣る瀬無さも生まれました。遣る瀬無いのですが、ただ期待して待つと綴られたその言葉が私の救いです。
総レス数 2  合計 50

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