曇り空と濡れた春
曇り空と濡れた春
風に運ばれては戻ってきて
あの細道は小さな命のパレットに
その上とぼとぼ歩くのは
絵本から覗いた主人公
ぐるぐる見渡す親不孝
いつかは終わるお話
といったってストーリーなぞるだけの毎日
「もう、いいでしょ。」
一人で咲く桜はないのだろうけど

曇り空と濡れた春
オレンジの傘くるくる回して
後悔混じったきれいな水溜まりに
その上ゆらゆら浮かぶのは
キラキラ輝く自責の羽
銀のスープのトッピング
これまでの人生を自己採点
といったって名前書いてない答案用紙
「もう、壊れたの。」
あのからすもどこかで尽きるのだろうけど。

曇り空と濡れた春
雑巾吊るした空の下
色とりどりの足跡で
ぐちゃぐちゃになったパレットに
濁ったバケツ返しても
どうせまた色作るの
どうせまた雨靴濡らすの
いつかは空になるチューブ
うたって空に描き出す
「そう、これが自分なの。」
黒猫もお昼寝始めたよ




湯豆腐
2019年04月23日(火) 16時14分08秒 公開
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No.1  遠江  評価:50点  ■2019-05-06 20:01  ID:K8Rm6eHfX62
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 日常は常日頃のことですよね。それでも流行りのスイーツよりも沢山経験(?)しても飽きません。それでも日々思うことは違って…。たそがれは今日一日の大事な顔料ですね。
総レス数 1  合計 50

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