忘蒼

 カンナ

    が
      咲いてい

          る

  窓辺

        真昼

          の

   日差し

       を

 透かす

       空かす



 『お綺麗ですね』


    どこか

        の

  少女
     の

         話


 『兄様
     どちらへ』


   どこか の

  兄妹

      の

   しるし



  忘れて

      ゆく

    忘れられて


     しま

        う



 忘れない で

        ね


    と

       願った


  ひとの

      目
         も


   声
      も




 『 ―― は、 』



    『 おそら

          が 』


 忘れ
    て



 『 嗚呼 、

     かみさ

          ま 』



    どうか




  どう

       か




  『     』






    美空


        光る


  銀翼


      熱


   悲鳴


      あの日


   の


      涙





《 わすれないよ って

        やくそく 》




  約束
     を



      しよう


   忘れない

        って

 もう

       忘れない


    って




      八月





  蝉
   時
    雨




    青

     空 が



  今
    日
      も





    ……綺麗だった

時雨ノ宮 蜉蝣丸
2017年08月15日(火) 23時59分50秒 公開
■この作品の著作権は時雨ノ宮 蜉蝣丸さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
忘れないと言いながら
思い出せなくなっていることも
忘れている

この作品の感想をお寄せください。
No.1  Fufu  評価:40点  ■2017-10-21 00:25  ID:c5Glk0hboB2
PASS 編集 削除
ポロポロと、水琴が音を立てているようでした。文字の色や、ことばの位置のリズムのバランスが取れていると思いました。
透明感のある、言葉の選択、きれいだと思いました。
総レス数 1  合計 40

お名前(必須)
E-Mail(任意)
メッセージ
評価(必須)       削除用パス    Cookie 



<<戻る
感想管理PASSWORD
作品編集PASSWORD   編集 削除