未明色
ゆるい雲
ぬるい風

潮の匂い
海は青いはずもない

澱んだ航跡
白くも黒くも
どちらつかずの未明色(unknown scale)

波は凪になでられ
鏡にもなれない

低い周波数の
できそこないの平面

夢を見たとすれば
その虹色の橋に

飛ぶはずもない
ゆりかもめ

落ちることは容易いだろう?
なァ

上がることはもっと容易いだろう?
ナぁ

いたずらな
言葉遊びにさえならない

約束のような
埃のような

その癖
宝石みたいに
離せなくて

だれも
その

綺麗な
遷を弾けない

境界のぼくらは

まもなく
背を向けるんだ

夢を見るとすれば
その未明色の刻に

まもなく
背を向けてしまうんだ
阿印陀布
2017年07月08日(土) 03時10分00秒 公開
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