By myself

躰中のやりきれなさを振り起こして
もう 誰もあたしを止められない
誰もあたしを縛りつけられない
あたしは あなたじゃない
他の誰でもない
あたし自身に変わってく



理性で抑し殺して生きるのはとっても窮屈だわ
聞き分けのいいやさしい女になんて
悪いけどあたし なれそうにないの
誰かのために自分を犠牲にするなんて
そんな生き方はもうやめにしたのよ
あたしはただ 湧き上がるこの感情に素直でいたいだけ
あんたが探しているのは 自分に都合のいい女でしょ
そういうのがお望みなら 他を当たってくれないかしら


同級生だからって 友だちなんかじゃなかった
彼女たちはただ あたしを笑うだけだったわ
先生たちにも嫌われてたの
学校はいつも あたしに冷たかったのよ
でも 別に気にしちゃいなかったわ
ひとりでいることには慣れていたし
何をするにも 連れだって行動している彼女たちが
なんだか あたしには気味悪く映って見えていたの
クラスがガヤガヤ騒いでいる中 あたしはひとり
教室の片隅で 耳にイヤホンをつっこんで
太宰や寺山や坂口安吾なんかを ひたすら読みふけっていたわ


孤独だからって 淋しいっていうのとは理由が違うのよ
淋しいのは あたしとあなたとの間に壁を感じることよ
たとえばその瞳の中に その態度の中に
静かな 強い拒絶の感情を読み取ってしまうことよ
あたしの思ってることがあなたに伝わらない
あなたの傷みが あたしには解らない
そういうのって泣きたくなるわ
あなたはそれを知らなすぎよ
幸福な人ね あたしそういうの うらやましい



躰中のやりきれなさを振り起こして
もう 誰もあたしを止められない
誰もあたしを縛りつけられない
あたしは あなたじゃない
他の誰でもない
あたし自身に変わってく




陽炎
2015年04月25日(土) 23時04分22秒 公開
■この作品の著作権は陽炎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
トイレに行くにも、連れだっていく女子たちが
どうしても私には不可思議で仕方がありませんでした

この作品の感想をお寄せください。
No.6  陽炎  評価:0点  ■2015-05-18 03:31  ID:fyQPGnl9bAM
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☆游月昭さんへ☆

こんばんは、游月さん
いつもありがとうございます

多分、そのヒステリックの正体は
「やりきれなさ」だと思いますよ
少し斜にかまえたような言い回しだけど
結構激情を内に秘めているんだと思います

游月さんは読めない人とは全然思っていないですよ

ありがとうございました
心より感謝
No.5  游月 昭  評価:30点  ■2015-05-17 00:13  ID:Uo9G./ERXDk
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陽炎さん、こんばんは。
水面すれすれの感情、あるいは少し水から出ているかもしれない。そんなものが静かにしかしヒステリックさをもって一瞥してくる。
游月、こういう詩も読めるようになったようです。昭君成長したなあ(^^;;。どうも、これからもご厄介になります。
No.4  陽炎  評価:0点  ■2015-05-13 06:26  ID:t3LtNRwV4B2
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☆ゆうすけさんへ☆

いつもありがとうございます

多分、私が、トイレにも連れだっていく女子たちを気味悪く思っていたのと同じように
彼女たちは、人とあまり群れない私を気味悪いと思っていたと思いますね

男の人の場合は、またちょっと違うんでしょうね
仲はいいけど、いつも一緒にいるようなことはないでしょ?
女子ってホント不思議
私も女子ではありますが(^^;

孤独でも人は生きていけるけれど
淋しさは人を狂わせるような気がします

ありがとうございました
心より感謝
No.3  ゆうすけ  評価:30点  ■2015-05-12 19:08  ID:1SHiiT1PETY
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わかる〜。
周囲に馴染むのが面倒くさくなって、休み時間はいつも図書室の奥でこっそり読書していた高校時代が蘇ってきましたよ。いつの間にか一人ぼっちになった二十代。そんな奴がこういうサイトで文芸やるんだろうな〜。歳を経ていろいろ積み重ねて、奥底にしまっておいた切ない感情を、掘り起こされた感じ。
お互いが相手に合わせていて自分を出さない、一緒にいても一緒じゃない、近くにいるのに孤独、この感じがたまりません。
歯切れがいいというか、さばさばした読感がいいですね。他人との距離、自分がいかに生きるか、いろんな切り口で詩になりますよね。
ではまた。
No.2  陽炎  評価:0点  ■2015-05-02 04:50  ID:t3LtNRwV4B2
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☆Aさんへ☆

返信が遅くなってしまい、申し訳ありません
お読みいただき、ありがとうございます

日常のおしゃべりの中に
少しでも痛みやら悲しみやらを持ち込もうものなら
めんどくさい奴とか、かまってちゃんとか
あらぬ詮索をされるだけだから
楽しい人を装うしかないんでしょうね
理性が感情を抑えこんでしまう、とでもいいましょうか

都合のいいだけの関係って
自分が満足したいだけで相手のことは置いてきぼりですよね
そんな関係を結ぶくらいなら、ひとりでいたほうが
ずっとマシな気がします

いろいろうまくいかない感情を
苛立ちとか憤りとか、何かしたいのにどうしたらいいかわからない感じとか
そういうのをひっくるめて「やりきれなさ」と表現したのですが
ぴたりと当てはまったようで、とてもうれしいです

他者を意識すると、自分自身というのが
よりハッキリしてくる、というか
せざるを得ないというか
他の誰かになんかなれないのがよくわかる、というか

ありがとうございました
心より感謝
No.1  A  評価:40点  ■2015-04-28 20:56  ID:O6O0a8UCtXM
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拝読させていただきました。

四連が特に面白いですね。「壁」や、書くことで「壁」を超えて「痛み」を伝えようとする衝動には身に覚えがあります。文学作品を読む時、「痛み」や悲しみが伝わって来る事になぜか充足を感じるものですが、学校での、あるいは日常世界でのおしゃべりは何かに(理性に?)規制されているみたいで、「痛み」や悲しみなんかはどこかへ消えてしまったみたいで、物足りなさを感じていたことも微かに思い出せます。「互いに都合のいい関係」って、何か気持ち悪いですよね。うんざり、といった感じでしょうか。当時は他にも色んな感情が沸き起こっていましたが、この作品では「やりきれなさ」と表現されていて、ああ、あれは「やりきれなさ」だったんだな、とぴたりとくる言葉を教えていただいたように思います。一連と最終練が同形ですが、ここも面白いですね。僕は「自分自身」というのがすぐ分からなくなるのですが…それはともかく、「あたし自身に変わってく」という動きは魅力的です。
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