真空パックアパートメント
鍵は彼女が持って去りました
合鍵を作るヒマもなく
必要ないだろうと思ってだって
中身はガランドウだって吹聴
ふいごの真似をして手筒で
鍵穴に息を吹きかけました
開ける必然もありませんし
鍵穴のなかなかの錆が舞い上がり
ちゃびなロボットの生成
そのフォルムは時代遅れなんじゃないかな大体
四角が積み重なってたんだ
きみとぼくとの逃避行は成功した試しがないが
新聞受けに捻じ込まれるよりマシでしょう

廊下向こうの虚空へと
黄ばんだ空は飛べそうかい
やーはい やっぱ無理そうかい
砂糖舐め舐め見るのが関の山さ
きみがちゃびなロボットだから
角砂糖はお好きですか
半分こするけど落としちゃヤです

あーあ

ドアの前二人涼んでいると
鍵なし彼女やってきた
リードはどこに置いてきたのってなぜって
今じゃ鍵のお散歩が大流行
あの子は流儀に反して片手で
新聞受けに息を吹きかけました
ぼくら止めることできませんし
なかなかの埃が舞い上がって
ちんけなボロットの生成
白につぎはぎだらけでさ ちょっと笑っちまうんだよ
勝手に増殖してカチャリ
きみとぼくとの逃走劇は成功した試しがないね(ねー)
押さないで ドア向こうに押し込まれるのは気分が悪い

踏んづけちゃうよ!

廊下向こうの虚空へと
何色の空なら飛べますか
やーはい やっぱ無理そうかい
きみがちゃびなロボットだから
砂糖は彼女と半分こ
緑の紅茶はお好きですか
ちゃびなロボットが浸かってます

あーあ

寂しさばっかり言いふらしてんだなあってちょっと思いました
不敗者不戦勝
腐敗者不全症
真っ逆さまのカップ
流れる水音
彼女の立つキッチン
こぼしちゃイヤ 嫌でした

あーあ

鍵のない鍵穴が錆びるのを少し少しだけ期待して
部屋に膨張したボロットを押し退けていつも鍵穴を覗いてます
反対から彼女が覗いてうんざりするけど
手はね そうね 繋げてたりするの
笹原咲倉
2014年09月18日(木) 03時29分20秒 公開
■この作品の著作権は笹原咲倉さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
どこかですでに歌われてそうな雰囲気の
気怠くてかわいらしくて柔らかい歌詞をイメージしました

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