いのちの短歌



通勤のあくびの涙に思い出す

 ぬぐう仕草のさよならの人



君がため奥歯に詰まる苛立ちを

 巧みに外す妻楊枝かな



国道を石焼き芋が走りいく

 汽笛鳴らして蒸気を上げて



亡き父の背丈にも似た老人の
 
 健やかなるをじっと眺める



錆び付いた銀天街の入り口に

 魚屋八百屋痩せこけた猫



沿道の並木の落ち葉丸まって

 風に押されて転がっていく





游月
2014年09月17日(水) 01時49分54秒 公開
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■作者からのメッセージ
短歌詩とでも言いましょうか

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No.6  游月  評価:0点  ■2014-10-13 01:18  ID:emodMEn5j1U
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青ガラスさん、ご感想ありがとうございます。
石焼き芋、幹線道路ではハイスピードでした。(^^)エネルギッシュです。
No.5  游月  評価:0点  ■2014-10-13 01:15  ID:emodMEn5j1U
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ヤエさんご感想ありがとうございます。
大変お久しぶりになってしまいました。落ち着きましたでしょうか。このところ短歌ばかり詠んでおりましたが、iPhoneに替えたことで詩を書きづらくなっておりました。やっとqwerty配列にも慣れたのでまた書き始めようと思います。
No.4  青ガラス  評価:50点  ■2014-09-19 16:39  ID:33E/nA6Ip9Y
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国道を走る石焼き芋と機関車のノスタルジアを重ねたとこが
素敵ですね。
昭和から平成、時の流れの速さのように石焼き芋が走り去る。

銀天街もかつての姿を変えてしまって
痩せこけた猫の存在が衰退若くは変貌を物語っているのでしょうか
やるせない作者の気持ちを感じました。

視線の行く先に転がって行く落ち葉が葬送行進曲なんですね。
いのちの流転やむことはなくですね。
No.3  ヤエ  評価:50点  ■2014-09-18 21:36  ID:FVNkHzi1xs2
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こんばんは。
短歌詞、落ち着きました。
和むというよりは落ち着く感じでした。
どれも素敵で時間の流れを感じます。
良いひと時をありがとうございます。
これからも游月さんの作品を楽しみにしています
No.2  游月  評価:0点  ■2014-09-17 13:21  ID:gYbTEfdSPrU
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菊池さん、コメントありがとうございます。

子供の頃から百人一首の言葉の響きが好きで、よく百人一首の解説本を読んでました。そのわりに古語は不得意で、和歌を詠むときは、古語辞典がないと不安です。アカショウビンさんみたいに知識があればいいのですが。
今回なりゆきで、ラストへの流れをショパンのピアノソナタ『葬送行進曲付き』風にしてみました。ラスト一首だけだとなんのこっちゃですが。
No.1  菊池清美  評価:50点  ■2014-09-17 04:37  ID:dJ/dE12Tc8A
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游月さんお早う御座います。

流石に書き慣れた感が有りますね、私は読むだけでしたから最近目覚めたと言う所です。
人に寄れば俳句も短歌も定型詩と言いますからなんですが難しいのは助詞ですね、其処で止まります。

川柳をかじった時口語は使わない様に言われましたが、多分短歌もそうなんだろうと勝手に思っています。
口語以外と成ると自信が無いから、かなの意味とか調べています。

二首目…短歌詩と仰いますから二連目が面白いです、君と妻、妻と爪楊枝…思考の跡を感じます。

一首だと物足りなく感じますよねぇ、字数の所為でしょうか。
  
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