無題


静かな夜に一人きり
青い光を瞳に映し
0と1が溢れる海へと旅に出る
もはや日課と化していた

いつもの島に上陸し
少しずつ蔵書量が増えていき
時たま作家と語らえる
貴重で小さな図書館へと足を進めた

ここを見つけたのは
つい最近のこと
「見知った顔」くらいには
もうそろそろ、なれただろうか

扉を開けて中に入ると
様々な作品と出会える
自分も作品を書いてみた
まだ優しい言葉しか貰っていないが

自分にとって
この少し特別な場所にも
一人、また一人と
人が来なくなってきた

何かしてしまっただろうか
何もしなかったからなのか
価値を下げてしまったのか
それすらも思い上がりか

顔も知らない、心も見えない
扉に手をかけやすい
気軽に去ることも出来る
それがこの空間の最大の利点だろう

それでも……

地球が、月と太陽に挟まれた夜
私は一人 その地を後に
呟きと人間味の流れる島へと
船を進めた
ヤエ
2014年10月09日(木) 00時14分13秒 公開
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No.8  ヤエ  評価:0点  ■2014-10-13 11:06  ID:L6TukelU0BA
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お試しさん
コメントありがとうございます。
>地球が、月と太陽に挟まれた夜
この表現は自分でも気に入っているので、褒めて下さり嬉しいです。

0と1のくだり、私もよく使われているのを見るので、つまらないかと一瞬考えたのですが、まだ良い表現は思いつきません。結果そのまま書いてしまいました。より伝わりやすい表現探しは難しいですね、そこが魅力でもありますが。
仰るとおり、6連は意識しました。不安や、考えが頭の中をめぐる時って、何故かそうなりますよね。

本当に、分かりやすく正直にアドバイス等を下さり、有難うございます。
おかげで、より良いものを目指すことが出来ます。
No.7  お試しさん  評価:40点  ■2014-10-12 07:10  ID:9h6qp5PumAE
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ここは素晴らしいなとおもった行です。
>扉に手をかけやすい
>地球が、月と太陽に挟まれた夜

月蝕を月蝕と呼んでしまったらそのまんまですから、こういう婉曲表現が良いわけです。「扉に手をかけやすい」ってところはいいですね。後の「気軽に去ることも出来る」って言葉は直接的ですが、こちらはとても詩的です。
逆に0と1のくだりとかは意外やウェブ上で使い古され気味の言葉ですので、わたしはちょっとニガテです。ちなみに6連目は意識的に脚韻踏みましたか?

全体的に整然と感情がまとめられ起承転結もしっかりしていて、秋の夜長にぴったりな良い詩だと思います。こういうオンラインで感じる寂しさってのはわたしも幾度となく体験しましたから、すっと体にしみこんできて訴えかけるものがあります。満点あげたいところなんですが心を鬼にして(涙
No.6  ヤエ  評価:0点  ■2014-10-10 09:12  ID:L6TukelU0BA
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時雨ノ宮さん
おひさひしぶりです。

ひとつの場所が、人によっては違う様に見えるのは、面白いことですよね。
それがこういう場所の一つの強みであり、悲しいところでもあります。普段は見えない自分の本性に気づいてしまいドキリとしたりも……

伝えたいことが伝えられたようでホッとしました。

この詩を投稿するかは悩みましたが、こういう場所が生み出す「本心の出しやすさ」に私も甘えてしまいました。

繋がりの先には勿論 時雨ノ宮さんもいました。頭の片隅で気にかけてくださると嬉しいです。

島にはたどり着けましたが、未だ冒険心が疼いてしまい、また島を探してしまいそうです。

読んでくださり、ありがとうございました
No.5  時雨ノ宮 蜉蝣丸  評価:40点  ■2014-10-09 23:01  ID:Z8p4w71Qvu6
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こんばんは。
なかなかにお久しぶりな気がしますが。

たとえ0と1、二進数や全か無かのような世界であったとしても、誰かにとっては一つの居場所で、場合によっては現実より重く広いことだってざらにある。なのにそれを「仮初め」と称し悪の手先の如く言う人も、同じくいる。

ヤエさんにとってここが、もう一つの誰とも会わずして触れるための岸辺であるのなら、それはとても大切なことと思います。
《青白い光の中、液晶の向こうで手繰る繋がりの舟》

好き勝手偽装できるこの場所で本心を出すのは、ずいぶんな無鉄砲かもしれません。各言う俺もいろいろ、気取った部分があるわけです。
ただ、そんな岸辺で等身大になって、繋がりを手繰るその先のどこかに俺がいたりするのなら、これほどの幸福は無いでしょう。……おこがましや、申し訳ありません。

今夜も月が綺麗でした。島には漕ぎ着けましたか。
とても素直な詩です。ありがとうございました。
No.4  ヤエ  評価:0点  ■2014-10-09 18:26  ID:L6TukelU0BA
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再訪ありがとうございます
膨大な数を判断するから……
確かにそうかもしれません
そこが面白いところなのでしょうね。

詩と小説についてですが、小説については分かりませんが
詩については、私は一番伝えたいことを伝えられるなら、それを分かりやすくするために嘘で飾るのもアリかなと思ってます。この考え方も人それぞれで、色々な作品を見られる切っ掛けでもあるのかもしれませんね

私も、まだ書こうと思うので 気が向いたときにでもお付き合い頂けると嬉しいです

嬉しいお言葉ありがとうございます
もう少し先に行けることを望んで頑張りますね。
No.3  菊池清美  評価:0点  ■2014-10-09 10:46  ID:/dxzQ0Wmf36
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0と1_無いか有るでPCも動いています、それ以外は判断できませんね。
単純だからミスが無いんでしょう、人は膨大な数を判断するから間違いが多いと思います。

最近思うのですが、詩を書くのと小説との違いです。
幾ら見事に演じても其れは嘘で有って詩では認められません、其れは私の見解で有って強要すべきではないでしょう。

去って行った人たちも其々の理由が有るでしょうが寂しいですね。
私は解ってくれる人がいるから書くんです。

本当に詩らしい詩です、心情吐露と言うのが詩の始まり…皆さんに広がった理由かも知れません。
背景とも相まって素晴らしい、心配に成るほどの出来です。

もう言う事無しの出来ですから褒める事も忘れてしまいます、再訪ご免なさい。
  
No.2  ヤエ  評価:0点  ■2014-10-09 07:55  ID:L6TukelU0BA
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菊池さん
おはようございます
要するに、寂しさと不安……
ただそれだけのことなのですが
書きたくなってしまいました
読んでいただき、ありがとうございます
No.1  菊池清美  評価:50点  ■2014-10-09 03:52  ID:/dxzQ0Wmf36
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ヤエさんお早う御座います。

私も同じ事を考えているかも知れません。
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