日記
前に進みたいわけでもない
構わず壁は迫る
四方八方
閉じ込められてはいけない
そんな人たちを見てきたから

けれど惰性
自分に自分の足をとられる
大人たちはそいつを殺せと言うが
殺す者も自分
殺される者もまた自分
そいつを殺してはいけない
そんな人たちを見てきたから

過去に散らばる箱たちに
何を思えば価値を得られるか
優しくなろうとしてみるが
それが資本になるわけでもない
箱を増やすだけ増やして
それらを積み重ねてここまで来た

何処にも届きはしない
「ごめんなさい」を言うべきか
それもまた自己満足
自己完結の箱
性懲りもなく
後ろに見える景色を歩いていただけ

それでも僕は変わってきた
それでも僕は進んできた
それだけで構わないはずもない
愛を求めてみればいいか
それも愛故に求められず

このまま
流れるように消えるに違いない
この詩も
不安も
僕の命も

桐灰悠
2014年07月03日(木) 03時43分30秒 公開
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作者からのメッセージはありません。

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No.4  游月 昭  評価:20点  ■2014-07-08 16:42  ID:7NJNOM48awY
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こんにちは。

ちょっと心理学的な匂いがして
興味深いです。
ラストのフェイドアウトも面白いです。
でも散漫な感じを覚えます。
No.3  菊池清美  評価:50点  ■2014-07-05 19:55  ID:/dxzQ0Wmf36
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何度も拝読しました、私にネックだったのは殺の一文字です。

とても完成度の高い作品だと思いますが、一文字で台無しにしてると思います。
流行の様ですが読者の範囲を狭めていると思うのです。

ネットで遣って行くのには必要な事かも知れませんが、詩集を考えるとマイナスかと思います。

飛んだ戯言で失礼しました。
  
No.2  桐灰悠  評価:--点  ■2014-07-03 23:20  ID:7Hv.EJVCYiY
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Aさん

ご感想ありがとうございます。
面白いお話ですね。つくづく、人は何か目に見えない曖昧なものを支えに生きているんだろうと思います。

「箱」の中身は「閉じ込められた人」のつもりで書いたのですが、各々、読み手の皆様が想像して入れて頂くのが一番だと思います。
No.1  A  評価:20点  ■2014-07-03 16:12  ID:pA0QzJ9KbiA
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拝読させていただきました。

この詩の語り手は自己否定的なようです。「殺してはいけない」と言いながら語り手は自分を殺しているように見えます。「箱」の中身が知りたいです。


そう言えば、こんな話を思い出しました。

昔、ある所に母と息子が二人で暮らしていた。父はなく、貧しい暮らしだった。ある日、母が病に伏せ、ついに臨終の時を迎えた。母は男に「どうしてもどうしても困った時に、この箱を開けなさい」と言って、袋に包まれた小さな箱を渡し、死んだ。若い男は母亡きあと、必死に生きる努力をした。どうしようもなく辛い時もあったが、男はその都度袋の箱を眺めては母を思い出して「もうひと踏ん張りしよう」と思い直し、母の残した箱を決して開けようとしなかった。が、ある時、借金に借金を重ね、返す見込みがなくなり、住む場所から逃げ出す事にした。荷物をまとめていた男は、これまで必死で頑張ってきたがちっともいいことのなかった人生を想って空しくなり、頭に自殺がちらつき始めた。そして「そうだ、今こそ箱を開ける時だ」と気付き、箱を取り出して開けた。中には何も入っていなかった。
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