満月のロンド
 



 
 
 
眠りに沈むあぶくに響いたあなたの寝ごと  


ふと、はじけて、

月あかりが描くあいまいな輪郭を

夢に持ちだそうと目をつむる




まぶたに残る月は

やがて満月になり

近づいて大きく


唇にふれる


    「そのまま、



月とたわむれ、星をかすめて

ふたたびはじけた、あぶく


わたしの寝ごと



    満月がわらってる





   


■改稿版(本編より行間を縮めています)


『満月のロンド』13/12/25〜14/01/24


ゆるり沈んでいくあぶくに響いたあなたの寝ごと

ふと、はじけて
かすかな寝息は子守唄のように

月あかりが描くあいまいな輪郭を
夢に持ちだそうと
また、ゆるり


まぶたに残る月は
やがて満月になり

夜空を游ぐように、すべるように
月とたわむれ、星をかすめて

大きなまるい光に満ちて
唇にふれる

    「このまま、


ふるえるほどの心地よさに

ふたたびはじけた、あぶく
わたしの寝ごと


    満月がわらってる



    
游月
2014年01月22日(水) 01時14分28秒 公開
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■作者からのメッセージ
短いですが、お気に入りなのです

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No.9  游月  評価:0点  ■2014-01-26 11:41  ID:d0W/PevLH5Y
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笹竜胆さん、感激です。

この詩を書いてから一月が経ちまして、なぜワルツを避けたのかもあやふやになって参りました。実際、セレナーデの方が無難だし、ロンドは響きからも違うだろう。だからといってワルツは語呂が悪い(ツ音の繰り返し)し、ご指摘の セレナーデかなぁと一夜明けて感じております。

また、改稿版の「夜」ですが、書き直しの時に気になっていた所を指摘されたので嬉しいです。だいたい制作時に気になったところというのは、読める方には同じようにつまづかせるようです。

この詩はいずれ別所に投稿しようと思っているので参考にさせて頂きます。(やはりセレナーデかな)

余談ですが、バレーは吉田都の引退公園のロミオとジュリエットを衛星放送で偶然見ましたが、興奮するほど美しかった。人生得したとその時思いました。

ありがとうございました。
No.8  笹竜胆  評価:30点  ■2014-01-26 02:43  ID:gc6YYKZMLsk
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 華麗な輪舞曲(ロンド)というより、二人きりの小夜曲(セレナーデ)なのではないかと。
 題と内容のズレをどう評価するかが難しい……けれど。本来の踊りの要素が薄いかつ他のカップルの気配が皆無なので、名と実の合わない嘘と私は判断します。内容そのものは美しいだけに、この点を付けるのはためらいますが。

*********
 ええっとバレエは? ご覧になったことがないのでしたら、振付のできる方にいくらかつめば、伝統にのっとった手法でどういう振付と構成になるか教えていただけると思いますが。ご友人でも基礎から習っている方なら、ある程度はいけるかと。
 ショパンのスケルツォは"革命"後の文脈で読むものですし、単純な比較対象にはならないと存じます。
 また、ロンドも大概宮廷音楽です。往時の作曲家が誰に音楽をささげたかと言えば、神・王侯貴族・恋人のどれか。そして王侯貴族は舞踏会用の新曲を常に必要としていました。結果種々の舞曲(言及されたもの+メヌエット・ガボット・ハバネラ等)が生まれたという。ショパンのスケルツォは故国の戦況にいら立ちながらも食いつなぐために亡命先の王侯貴族に献じたもので、あんな風になったのはそのせいだという解釈があります。シューマンはねぇ……ジョークでしょう、たぶん。
 もっぱら恋人に向けたセレナーデはそういう場面を想定していないのでちょうどよいと考えた次第です。まん丸・円等が必要なら月輪のセレナーデとでも言えばいいんじゃないでしょうか。

*********
 個人的には、夜空より雲間かなぁ。
No.7  游月  評価:0点  ■2014-01-25 22:41  ID:STGQyRbvtcY
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青ガラスさん、ご感想ありがとうございます。

先に返信したつもりが、送られてなかったようです。仕事の合間に休憩時間を利用して書いていたので、投稿が完了しないままに次の方への返信に移ったんでしょう。前後してすみません。
夕方書いたことを思い出しながら再び書いてみます。
−−−−−−−−−−−

>至福のひと時
>こころ躍る様子

感じて頂けて幸せです。

>思い出して微笑んでしまうようなひと時

夫婦の家庭的な幸せはこんなかんじかなぁと。

>閉じないかぎカッコ

詩の技法としてよく使われるようです。私が使ったのは多分初めてですが、自然にそうなりました。
三点リーダー(・・・・・・)のようなものでしょう。

>こわれないでこのままずっとロンド

幸せな夢は長く見ていたいものでしょうが、この詩の終盤からその続き

「ん?私、寝ごと言ってた?」
「うん。何だか嬉しそうだったけど、どんな夢だったの?」
「ふふ、幸せな夢〜。」
っていうのもいいかなと。

普段の穏やかで幸せな時間。
No.6  游月  評価:0点  ■2014-01-25 22:20  ID:d0W/PevLH5Y
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笹竜胆さん、ご感想ありがとうございます。

音楽系のツッコミは嬉しいですね。
迷った所ですが、私の知識と出したいイメージの範囲内で「ロンド」あるいは「輪舞曲」となりました。

知識の範囲内で舞曲を並べてみますと、ロンド、ワルツ、タンゴ、ポルカ、ボレロ、マズルカ、スケルツォ、ポロネーズ、シャコンヌ、パバ(ヴァ?)ーヌ、ガイヤルド・・・・・・
という感じですが、どんな風に踊るのかと言えば幾つかを除いてほとんど知りません。

ショパンを思い浮かべるのが三つ有りますが、スケルツォなどは、もともとの踊りや言葉のイメージとは全く違って荘厳で同業の有名作曲家(シューマン?)から逆に褒め称えられるとか、
シャコンヌ、パバーヌ、ガイヤルドなどはバロック時代の音楽でよく登場しますが、やはり、「踊れない!!」のがほとんどです。

音楽形式や、イメージなんですね。

私が何故ロンドを選んだか。言ってみれば、ポルカでも盆踊りでもフォークダンスでも良いのですが、この詩の夜のイメージ、満月、楽しい、幸せなどから「まん丸、円」が必要で、しかし、ワルツ(円舞曲)の三拍子のように過度の宮廷舞踏会的雰囲気は出したくはなかったのです。

あと人数の問題ですが、他の詩で、『二人のフォークダンス』という詩を書いた場合に違和感がありますか?という感じです。

さて、「ロンドを踊っているところを見たことがありますか?」と訊かれれば、「いいえ」ですが。



次に、
>本来の踊りの要素が薄い
で、
確かに踊っている描写は
→月とたわむれ、星をかすめて
だけなんです。
この事実も制作のときに少し悩みました。
短い。
つけ足すか
*〜かすめて
のあとの段を数行開けるかとも考えました。

でも、分かるかな、と。もしかしたら、手抜きかもしれません。すみません。手を入れると、全体のバランスが崩れるかも、という懸念もありました。


そこで昨日、実は拡大版を書いていたのですが、この際なので、元の詩の下に改稿版を載せておきます。よろしければまた、ご意見頂ければ幸いです。

仕事の合間にこの文章を書いたので、少し乱文になっているかもしれませんがお許しください。
No.5  青ガラス  評価:50点  ■2014-01-24 03:33  ID:6Sbbo4.76/Y
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至福のひと時ですね。
タイトルの満月のロンド、それに
月とたわむれ、星をかすめ
こころ躍る様子が綺麗に描かれて素敵です。

「そのまま、

閉じないかぎカッコがドキっとして
気に入ってしまいました♪

思い出して微笑んでしまうようなひと時。

あぶく、あわぶくでもなく、泡沫でもなく
あぶく、なんですよね。
こわれないでこのままずっとロンド
そんな思いを感じました。


No.4  游月  評価:0点  ■2014-01-23 01:04  ID:Lg/anJZZyX6
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楠山さん、ご感想ありがとうございます。

少し分かりやすく書いて見ます。
−−−−−


『月光輪舞曲』


ゆるり沈んでいく夢路への道すがら
響いてくる囁き声に連れもどされたところ

愛する人がそばにいてくれる幸せを
月明かりに浮かぶ温かな横顔に感じつつ

また、ゆるり

夜空を游ぐように、すべるように

こちらを向いた満月は唇にふれ
心地よさに声はもれる

はじけたあぶくの先に
ふわり

私を見まもるあなたの笑顔



−−−−−
雰囲気を感じて頂けて幸せです。
No.3  楠山歳幸  評価:50点  ■2014-01-22 22:47  ID:3.rK8dssdKA
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 読ませていただきました。
 あぶくが水の中の泡みたいで、夜の中を泳いだような読後感でした。
 そして、なんだか艶やかさも感じてしまいました。
 意図を汲みとれていないのは自覚していますすみません。
 短くとも、とても素敵な詩でした。
No.2  游月  評価:0点  ■2014-01-22 17:57  ID:STGQyRbvtcY
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菊池清美さん、こんにちは。

素敵な逸話をありがとうございます。
私の詩より、菊池さんのそのお話の方が、切なくて、けなげで、
よしよししたくなりました。
そういった逸話は、ファンタジーなので、そのまま書いても詩になりそうですね。
『よみがえり』という映画があり、近年の日本映画にしては大変感動的なものでしたが、その映画に匹敵するほどに心をいためる逸話でした。
そうした感動を味わいながら人の感性は深く大きく成長していくのでしょうね。菊池清美さんにひとつの大切なメロディーを頂きました。
ちょっと興奮気味で文が乱れてますが、お許しください。

ありがとうございました。
No.1  菊池清美  評価:50点  ■2014-01-22 10:47  ID:/dxzQ0Wmf36
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確かに私より一行だけ短いです、だけど十七文字で立派な詩が書ける国ですから長さは問題ないと思います。

夢に持ち出そうと…面白い表現ですね私だったら持ち込もうと書くかもしれません。
幼い頃亡くした愛猫を夢から持ち帰ろうとして失敗し、朝っぱらから号泣した事が有ります。
夢と現実の不思議な交錯感が良いですね。

この様に心の動きを書いたものが好きです。
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