なつの昼間、おひるねの頃





なつの昼間、おひるねの頃
ぼくひとり、ほそくながい道あるく。
ひとびとは氷の入ったそうめん、音をたてて食べ
ひんやり、冷房の下で薄いタオルケットかけてねむる。
ぼくひとり、ほそくながい道あるく。
 
熱風にあおくさ、終日たゆたい
陽の光、じりじりとあつい。
真白い砂利道の上、ひからびたミミズをつつくすずめ
しらじらと去って
地上はやがて沈黙した。
野球する坊主の影だに、ひとつとてなく
ぶあつい雲の影だに、はやばやと過ぎ
なつの昼間、おひるねの頃
この世の果てに来たようだ。

ためしにわぁっと叫んでみるものの
あかるい廃墟をこだまするばかり
ためしに駆けてみるものの
息がくるしくなるばかり
ためしに煙草をふかしてみても  
それとて何もありはしない。
地上にはもはや、たゆたうあおくさ以外になにもない。
もう、ほんとうになにもない。

誰かぼくを元の場所へと連れ戻しに来てくれないだろうか。
あのあおいびぃどろの、
すずしいうちがわへ。
とおい、とおい、むじゃきな子供が昔は起きていたろうが
今日ではだれもいないなつの校舎みたいに、ふかいねむりについている。
   
  では、あの風鈴はもう鳴らないのですか。

  あの夜空はもう彩られないのですか。

  あのプゥルの水はかわききったのですか。

  あの朝顔の背は高くなったのですか。

  あの絵日記はもう書かなくてよいのですか。
 

それならば、
なつの昼間、おひるねの頃
ほそくながい道をひとりあるくしか
ぼくにはもはや
手立てがない。
―――あぁ、ねむって、ねむってしまいたい!






 
 


toutotu
2013年07月24日(水) 08時55分30秒 公開
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No.2  toutotu  評価:0点  ■2013-07-27 16:52  ID:eDpc/6zpXJ6
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SHIRIAIさん
こんにちは。
感想ありがとうございます。
おっしゃるとおり、前半ぐじゃあ、という感じです、、しっかり考えたいと思います。
後半は自分で書いた後に「これでいいのだろうか」といった気がしていたのですが、安心しました。チャイコフスキーに関してはからっきし分からない、ですけれども、似ていると言われて、やったー、です。
ありがとうございました。
No.1  SHIRIAI  評価:40点  ■2013-07-25 13:14  ID:bi3DsvN5XiY
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こんにちは。
今回、後半、畳み掛けてくる文がいいですね。少し胸があつくなりました。
しかし、前半の乱暴な古語の投げ込みと、リズムの乱れが良くないと思います。

【前半について】

●文のイメージ、
小学生→一瞬、大人?と思いきや→
古語を習いたての中学生→小学生→大人

これに意図があるにしても、古語の粗末な扱いには違和感がある。

●リズム、
強意の「だに」の連呼に違和感。
「ためしに〜ものの〜ばかり」の二回までの繰り返しはリズミカルですが、
>ためしに煙草をふかしてみても
で調子っぱずれ。 三度目の「ためしに」と、八+七(七+七崩し)の定型調が合わない。文字数が少ないと感じました。

【全体の狙い】
二つの違和感を解消できれば、大人になった自分の過去(小中学生)を思いながら現在の自分や他人を照らし合わせる方法が面白く、特に、後半の畳み掛けとラストの主題再現部が、チャイコフスキーの交響曲第4番の一楽章のオープニングのファンファーレを四楽章に再現させていく感じに少し似ていて、よかったし、個人的にはかなり勉強になりました。

ありがとうございました。
総レス数 2  合計 40

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