宮里藍(みやざとあい)

海辺の都市アトランティックシティーで開催された
ゴルフツアーに、友人と二人で宮里藍を見に行った
双眼鏡を持っていこうかというと
動物園じゃないんだから、そう友人は笑っていたけど
私は双眼鏡をしっかりと鞄にしまって持っていった

海辺のゴルフコースはほんとうにきれいだ
手入れのいき届いた芝がつづくフェアウェイ
みどりの芝を越え、グリーンの向こう側には
あおい海と空がある
雲ってなに、それっておいしいの?
それくらいに一面あおい
海のとおく向こうには高層ビルの建つ岸が見えて
その上にどこまでも空が続いている

風が、とても気持ちいい

来たぞ、そう友人がいうと
ティーグラウンドに宮里藍が出てきた
くろぐろと日焼けしている
ぴんと伸びた背筋
筋肉のしっかりついた太もも
宮里藍は礼儀正しくお辞儀をすると
まっ白いボールをティーの上に置いた

今日一番最初のショット、ドライバーだ
あんなに小さな体で、しなやかでおおきなバックスイングをする

一瞬の静寂

かきーん!
透き通った音が響くと
白球はぐんぐんと伸び、みどり色のフェアウエイの上を
グリーンをめがけ海の方へ転がってゆく

すごいね、やっぱりプロはすごいね

宮里藍は二打目にむけて
草原のような芝生をまっすぐ歩きはじめた
ギャラリーが後ろからついていく
私は双眼鏡を取り出すと宮里藍に狙いをさだめた

凛々しい眼差でグリーンを見つめる
獣みたいな女の子

みどり色の芝の上では、人間だって
きれいなけものになる

うんこ太郎
2012年07月24日(火) 08時16分09秒 公開
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■作者からのメッセージ
宮里藍さんを見た感想です。

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No.4  うんた  評価:0点  ■2012-07-31 11:20  ID:iIHEYcW9En.
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Physさん

ご感想ありがとうございます。なんだか毎回律儀にご感想をいただいて
大変恐縮です。詩はぽんぽんと書けてしまいますので、気の向いたときに
一行程度の感想だけでもいただければ私としてはうれしいです。

>胸のすくような美しい情景

この詩では実は宮里藍よりもゴルフ場のきれいな景色を一番書きたかったので、
情景を想像いただけたようでありがたかったです。

>さいきん忙しくて太陽の光から縁遠い生活を続けているので、青い
空が恋しくなりました。

とてもお忙しいようですね。なかなか時間を確保することは難しいとは
おもいますが、できるだけ外出や運動はした方がいいですよ。
一日五分でも詩は書けますし、三十分あればジョギングができます。
私は仕事ができる方ではないので、私が言っても釈迦に説法かもしれないですが
メリハリと段取りが大事だと思います。
一日十四時間働いても何も成果のだせない人はいますし、短時間で集中して
成果を残す方もいます。
もちろん私は成果を出せないほうですが、短時間で仕事を終えるという
心構え(さぼり癖?)だけは常に意識しています。
一番恐いのは、仕事にくたびれてしまうことと、残業が常習化してしまうこと。
部屋も一旦汚れだすと綺麗に戻すことが難しい。毎日少しでも掃除するとか、
毎日少しでも小説書くとか、そういう積み重ねがあとあときいてきます。
とにかく時間をやりくりしてあまった時間は自分に投資するようにしないと、
仕事でも伸びないような気がします。
なんて、偉そうにごめんなさい。でも私はPHYSさんより社会人経験が長いので
ちょっとだけ偉そうにさせてください。
ここでお知り合いになれたのもなにかのご縁だと思います。

>宮里さんは、確かに獣然としていますよね。芝生を読むときの、あの方の研ぎ
澄まされた瞳に、釘づけです。立派な太ももにも注目です。

宮里藍はすごいですね。二十六とか、そのくらいかな。あの落ち着きとか
受け答えとか、精神的強さとか、プロ意識の高さを感じます。
ゴルフ場でのたたずまいが本当に格好よかったです。ライオンみたいでした笑

>関連して、ついにオリンピックが始まりましたが、日本人アスリートの活躍を
目にするたびに、元気をもらえます。当事者になると緊張でがちがちになって
しまうのですが(つい先日に社内のバレーボールチームで試合に出ました)、
熱狂の中に身を置く(つまりは観客になる)のも楽しいですよね。

社内のバレーボール楽しそうですね!
緊張されたということですが、そういうぎこちないところを見せあいながら
同僚や上司と仲良くなって、コミュニケーションがよくなっていくのだとおもいます。
そのうちきっとゴルフにも誘われますよ。
私も社内コンペで女子社員とコース回ったことありますが、
女性でゴルフがうまいと格好いいですよ。

No.3  Phys  評価:40点  ■2012-07-29 15:30  ID:rokNX3sV0fg
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拝読しました。

>動物園じゃないんだから

と友人が口にした冗談が、

>みどり色の芝の上では、人間だって
>きれいなけものになる

と呼応していて、太郎さんの詩を読むとき特有の、構成の美しさを感じました。
言葉の一つ一つがうまく『定着』しており、理路整然と配置されていますね。

>雲ってなに、それっておいしいの?
>それくらいに一面あおい

胸のすくような美しい情景を、素朴な言葉で、飾らずに届けて下さる太郎さんに
感謝です。さいきん忙しくて太陽の光から縁遠い生活を続けているので、青い
空が恋しくなりました。

>ぴんと伸びた背筋
>筋肉のしっかりついた太もも

宮里さんは、確かに獣然としていますよね。芝生を読むときの、あの方の研ぎ
澄まされた瞳に、釘づけです。立派な太ももにも注目です。

関連して、ついにオリンピックが始まりましたが、日本人アスリートの活躍を
目にするたびに、元気をもらえます。当事者になると緊張でがちがちになって
しまうのですが(つい先日に社内のバレーボールチームで試合に出ました)、
熱狂の中に身を置く(つまりは観客になる)のも楽しいですよね。

また、読ませてください。
No.2  うんた  評価:0点  ■2012-07-27 10:14  ID:iIHEYcW9En.
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ひまわり様

ご感想をありがとうございます。
表現が素敵といっていただけて嬉しいです。
ありがとうございます。
No.1  ひまわり  評価:40点  ■2012-07-26 05:31  ID:pkP/EC4hRbk
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最後の きれいなけものになる この表現が素敵です。
総レス数 4  合計 80

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