始まり
 夢の中に覆いかぶさるものがあって、それは欲情する母だった。僕の顔面に乳房を必死に擦り付けながら、はあはあと吐息を立てていた。僕は恐ろしくなって、母を蹴り飛ばし逃げた。必死で逃げた。それでも母がやってきた。「坊や、坊や、ここにおいで。貴方のお部屋よ。そして私の。」

――ここで夢は覚めた。夢は覚めたが、感覚はまだ頭の全神経に残っており、押し付けられた乳房が忘れられなかった。首を振るが、それはついて来た。

母親が一階から呼んでいた。「ご飯よ、ご飯ができたわよ」その声が怖かった。あなたに犯されたんだ。あなたに犯されたんだ。僕は一階に降りた。そこにはハムの焦げた匂い、トーストーの香ばしい匂い、すべての朝食の匂いがそろっていた。そうして、母は台所で笑っていた。僕は羞恥を、なぜか感じた。
思わず顔を背けて、朝のテレビをニュースを見た。とある女優たちが出ていた。若い女優たちだった。その顔のひとつひとつでさえ、夢の中の母親の顔と重なった。

全ての女の人は母だった。


―――それから数年経った今でも、まだその感触が蘇って来る時がある。

例えば、女の人とセックスをする時。いつも「母」を思い出して泣いてしまうのだ。
こうすけ・ふぬん
2012年02月22日(水) 19時05分02秒 公開
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■作者からのメッセージ
改稿したものです。拙いかもしれませんが、一生懸命文章であらわしてみました。

追記・詩の全てはフィクションです。

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