詩集

鯖の群れが泳いでいる
青い表紙の
詩集を開く
穏やかに
波をぐつぐつと
茹でるようにして
ページをめくる

森に咲く花のような
しおりをとろう
うすく日が差しこむ道
土のつめたさを
裸足でたしかめながら
なるべく遠くまで
歩いて行こう

誰かに会ったなら
声をかけよう
できれば
恥ずかしがらずに
手を握り合って
緑いろの地平線まで
一緒に
歩いて行こう

気がつくと
日はすっかりと
なす色に暮れて
私たち
詩だけ残して
透けてしまったね

おやすみ
今日はもう帰ろう
しずかに
詩集を閉じて
大切な詩は
そっと心にしまっておこう

空手道連盟
2012年03月06日(火) 13時31分14秒 公開
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よろしくお願いします。
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