夕焼けヒコーキ

まだ飛ぶつもりかい?
もう夕方の5時半だよ
僕は帰るけど飛ぶのかい?

光が目立って
まるで星のようさ
いくつになっても変わらない

チューした君の横顔
夕焼けが照らして影になる
二人の間に見える
三日月とヒコーキ

あの日飛ばした紙ヒコーキ
よりも強く真っすぐすすむ
波もなければ岩もない黄昏の空を
白い軌跡を 残して


もう飛ばないのかい?
まだ夜の7時半だよ
大きくなると早く感じる

かすかな光
ビルのせいで途切れる
軌跡 悔しくないのかい?

手つなぐ僕らの思い出
夕日に描いて眺めてみる
二人が戻れない理由
三日月よ教えておくれ

いつかまた飛ばしてみようか
君の思い出と一緒に乗せて
雨を避けてすすめヒコーキ
黄昏を横切る 記憶


かっこつけた言葉を
ヒコーキがさらってゆく
届かず落ちた想い
大丈夫また拾って
そっと乗せて飛ばせばいい
何度でも


気づけば紙を折りながら
窓からひゅっと飛ばしてる
ビルの窓に入ってくれないか
届かなかったあの想い
つづったんだ中に
真っすぐ彼女の机へ すすめ
夕焼けヒコーキ








田中未来
2011年03月09日(水) 19時08分51秒 公開
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No.1  ザイチ  評価:0点  ■2011-03-17 02:05  ID:2EbdM0k4XrU
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(評価をつけるのが苦手なので、感想だけ書かせてください)

タイトルの響き良いですね。
『夕焼けヒコーキ』って、題名だけでも伝わってくるものがあります。

二人をのせた操縦のつかない飛行機・・ほろ苦く何とも切ない気持ちになりました。
夕焼けに失墜する、ヒコーキの行方をまだ知らないでおきたいような、まだあの空を飛んでいると信じたいような、そんな哀愁に浸りました。
とても素敵な詩でした。。
総レス数 1  合計 0点

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