鳥獣戯歌
負かすまで退けぬと鏡に吠える犬

エサ求め掘れども掘れどもプラばかり諦めきれずカラスまだ掘る

曇天の空気に浮かされ宵闇に嵐のようなカエルの合唱

襲いしは不安か悪意か誘惑かリードの無い犬みちへ飛び出す

羽化越えて我謳歌する炎天下
アラキ
2023年01月06日(金) 20時35分24秒 公開
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■作者からのメッセージ
一応、連作ではなく単品5句のつもりです。

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No.6  アラキ  評価:--点  ■2023-01-27 18:08  ID:pu1HY/1I14U
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えんがわ様
ご感想ありがとうございます。
実は5句の中で最後の句だけはポジティブな意味合いを込めています。
作品を書こうとするとつい皮肉や苦悩といったネガティブ要素に走りがちなのですが、やはりポジティブな内容の方が心の琴線に触れやすいのでしょうね。
私自身、重い話より楽しい話や希望のある結末の方が好みですし。
今後は少し意識していこうと思います。

かなと漢字のバランスは偶然です。指摘を受けて自分でもびっくりです。
そういうところも意図的に調節できるよう頑張りたいと思います。
No.5  えんがわ  評価:50点  ■2023-01-26 14:57  ID:PyFRimgEhSs
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こんにちわん。
一番響いた句を。

>羽化越えて我謳歌する炎天下

セミはうるさーいと思うのですが。
それが自由への賛歌のような、威風堂々と歌うセミさんを想うと風情があります。
青春のメッセージのようにも聞こえます。

文字面も素敵で、

漢字3字、ひらがな2字、漢字3字、ひらがな2字、漢字3字

と見栄えも良く、綺麗と言うかさっぱりしているというか、そういうのも作品の清流さを際立たせていると思います。
No.4  アラキ  評価:--点  ■2023-01-16 14:04  ID:pu1HY/1I14U
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天祐様
ご感想ありがとうございます。
批評を頂ける機会というのは得難いもので、感謝しかありません。投稿した甲斐があるというものです。
句に寓意を乗せることにばかり気を取られて情景描写をおろそかにしていたようですね。
特にカエルの句。指摘されるまで気付きませんでした。
ピンと来ずともせめて違和感を感じさせない句を作れるよう精進します。
とはいえ、狙い通りに伝わったものもあり嬉しい限りです。
ありがとうございました。
No.3  天祐  評価:30点  ■2023-01-15 11:44  ID:F2cSASWZGBA
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拝読しました。
詩は門外漢ですが、感想を少し。

1.どうしてもパブロフの犬が浮かんでしまいますね。犬が鏡を見つめるシチュエーションが素直にイメージできず恣意的に感じてしまいました。

2.カラスは土を掘るものでしょうか。掘っているのがごみ袋であればイメージできますね。その場合は「穿っても」という言葉のほうがしっくりくるかもしれません。

3.曇天と宵闇がうまくつながらないように感じました。曇天という言葉の良さは鉛色の重苦しさにあると思うのですが、宵闇に曇天ではそれぞれの言葉が持つイメージがかぶってしまい、情景がぼけてしまうかもしれません。

4.「みち」が漢字ではなく開いてあるところがいいですね。「道」なのか「未知」にも読めて面白かったです。

5.蝉でしょうかね。生への執着ではなく、自分を謳歌するという表現は個人的に目新しく感じました。短い生を知ってか知らずか夏を謳歌するにぎやかさとその裏にあるはかなさを感じました。

つらつらと感想を述べてしまいましたが、はっとさせられる言葉の表現が楽しかったです。
No.2  アラキ  評価:--点  ■2023-01-09 18:38  ID:pu1HY/1I14U
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ゆうすけ様
すべての句に丁寧な感想をいただき恐縮です。
色々な解釈ができる、というのはまさに狙い通りなのでとても嬉しいです。
読む人によって解釈が変わるようなものを今後も目指していくつもりです。
ありがとうございました。
No.1  ゆうすけ  評価:50点  ■2023-01-09 18:18  ID:l9HNwrYHA8I
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拝読させていただきました。
五つの句がありますね。いろいろな解釈ができて面白いです。
1、負けまいとする姿を軽く笑ったような句ですね。読み方次第では「自分で決めた信念に追い込まれて苦しむ己自身」とも感じられます。必死になって頑張って苦しんで、ふと見た鏡に映る鬼の形相の自分を思い返します。
2、地球環境問題のような句ですね。鶏やハトが地面を突いているのではなく、知力が高いカラスが何故不毛な行為を繰り返すのだろうか?その問いが面白いです。
3、これはまさに我が職場の風景。田舎の工場です。夏はまさにフルオーケストラ、迫りくるような大音量です。見事に私が感じている風景を描いてくれました。なんか嬉しい。
4、自由への感じ方を軽妙な語感で面白く描いていると感じました。期待と戸惑い、遠い昔に感じたそわそわする感じ。
5、田舎の我が職場ではたくさんの羽虫が出ます。ガガンボやら蚊やら、羽化したそばから蜘蛛の巣にかかるやらカエルに食われるやら。せっかく世の中に羽ばたくときが来たのに、いきなり地獄絵図。ああ、若者よ、成人しても苦しみの大人の世界、なんか泣かせる。
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