一部を切り取られて |
切り取られたぼくの Ichibu は 君に捧げたのです 朝に夕に水をやり 日ざしは強過ぎず暗過ぎない場所に置いて 大切に見守ってくれたなら 切り取られたぼくの Ichibu は やがて君を愛するようになる ぼくは夢見ている 切り取られたぼくの Ichibu が 君の内側で大きく育ち ぼくのよろこびを君に伝えることを ぼくのよろこびが君のよろこびになることを それでもいのちには限りがあり 切り取られたぼくの Ichibu が しおれて枯れて干からびたなら 海を眺望する崖の突端に祭壇を組んで 鳥葬を営んでいただきたい ぼくは夢見ている 巫女の装束をまとった君が ぼくの Ichibu を捧げた祭壇の前に端座し 両手を高く高くかかげ 白目を剥き口から泡を飛ばして 俗人には到底理解のおよばぬ 聖なる祝詞を奉じているさまを 横たえられたぼくの Ichibu の上空はるかに 貪欲な鳥たちが円舞し高く高く遠ざかるさまを (一部はI-chibuでありIchi-buでありI-chi-buである) ああ その時こそぼくは 君の Ichibu となっているのだ ぼくは夢見ている 切り取られたぼくの Ichibu が 翼を獲得し高く高く飛翔する瞬間を |
井之四花 頂
2022年12月10日(土) 21時55分33秒 公開 ■この作品の著作権は井之四花 頂さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 MOON 評価:40点 ■2023-05-08 11:35 ID:Lo27fWq9mYo | |||||
なんだか凄まじいイメージを読者に喚起させる作品ですね Ichibuとは何でしょうか?魂の切れ端のようなものでしょうか 色々と考えてしまいますがとにかく言葉そのものを肌で感じて読むのが 一番かなと思いました あと語句の表現が非常に多彩ですね! 参考にさせてもらいます |
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総レス数 1 合計 40点 |
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