| 覆面禁止令 |
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禁じられた覆面を被り 街を歩く 首から下は まっぱだかで おちんちんを ぶらぶらさせて 荒れ果てた街を 風が吹き抜け しなびたおれのおちんちんが 左右に揺れる 覆面を 着けて 恥ずかしいおれの 悲しみは見えぬ 寒さに遂われ 南下する者の悲しみも 小唄を封じられた 引かれ者の悲しみも 覆面さえ あれば良い ちんちんを締め付ける 衣服など要らぬ 要らざる衣服が ちんちんを締め付ければ キャンタマを締め付ければ 手のひらをこぼれる砂のように 自由は遠ざかってしまうゆえ 荒れ果てた街には 臭いガスと 硝煙と 諦めた者の涙の残り香が うっすらと漂って おれの覆面の うちがわにはいりこもうとする 鼻先にそんな かすかなニオイを感じ おれは涙を流して笑う 嗤う WARAU wa・ra・u WARAUたんびに おれのちんちんがいっそうはげしく 左右上下前後縦横 十文字に投網をかける要領で 揺れる YURERU ゆ・れ・る 笑い 嗤い WARAIながら 泣き おれは許しを請うた 両頬を滂沱と 滝と流るる涙 NAMIDAナミダにいろんなニオイが 混じり されどはずかしいおれのナミダも みぐるしいおれのWARAIも 覆面の下に閉ざされておる限り 見えはせぬのだ ≪申し訳ありませぬ、 不届きにも、覆面を被りおるこのわたくしは、 かかる 皆様方の間を吹く風と、このちんちんを共にしたかっただけ、 されど皆様、 わたくしは透明な男、 白状いたさば、 行き場を失いし亡霊、あるいは風のうちを、 誓って不調法なさまを、見せたりしませぬゆえ、 皆様を揶揄しようなどとは滅相も無く！ されど万一、皆様のうちに、 この透明なばかものが、見えてしまうお方がおられたら、 万死に値するふるまいが、御目に留まってしまわれたら、 この見苦しきかぎりなる陰部を、あやまたず狙撃してくださいませ、なにとぞ！ 苦悶のうちに おろかなる快楽のつ・ぐ・な・いを、いたさせてくださいませ、なにとぞ！ ああ皆様方よ、 御難儀のうちにも、「風が頬を撫でた」と感じられたなら、 このおろかものが通り過ぎたのでございます≫ |
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井之四花 頂
2022年03月28日(月) 21時15分33秒 公開 ■この作品の著作権は井之四花 頂さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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