ずっとずっと
空想の岩場に立ち、ずっと胸の奥につっかえていたものが熱くなっていくのを感じる
午前八時に、人の言葉が盗めるなら、とってもやらしい言葉がいい。
絵具をずっと重ねていくと鼠色になって、もう色が変わらなくなる。
それが不思議で仕方がなかった。今でも不思議なのだから、
不思議という感情は理解できないものに対する言葉じゃない。

遠い言葉を探していた。ずっとずっと奥にある言葉。もしくは、文明の向こう側の言葉。
信じられないくらいの溺愛によって、生まれた怪物は、鏡を見て何を思うのだろう。
「辛いなら、眠れば良いよ。また明日」と僕は怪獣に言った。

昼間、起きてるとも寝てるとも形容できない有閑に、遠くから太鼓の囃子が聞こえてくる。
雨が上がって、初夏の快哉に燻っていて小人が踊っているのだと思う
調べは知らない。その人の声も知らない。

自分の思考がいつも同じ回路でグルグル回っていることに気づいた。驚いて声が出なかった。
そんなに自分が信頼できなくて好きかい。
ねぇ、あの予感は正しかったかい。いつも切なさと喜びが同時にやっていくるだろう。
物語が終わった後、悲しくて泣いたことがある。
この後はないんだって。ある日を境にその切実な思いは死んだ。

物語が終わるたびに切なくて泣いている方がいい。ずっとずっと丸くなって寝るんだろうなぁ。



鹿敗北
2020年07月17日(金) 10時50分08秒 公開
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