殲滅一つ。
卒なく殲滅の母性を、往なせば喜びが不意に湧いてきて、やがて海になった
夜の日が左からやって来て四方に灯を切り裂いていった
遊びから笑いがなくなったその日から僕はただの凡人です
希釈したのは、新鮮な幸せでその後には惰性の地獄がうねる様に待っていた
むず痒い比喩はもう受け付けないくらい硬質になった僕の芯が、練り歩いて死にたくないから実存を考えた日々は当に過ぎて、今はただの肉と数式のお化け、
優しさを感じて、朗読出来るこの、感情を律儀にも折り畳んで、修復しようと恋願ってる
星が全部落ちて、空が死んだ日に、六丁目の老人が「着物はどうか」と僕の部屋着に勧めた
革靴を履き崩した僕は労働に草臥れて、甥に魔法を教えた
、死んでも死んでも蝉の音が聴こえる呪術
中性子が増えて体重が重くなったり、磁場が混戦して思考が乱れたりしたけれど、水槽に買った淡水魚は健在です
ワクチンの副作用があなたの初恋の遅延なら、僕は学生に戻り、あの子の名を忘れようとするだろう
それが社会出てからの治癒になるからで、僕の毒を、白い色の概念から、ひらひら、と花びらが落ちる様に剥がれ落ちる
自動車の交通が猫の合唱によって止めらていて、人々はただ踊る。されど。
呼吸して意識を飛ばして表象を握りつぶして、女性像をひっくり返して、
僕の身体が駆動して、排気してギリギリと機械音が鳴るまで、生きたとして、それって意味あること?
魔女が不死身な孤独はやがて狂気を生み、鉱石の光に照らされた良心を暴力とも言える厚かましさに変える。
「つまり、それって「ヤンキーの中古」てこと?」
言い分は五分五分。処女に拘る男がとても社会的緊張を欠いているように、一線を跨ぐ。
往復するのは失望と嫌悪。
失望は世界の複雑さは単純なものの積み重ねから来てる。しかし、説明書はない。
君は君で考えろ、君はこの言葉に笑った。その言葉すら命令しているからだ。
呪われているんだ、一列に並んだリクルートスーツの悪意のなさに。
やめろやめろ、内外言ってる。忖度してるのは、他者と内面で、形式だけが残ってる。悲鳴あげてる。
維新以降作ったシステムとよく似ている。一度の約束は死ぬまで破られることはない。
前期と後期、二つに分かれる知的緊張が言葉選びを危うくさせてる。
時間は過ぎてる、あとは遅れたダンスを踊るだけ。誰も見てない「踊り場」で。
あ。
言っていう。
その一秒に何人か引き算したら人が少なくなった。
もう嫌がらせに近い。
蝉の音、数珠の弾ける音、赤い唇、
それらすべて、甥にあげた。
祖父から学んだのは窮屈さと隙のある生真面目さである。

僕から得られるのは書かなかった夏が書かれてしまった、
罪一つ。


詩歌敗北者
2019年07月17日(水) 11時15分37秒 公開
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No.2  詩歌敗北者  評価:--点  ■2019-07-29 04:47  ID:TzGSiGaGs2k
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感想ありがとうございます。
最近はこんな感じの詩を書いています。
知的緊張と社会的緊張のバランスを意識して、書いていきたいですね。
まだ社会的緊張を欠いていますが、歳を取るにつれて改善していくかも、と思いつつ。
ただ、言葉選びが易化している気がして、不安であります。
そこは、ちょっと「緩くなってない?」と助言くれると嬉しいです!

感想は読んでいます。色々な嬉しいことありがとうございます!!
No.1  笹竜胆  評価:50点  ■2019-07-17 19:31  ID:4T/L50pAufs
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好きだわあ。
時代の層をくっきり映しつつ、自己の係累を象っていく感じ。
戦時に壊れた文化と精神がやっと明治の最先端まで戻ってきたのかもね。
色々な概念やスタイルが、お仕着せからファッションとして肌に馴染んできたのは最近の話だと思うし。
ともあれ同時性が嬉しい。
意味に価値はあるのか、とか。
埋み火の性は誰の落し物なんだろ、とか。
考えてみるのも面白かった。

P.S. 受けてくれてありがとね。
総レス数 2  合計 50

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