バター犬 |
おれは バター犬だ せいかくには 犬ではなひ が 犬のやうによつんばひになり その 塗りたくられた マーガリンをなめる バターではなく マーガリン を おれは マーガリン犬 かもしれぬ のだが さういふもんだゐでは なひと ご主人は云ふ おれは マーガリンを なめる ご主人は おれに云ふ 「バターは硬い」 バターは硬ひ 味が濃ひ 値段も高ひ ゆゑに つかひにくひのだらうと おれはおもふ 塗りたくられた マーガリンを なめれば ご主人は こゑをはりあげて よろこぶ うたふやうに こゑたからかに よろこぶ それをきひておれは うれしひと おもふ ある日 ご主人が おれに云ふた おまへ マーガリンのかはりに マヨネーズなめるかい おれは マヨネーズのあじを しらなひ なにより おれは バターのあじを しらなひ マーガリンの あじしかしらぬ おれはバター犬 マーガリンしか しらぬのだから うまひのやら まずひのやら しらぬ マヨネーズを なめるやうになつても おれは バター犬なのだらうか マーガリンしかしらなひ バター犬が マヨネーズをまなぶ それでもおれは バター犬 「バターは硬い」 |
井之四花 頂
http://ameiri3ko.hatenablog.com/ 2019年03月04日(月) 23時40分49秒 公開 ■この作品の著作権は井之四花 頂さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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No.1 ナカトノ マイ 評価:50点 ■2019-03-14 16:37 ID:C8XEfVKlQrU | |||||
奇怪な雰囲気で、とても惹きつけられました。内容も、自分のアイデンティティを問われるようなもので、この詩を出発点に様々なことを考えました。とても面白い詩だと思います。 | |||||
総レス数 1 合計 50点 |
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