バナッハ=タルスキーの境界 |
見えない壁がひび割れて 見えない穴がポッカリ空いた 意を決して通り抜けると すれ違った自分と目が合った 戦慄を覚えつつ抜け出た世界は 同じようで少し違う 自分の席に誰かが座り お前の席はあっちだという 愛した人とは他人になって 名も知らぬ人に愛される 板チョコを切って組合せを変えると 同じ数のピースなのに ひとかけらだけ余ってしまったように パラドックスで構築されていた 余ったひとかけらがまた分裂して 目の前の空間にまたヒビが入る 手を伸ばすと空間の中に消え 向こうから同じ手が出てきた 存在するはずのないそれは 己の存在を嘲笑うようだった |
TAKE
2017年05月08日(月) 23時01分24秒 公開 ■この作品の著作権はTAKEさんにあります。無断転載は禁止です。 |
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