| 雨音 |
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雨が 降って 世界が 融けて 窓辺の 花瓶に 溢れて 消えた 硝子を叩く 雨の色 光を綴じる 空の音 いくつも いくつも流れ去る 雫 雫になって いつか消え行く 消えてっちゃう のかな 哀しくなんてない 哀しくなんて ない 夜が明けて 日が 暮れて ずっと ずっと 独りぽっち 何が降っても 風が 耳許で唸る 過去を咎めるように あの人を 赦してあげなかった から ……かな もうわからない 知ることが できるのは 赦されている のは こうやって 写真立ての縁 を 指でくすぐる ことだけ 雨音に俯く 午前六時 の 秘密 街灯の白い影 滲んだ あの人の 笑顔 いつかを焦がれる 頬の傷 に いつか 亡くした 口吻がこぼれる |
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時雨ノ宮 蜉蝣丸
2016年09月09日(金) 08時17分54秒 公開 ■この作品の著作権は時雨ノ宮 蜉蝣丸さんにあります。無断転載は禁止です。 |
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| No.5 時雨ノ宮 蜉蝣丸 評価：0点 ■2016-10-16 22:07 ID:WTIMKAhaPbM | |||||
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秋雨さん 様 コメント感謝致します。 昔の作品を覚えていてくださって嬉しく思います。言葉の調子とかは、それらと似たような作りになっています。 モチーフが、過去作は人でないものに焦点が当たっているので、これと比べると言葉同士の文章的な繋がりを薄くしています。 ありがとうございました。 |
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| No.4 秋雨さん 評価：40点 ■2016-10-09 12:04 ID:hEYeduAIQSk | |||||
| 時雨ノ宮さんの詩のなかでは「銀星」や「紺子」あたりが好きです。この詩もそれらの系列にあるかと思います。格調というものを大事にされてみてはいかがでしょうか。 | |||||
| No.3 時雨ノ宮 蜉蝣丸 評価：0点 ■2016-09-14 00:57 ID:3mSXxTMsmaU | |||||
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陽炎 様 コメント感謝致します。こんばんは。 雨の日、夜と昼の狭間の感傷に浸っていただければと書きました。 赦さないまま遠のいてしまった誰かが、赦さなかった自分を赦さないでいることを人は怖がります。弁解も反論もできない状況で、ただ互いへの一方的な不満あるいは後ろめたさばかりが募っていく。その間、同じくらいのペースで、そんな自分を「赦さなかった嫌な奴」と評する気持ちも膨れていく。 『一方的な赦し』、仰る通りです。それは「許可」ではないのです。 褒めていただけて嬉しいです。ありがとうございました。 游月 昭 様 コメント感謝致します。 詩の中に「音」を表現する言葉があまり出てなかったので、「当人には意識的に聞こえていないが部屋中に響いている」感じでつけてみました。 本文と題名でバランスがとれるかな、と。 ありがとうございました。 |
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| No.2 陽炎 評価：30点 ■2016-09-12 00:01 ID:h9r/ANe14cU | |||||
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雨の情景が美しく描かれた詩ですね 少し感傷的かな、とも思いましたが 雨の日は私も感傷的な気分になります 赦さなかった人はもうこの世にはいないのですね だから語り手だけが一方的に赦されているんですね 信仰的な意味合いもある「赦す」という言葉からも そんな気がしたのですが 雨音はずっとなっているんでしょうね耳元で それが彼女の唸りのように聞こえているのではないでしょうか 情緒豊かな詩だと思いましたよ |
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| No.1 游月 昭 評価：50点 ■2016-09-11 16:06 ID:YsjZ.3o0GEo | |||||
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こんにちは。 雨が 降って／世界が 融けて っていう二行が動的な抽象絵画的景色とマイナスの心象が混ざっていて、お気に入り。 題名が「雨音」なんですが、 音はあまり聞こえず、視覚的で「雨模様」って感じですね。 |
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| 総レス数 5 合計 120点 | |||||
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