さくらの花びら〜Hira-Hira
春の風に揺られ、さくらが舞い散る

ひらひら舞い散るさくらを眺めていたら、
ひとひら欲しくなり、

手を伸ばしてみた。掴めそうなのに
掴めない

あのさくらも、このさくらも、何度
手を伸ばしてもひらりと躱される

でも、躱す所作さえ優雅なので、
憎めない。もっと掴みたくなる

この淡いピンク色の花びらたちは、
まるで僕が恋する女の子たちみたいだ

想いが膨らみ、夢中になればなる程
彼女らは離れていく

途中まではいい感じなのに、最後の
最後で躱される

嗚呼…恋もさくらもどうでもよく
なって来た

近くのベンチに腰掛けてため息を吐
いていたら

さくらがひとひら、ジーンズの上に
乗っていた

涙が一筋、頬を伝った
ありがとう、君を大切にするね

椎名莉音
2016年04月15日(金) 22時51分40秒 公開
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